映画雑記Vol.16 デジタルシネマ配信サービス | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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とうとう動き出してしまったフィルム上映一掃計画。フィルム上映が過去の遺産になるのも近い。ただ本年度中にその胎動を目にするとは思いもよらなかった。というのも、先週末に封切られた『沈まぬ太陽』が、邦画として初めてデジタルシネマ配信サービス「PURE CINEMA」を使って映画館へ配信されることが決まったのだ。これを受けて、例えばおいらの旗館であるTOHOシネマズ宇都宮は、下記アドレスのようなフィルム上映とデジタル上映の双方の形をとることになった。フィルムとデジタルではかぎりなく違うのに当然観賞代金はどちらも同じ。がっくりです。


http://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/015/TNPI2000J01.do


確かに、デジタル編集花盛りな今となっては、デジタル編集→デジタル上映するのが確実で楽だというのは理解する。デジタルに落としたものをフィルムに戻すのに失敗して、ぼけたフィルムで映画を観させられたことも数限りないからね。わざわざ映画館に行ったのにDVDのほうが画質が上だったなんてこともよくある。でもさ、それ=フィルム“悪”じゃないでしょう。デジタル編集からフィルムに戻す技術がない君らが悪いに決まっている。


でも、そんなこと素人が言っていたところで、映画業界衰退著しい中、どの会社も配給コストを下げたい一心なので、この話には便乗していくだろうなあ。『沈まぬ太陽』は上映時間202分の大長編だから、この膨大なフィルムを輸送しなくていいだけで、いったいどれだけのコスト削減がはかれるのか。おいらが経営者だって考えちゃうよ。


でもそういった大長編だからこそ、しかもアフリカの風景に帰結していくという映像の美しさこそ命のような作品だからこそ、関係者はすべての御客にフィルムで観て欲しいと願わなかったら嘘だ。なのに『沈まぬ太陽』が邦画第1号、とても残念に思うぅ。


2007年に新宿バルト9がオープンした時、おいらはビックリしてこけら落としに敵情視察に行ったが、あの時すでにこんな日が来るだろうと予想してたんだよ(全スクリーンデジタルシネマ上映対応のシネコンオープン:http://www.phileweb.com/news/d-av/200701/22/17610.html )。心の奥底で潰れてしまえと思って見ていたけれど、今では人気シネコンと化してしまった。おいらが思うに新宿バルト9のDLP上映はかぎりなくフィルム上映とは違うよ。がしかし、お客はそういったことをあまり意識していないようだ。もうデジタルへの移行はとめられない。分かってはいるんだけどね、書かざるを得ないはこれ。だって、大都市とまでは言えない宇都宮の映画館で、まさか新作邦画をデジタルで観させられる日が来たんだからさ。あ~~


いうわけで、今日は今からデジタルシネマ配信サービス「PURE CINEMA」を使って宇都宮に配信されてきた『沈まぬ太陽<デジタル版>』を観てこようと思います。フィルムとどれだけ違うのか。今から興味がつきませんね。つうか、流石のおいらも就業後に山崎豊子原作の202分の映画を観たくはないけどね。