第9回アカデミー賞予想対決!(5) | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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■作品賞■ (6ポイント)

☆アーティスト

 ファミリー・ツリー

 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

 ヘルプ 心がつなぐストーリー

 ヒューゴの不思議な発明

 ミッドナイト・イン・パリ

 マネーボール

 ツリー・オブ・ライフ

 戦火の馬


本命で。前哨戦結果を踏まえるとこうするしかない。ヒューゴは対抗として書かれることが多いが、じつは、子どもが主役だとか3D映画だとか、受賞まで辿り着くのにやっかい事が多い対抗たり得ていない作品。ファミリー・ツリーにも前哨戦負けることが何度もあったし、本命がフランス映画のモノクロサイレント風だからといって、過去の洗礼を覆しまくっている最近のオスカー結果を見れば、本作が受賞したところでなにも驚くことはない。ほとんどがインド人スタッフで撮ってしまったイギリス映画が受賞しているくらいなんだからね!




■監督賞■ (5ポイント)

 ウッディ・アレン(ミッドナイト・イン・パリ)

☆ミシェル・アザナヴィシウス(アーティスト)

 テレンス・マリック(ツリー・オブ・ライフ)

 アレクサンダー・ペイン(ファミリー・ツリー)

 マーティン・スコセッシ(ヒューゴの不思議な発明)


作品賞と監督賞が一致をみないとき、それは、本当は作品賞を受賞させたいのに、さまざまな大人の事情から受賞させられず、その謝罪的な意味合いで起きることがほとんどだ。ゲイ映画の時とか、性犯罪で手配されていたりした時とかね。というわけで、最近は、この部門は新人でも軽く作品賞とセットでぺろっと受賞してしまう傾向にある(英国王のトム・フーパーは劇場映画3作目)。つまりは無駄に予想を崩す必要はないだろう。ファイチャー(ソーシャル・ネットワーク)もペイン(サイドウェイ)も受賞できなかったのだから、スコセッシの線もない。もしアザナヴィシウスが負けるとしたら、無冠のテレンス・マリックへのリスペクトが爆発した時くらいなものじゃないか。




■助演男優賞■ (5ポイント)

 ケネス・ブラナー(マリリン 7日間の恋)

 ジョナ・ヒル(マネーボール)

 ニック・ノルティ(Warrior

☆クリストファー・プラマー(人生はビギナーズ)

 マックス・フォン・シドー(ものすごくうるさくて、ありえないほど近い)


「ものすごくうるさくて」を見てしまうと、マックス・フォン・シドーに受賞して欲しくてたまらなくなるのだが、そういった盛り上がりの噂がまったく聞こえてこないので、ここはすんなりクリストファー・プラマーでいいだろう。




■助演女優賞■ (5ポイント)

 ベレニス・ベジョ(アーティスト)

 ジェシカ・チャステイン(ヘルプ 心がつなぐストーリー)

 メリッサ・マッカーシー(ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン)

 ジャネット・マクティア(アルバート・ノッブス)

☆オクタヴィア・スペンサー(ヘルプ 心がつなぐストーリー)


今年は鉄板。本命で。




■主演女優賞■ (5ポイント)

 グレン・クローズ(アルバート・ノッブス)

☆ヴィオラ・デイヴィス(ヘルプ 心がつなぐストーリー)

 ルーニー・マーラ(ドラゴン・タトゥーの女)

 メリル・ストリープ(マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙)

 ミシェル・ウィリアムス(マリリン 7日間の恋)


ここも本命が誰ともはや言えない状況にある。メリル・ストリープの巻き返しが凄くて、ヴィオラ・デイヴィスを圧倒。いまや両候補肩を並べていると見るべきだ。本命をストリープとする媒体もちらほら出てきているくらいの有り様である(確かに重要賞の幾つかでストリープはデイヴィスを撃破している)。おいら自身も前にメリル・ストリープが受賞すると予想して玉砕している身であるから、今回もメリルにベットしたいという気がなくはない。しかし今回のスコセッシの失敗(アビエイターで受賞させたらもっといいの出てきた!)を目の当たりにしている会員らには、今回のストリープの演技がついぞの受賞に相応しいものと果たしてうつっているのだろうか?


おいらはスコセッシの存在がストリープへの投票を止まらせる気がする。またデイヴィスには類似候補がいないという強みがある。ストリープにはそれがない。おいらはデイヴィスでいいと踏む。黒人俳優の強い候補というのは、得てして本番もそのまま勝利するものなのだ。過去の先例がそれを示している。と長く書いたところで、らりぃくんは当然のようにデイヴィスだろうから、この文章ってあまり意味がないよね~




■主演男優賞■ (5ポイント)

 デミアン・ビチル(明日を継ぐために)

☆ジョージ・クルーニー(ファミリー・ツリー)

 ジャン・デュジャルダン(アーティスト)

 ゲイリー・オールドマン(裏切りのサーカス)

 ブラッド・ピット(マネーボール)


そして、ここが主要部門中もっとも難解な部門である。まず、らりぃくんが誰を本命と考えているかが問題だろう。本命を組合賞で受賞したデュジャルダンだと思っているなら、それはもうかなり古い情報。いまは、クルーニーとピットとデュジャルダンの三つ巴と化している。デュジャルダンが強いというイメージは前哨戦を追っかけていると当然行き着くもの。おいらも当初はそれを信じてしまった。だがはっきり言おう、アカデミー賞の主演男優賞部門というのはいまだ至宝なのである。そこらのひよっこが取っていいものではないのだ!!


