あっちのスタンとこっちのスタン。-世界六十カ国の料理を食べる54・55。 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

“スタン”がむこうの言葉で国や地域を表す言葉であるといのは、流石にもう皆さん何処かで耳に入れていることでしょう。先週末に世界六十カ国企画で食べてきたお店は、偶然にも“スタン”という言葉を使う文化圏の国が続きました。ではどうぞ。



『ザムザム』(ウズベキスタン共和国料理)-世界六十カ国の料理を食べる54。

週末はまたもや雨。宇都宮が雨降っているってだけじゃない。栃木を基軸にして、西も北も南も雨降っているのである(流石梅雨)。ああ何時になったら山登れるのか。何処の山でもいいから登りたいものである。ま、無理なものはしようがないので、予定を変更して、東京にでることにした。友人と「踊る3」を観るために千葉へ。


までも、友人と映画を観る前に、日比谷あたりでモーニングショーでもして行こうじゃないかと計画していたらば寝坊。東京に到着したのは11時。ひょんなことから空白の自由時間を入手したおいらは、いまこそおいらのテリトリーの外まで遠征するときがきたかと、一人ほくそ笑み、携帯検索を駆使して日暮里へ。


始めて下車した日暮里という町は、それはもう良い雰囲気をまとっている町で、なんか都内にして観光地みたいと一人ワクワクしてしまうのであった。今度ゆっくり遊びにきたいものである。いや、本当に。


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まそれはさておき、事前に調べずに携帯検索で店にむかうと、得てして失敗することが多いのだが、この日は無事に辿り着いた。目当ての店は、ウズベキスタン料理を食べさせてくれる「ザムザム」さん。しかし店の前は雑貨店のような按配である。うーむ。そこへお綺麗な現地の娘さんが声をかけてきてくれた。ので、


「ここはウズベキスタン料理が食べられるんですか?」

「あー、ウズベキスタン料理は事前に予約してもらわないと作れないんですよ。ウズベキスタン料理は日本人に合わないみたいで人気がないんですよね。だから2,3日前に予約してくれないと作る用意ができてないんです」

「(がーん・・・)じゃあ今日は食べられないんですか?」

「いえ、ウズベキスタン料理を単品で注文することはできませんけど、おすすめしているコースを注文していただければ、その中にウズベキスタン料理が2品入っていますよ。」

「なるほど、そのコースはおいくらほどで?」


そのコースとは通称“しあわせランチ”といって、価格1000円。山ほど料理が出てきて、お代わり自由。残った料理は弁当に詰めて持ち帰ることもできる大変ハッピーなコースとなっているランチだそうだ。いったいなにが出てくるのか想像もつかんな、と、なんでそんなことをこの日思ったのかと今気付けたのだが、この日は店前の口頭でのやりとりで注文を決めてしまったため、おいらはこの日メニューというものを目にしてないのだ。だからなにが出てくるのかまったく分からず料理を待つことになった。これは余談だけども。


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通された店内は、いかにもな雰囲気で異国情緒あふれておりました。この店のイランではトルコ人として扱われる民族のイラン人の方がお話し好きで、色々とお話しを聞くことができたのだが、その方の話しによると、この店の内装はできうる限り、イランの一般家庭のおばあちゃん家の雰囲気を再現しているのだそうだ。本人は完全再現できていると自負していて、現地で使っているものをそのまま流用しており、唯一違うといえば、床に直に置いてあるテーブル板の素材がベニヤなことくらいとのこと(地元のは見た目はそっくりながらビニール素材なのだそうだ)。


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最初に出てきたのは、ホットチャイとローズヒップとトマトのドリンク。そしてスープ。いきなり飲み物系が3つも出てきたよ。こりゃ確かに幸せだ。スープは、日本でいうところのスープカレーのようなかなり香辛料のきいた味付けで、スプーンを口に運びながら、これってスープじゃなくてカレーなんじゃないだろうか。ナンを待つべきだったのかな。なんてことを自問していた。すると


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サラダとナンとピクルスが出てきた。なんだ、やっぱりナンを付けて食べるスープだったのではないか。早とちりしてしまったな、てへ。しかし間髪入れずに、


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2種類のカレーが出てきた。マトンのカレーと豆のカレー。@肉類はハラル


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そしてイラン米のライス。カレー、ナン、ナン、カレー、ライス、ナン、カレー、とパクついていると、


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さらに二品料理が運ばれてくる。上写真のケーキのようなものがポテトサラダで、下写真が揚げ物(中はカレー方向の味付けがされた芋)と蒸しパン。この二,三品が今回の目的であったウズベキスタンの家庭料理だそうだ。ロシアに近くなればなるほど、ジャガ芋が主食になるので、ウズベキスタンがロシアに近いのだなと思ったあなたは正解です。


