未体験ゾーンの映画たち2012『幸せの行方...』ALL GOOD THINGS
観賞動機:特集の企画意図に賛同してラインナップから1本選んでみた。
メモ:実在の事件をモチーフにした作品だが、あまりに恣意的で辟易。証拠もないのによくここまで推測で断定していけるなと呆れるほどのストーリー展開で、とてもドキュメンタリー作家が撮ったとは思えない一本だ(フィクションとしてはこれがデビュー作)。「カポーティ」でフィクションの世界でも才能を示したベネット・ミラーのような腕前を期待したのだが、たんにコテコテのジャンル演出を見せられるだけで終わってしまう。未解決事件をこういうジャンル映画にして、なんの新発見も新証拠も示さずに(フィクションなんだから当然なんだが)犯人はお前だと断定してしまうなんて、日本には未解決事件をサスペンスとして楽しめる土壌がまったくないから困るだけ。許されるのは、例えば「BOX 袴田事件」のような、世論に風穴をあける目的で端的に真実を積み重ねる場合のみであり、さらには、そこに主題がのって始めて映画としては存在し得るんじゃないかと思う。これぞまさに未体験ゾーン!!なんつて
*これはメモ書きですが、いま読むと感想文でしかないなと思ったとか思わなかったとか。