最近ア協会の会員割合がデータ的に裏付けられてニュース記事になっていたが、あんなのは昔から分かっていたことで、つまりア協会会員のほとんどが老齢の白人男性なのである。おまけにその記事に付け加えるなら、その大多数は俳優である。もう何を言いたいか分かりましたね?ここと助演男優だけが同業同種の厳しい目をくぐり抜けなければ受賞できない部門なのである。そして助演と主演ではその価値が異なるのは語るまでもないこと。つまりここが最大にしてもっとも狭き門なのだ。そこらのひよっこやぽっと出が受賞できるような部門ではない。当然コメディアンを受賞させるのも論外だ。ここは正統派にして、確かな仕事、十分なキャリア、それら諸要素が要求されている。それらから大きく外れるデュジャルダンの可能性はかぎりなく低い。


それに、作品監督をアーティストが受賞すると仮定したと場合、主演を受賞させる理由が根本的にないではないか。作品主演男優がアーティストで、監督がヒューゴとかなら予想は組み立て易いが、監督もアーティストなのは間違いないので、主男はアーティストとはやはり成り得ない。本三部門をすべて受賞させることは歴史的な傑作でなければ認められないのである。アーティストが果たしてその域に届いているかどうか。おいらはないと思う。しかし三つ巴と言えど、クルーニーは助演で既にオスカーを獲得しており、主演での受賞をすんなり認められるかどうかという点で疑問があり、ピットへの票は「ツリー・オブ・ライフ」へのものとのセットだから、「マネーボール」自体は配給力での候補入りでも、じつは総合的に侮りがたいポテンシャルを秘めている。が、如何せんピットのようなルックスの俳優がこの部門は受賞していないという同業同種のやっかみ問題があり、やはりピットも押しにくい。つまり振出に戻る。悩ま・しーねぇ~!


オスカーウォッチャーであることを自認しているおいらは、クルーニーにベットする。クルーニーはいまやア協会そのものと言っていいくらいの業界パワーを持っている。才能豊かでリスペクトのされかたも厚い。ここ最近なんどとなくノミネートされており、その数からすれば、助演を受賞していることくらいなんてことはないレベルに思える。おまけに、クルーニー体制とおいらが主張するようになってからの彼の紳士的な行い。彼は自身がノミネートを受けても自分が受賞するべきなどといった我欲は一切見せず、映画ファン納得のコメントを発し続けてきた。


ブリッジスをリスペクトしてみせたクルーニー

デイ=ルイスを讃えてみせたクルーニー


それを全て本年度への布石だったと捉えることはできないか。思うに、最近同じようなことが立て続けに起こった。


ショーン・ペンの2度目の主演男優賞受賞

デイ=ルイスの2度目の主演男優賞受賞


トム・ハンクスの反省から、複数個授与するのを回避してきた協会が一転、複数個を容認しだしたのだ。ペンは5の2(2個とも主演)、デイ=ルイスは4の2(2個とも主演)、クルーニーが今回受賞しても4の2(主演と助演)。じつは凄いことだが、上記の両先輩を上のステージへ祭り上げたことにより、自分が出る杭になることを回避してみせた。しかも演出や執筆の候補入りも合わせれば、クルーニーはじつは既に7の1状態になっていたりする。今回受賞しても7の2。特段驚くべきことじゃない。


そもそもクルーニーの助演受賞自体異例ずくめだった。演技部門初ノミネートにして初受賞。それも演技がものを言う助演でだ。ライバルもジアマッティという強力な本命がいたし、勢いのあったクラッシュのディロンもいた。にも関わらず、クルーニーは前哨戦でGGAしか受賞してないにも関わらず、本番もぶっこぬいてみせた。


クルーニーはそもそも助演の人間ではない。「シリアナ」前後に彼が助演しているのを君は見たか?見てないだろう。そうです。クルーニーの「シリアナ」はオスカーの助演を取るためだけの仕事でした。彼は頭が良く才能があるから、こういう秩序だった計画に基づく行いができる。そして結果もついてくる。主演を受賞するにはまず助演からというのが彼の作戦だっただろう。助演を受賞して以降は、主演に戻り、きっちり2度主演でノミネートを受け、今日に至る。「シリアナ」の時のクルーニーは誰に譲るようなことも言わず、沈黙を守った。今回のクルーニーも沈黙を守っている。彼がデュジャルダンに今回のチャンスを譲る理由はまったくない。必ず取りに来てるし、彼が取りに動けばそこにオスカー像はちゃんと用意されている。


ピットとクルーニーの周辺が近しく票割れを懸念する人がいるだろうが、ピットには今回クルーニーへ譲る意識がちゃんとあると思う。だって仲良くしている10は年が上の先輩がさ、がむしゃらに取るべく号令出してるんだからさ、今回は何をか言わんやじゃない?それに、彼はオスカーに対する欲はあまりないと思うよ。ヴェネチアで既に男優賞受賞済みだし、オスカーはいい仕事をすれば結果もらえるだろうと心得ているんじゃない。彼自身マネーボールで受賞できるとは思ってな、、、、、え?なによ?ふむふむ、え~またまた、ピットとクルーニーは2こしか年が違わないって?そんなわけないでしょ。まったくおかしなことを言う人だよ。そんなの調べればすぐ分かることじゃないか。えーと、どれどれ、なになに、ほうほう、・・・・・そんなバカな!!


いうわけで、使い古されたネタをオチに使ってしまって遺憾な今日この頃、如何お過ごしでしょうか。授賞式は日本時間で月曜日の午前中からだったかな。うん、たぶんそうだと思うよ。楽しみですねえ。今年は悪くない予想を披露できたと思っております。いざ勝負!


第9回アカデミー賞予想対決!

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