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あっという間にテーブルに溢れんばかりに料理が並べられてしまった。しあわせランチとはよくぞ付けたり、この品数で1000円なんて。


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そして、にんにくのピクルス。いやいや、1回の食事でにんにく4個も食べないでしょ、普通。うーむ、“しあわせコース”恐るべし。


までもこのくらいの量ならおいらも美味しく頂けるレベルでした。周囲のお客さんなんてナンのお代わりだ、カレーのお代わりだ、ライスのお代わりだ、野菜(ピクルスのこと)の追加だと、お代わり自由のルールを最大限利用していたからね。おいらのところにも適時店員さんが「カレーのお代わり大丈夫か?」「ナン追加するか?」とやってきたけど、流石においらはそれは丁重に断らせていただきました。というかお代わりなんて絶対無理。一人前のコース全品完食に専念する。でもたまに間隙をつかれて、店員さんにホットチャイを注がれてしまったりして、相手もなかなかのものである。とかなんとか書いてしまったが、ここは料理の量に立ち向かうようなお店ではけしてない。ここは“しあわせコース”をゆ~っくりと時間をかけて食べるお店である。店員さんも話し好きで、様々な話しが聞けるのでとても楽しめるので、1時間はゆうに店にいるつもりで来店するのが宜しかろうと思います。ましかし、コースのおわりはなかなか見えない。


まかないで作ったイランのエビ料理みんなでわけて~と、まかない料理が回ってくるし、イランの御菓子食べてみて~と回ってくるし、新人にイランのクッキー焼かせてみたから食べてみて~とおわりが見えない。


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そしてザクロのシャーベットが出てくる。とうとうデザートまで来たか。やはり終わりのないものなんてないのだ。そしてデザートを美味しく完食して、この店をあとにしようと腰を浮かせ掛けたその時、今度はヨーグルトが運ばれてくるのだった。なっ、、ここは本当におわりがないのかもしれない・・・。ヨーグルトの写真を撮るのも忘れ、さっと平らげ「ごちそうさまでした~」とお勘定の意思表示。


とまあそんな感じで、“しあわせコース”から脱することができたわけです。しかしまあなんとも良い御店でありました。1000円で延々と食べられてお代わり自由。おまけに残したら詰めてくれるというのだから、採算はかぎりなく度外視しているのではないだろうか。おいらが人生で外食した中で1000円でもっともお腹一杯になれたのは間違いなくこの店だろう(食べ放題でもあまり食べないからさ、おいらってば)。お腹一杯になるしあわせ、もてなされるしあわせを感じられるお店でございました。



『パオ・キャラバン・サライ』(アフガニスタン・イスラム共和国料理)-世界六十カ国の料理を食べる55。


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次の日、おいらは新宿にいた。昼何食べようかなと考えるも、珍しい外国の専門料理屋は日曜休みと相場が決まっているので、案外店選びに困る。この日も色々あって新宿にいるのは予定外であったから、店のリサーチなどまったくしていなかった。よって昨日同様、携帯検索を駆使して発見したお店に出向くこととする。赴いたのは東中野のアフガニスタン料理を食べさせてくれる「パオ・キャラバン・サライ」さん。ここは現地シェフが調理している店ではないけど、現地に料理修行にいったご主人が開いたお店とのこと。


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昨日に引き続き“スタン”つながりだ~と、おいらが喜んでいたと考えたあなたは考えすぎです。これは単なる偶然の産物であった。それはさておき、店内は昨日の雰囲気を居酒屋風にした感じ。昨日同様、靴をぬいで床に直に座るスタイルも、テーブルには足がついているから、若干こちらのほうが日本的か。


早速メニューを見る(ん?あっしまったかな、これは)。数種類のサンドウィッチとドリンク類しか載っていない。ランチ時間帯にはランチメニューしか提供しないお店だったようだ。店の方に確認するもやはりそうらしい。


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結局、話しをきいて、ケバブサンドウィッチとチャイを注文する。チャイはアフガニスタンでもっとも飲まれているドリンクだし、ケバブはアフガニスタンでよく食べられる香辛料のきいた羊肉料理のことだから、これでアフガニスタン料理を食べたことにしてしまえばいいやと、ゆる~い感じの企画なのです。これは。店の方に訊いてみるも、ケバブサンドウィッチはそれほど多くの国で食べられてはおらず、アフガニスタンでもポピュラーなファーストフード的に食されているメニューだそうだ。よし、それだけ聞ければ十分です。


しかし、昨日の店の次にこれだとビックリする。サンドウィッチ1個とチャイだけで900円。いやあ、なにがどうなるとこういう差が出るのか。ぼくにはまあとんと分からない。立地が違うとはいえ、ここまで差が出てしまうものだろうかね。まあでも東京でこれが900円なら高いとはいえないよ。ごちそうさまでした。(おわり)


 


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