p2.特集企画「これから楽しみなドイツ映画祭」 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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ドイツ映画祭と聞いてもまだピンと来ない人間も多かろうと思います。なにせ日本では、フランスやイタリア、スペインなどに比していまいち人気のないのがドイツという国で、ヨーロッパ映画というのは、やはりその国や文化への興味がとっかかりとなって映画も好きになっていくというのが王道ですから、他のヨーロッパ各国と違ってドイツ映画好きを探すのはなかなか難しい。だから、映画祭が開催されるようになったのも他の国より遅く、第1回が2005年とまだ歴史浅い映画祭になります。ただ、日本に入ってくるドイツ映画というのは、大抵がサスペンスかWWⅡ関連で、なかなか純粋な作品は入ってきませんから、やはり映画ファンにとっては大変重要な映画祭であると言えるのではないでしょうか。おいらも本映画祭があったからこそ、独サイレント期の代表作である「最後の人」や「メトロポリス」をスクリーンで拝むことができたりしているので、様々であります。


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そんなドイツ映画祭、他の映画祭との差を埋めるべく、2008年度から会場を有楽町朝日ホールからシネコンである新宿バルト9に鞍替えしました。言うなれば、唯一新宿で開催される欧州映画祭ということになります。これが功を奏して、ドイツ映画祭の知名度は格段に上昇しました。新宿のシネコンは人がひっきりなしに出入りしているので、そんな中で開催される映画祭(映画祭開催中もシネコンは普段通り営業)は、いやが上にも目に付きます。特に入場無料で行われる多数の監督やゲストを迎えてのシンポジウムが、たまたまシネコンに来ていただけのお客さんにも俄然興味を惹くようです。昨年あたりは無料のサイン会も大盛況で、ドイツ映画祭のこれからの発展を予感させるものでした。


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さて、おいらは栃木県民なので、今やなんでもかんでも見られる立場にはいませんから、昨年は時間の空いていた1作品の観賞に止まりましたが、おいらが本当に見たかった作品は、コミュにも入っているカロリーネ・リンクの待望の新作『冬の贈りもの』でした。これは本当に観たかった。地団駄踏むほど観たかった。ま、と言ってみたところで、時間が合わないのでは致し方ないと諦めるほかない。でも問題は昨日も書いたとおり、今の日本の映画館事情では、あのカロリーネ・リンクの新作ですら、日本ではこの映画祭が唯一の観賞機会だったかもしれないということなんですよ。実際、このカロリーネ・リンクの新作は2008年度の作品ながら、いまだ日本での上映は決定していません。まさかのまっさっか~


他にもファンが増え続けているファティ・アキン監督の新作なんかも公開されましたが、この新作もヴェネチアで審査員特別賞を受賞していてもいまだ日本公開決定していません。やはり、映画祭で観ておかなければ、どんな有名監督の映画でも観る機会を逸してしまうかもしれないのが、今現在の日本の映画館事情です。怖いですねえ、どうですか、みなさん!映画祭、いまやノーチェックではいられないでしょーが!ちくしょー


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因みに、おいらが観賞したのは、ミュンヘン映画大学で勉強していた日本人監督のデビュー作品「赤い点」になりました(偶然時間帯があったので選択)。ミュンヘン映画大学といったら超有名な大学ですが、日本人が学生として在籍したのはこの監督さんが始めてなのだそうですよ(流石に有名だけあって狭き門ですね)。本作は、主演に日本人を迎えて撮影されてはいるものの、ほとんどがドイツで撮影された所謂ひとつの逆輸入的ドイツ映画で、既に、数々の映画祭で様々な賞を受賞している一品です。ストーリーテリングや演出には問題があったものの、あと編集とかも、ミュンヘン映画大学卒業生らしく構図と色使いで勝負しているなかなか楽しませてくれる作品です。


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ドイツ映画祭のよいところはゲストがじつにお客に対してフレンドリーなとこですね。上映後の舞台挨拶やティーチインが終わった後も、スクリーンを出た通路で長々とファンやお客と談笑の時間が繰り広げられるのでした。話していると映画人も人の子だとよく分かるので、楽しいですよ。欧州で評価されても日本での仕事に繋がるのか不安がっておりました。「赤い点」の監督さん。いつか日本でも名前が知られると良いのですが。


いういわけで、新宿駅からすぐそこのシネコンで開催されている「ドイツ映画祭」。今秋は脚を運ばれてみては如何でしょうか。有名ドイツ人監督の作品もいまやこの映画祭でしか見るチャンスがないかもしれませんしので。御検討の上、ご来場ください。(つづく)


p1.特集企画「きみも映画祭に足を運んでみないか」

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