4)薩摩登山遠征記。「眺めてよし、登ってわるし?」 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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(27日日記のつづき)鹿児島滞在2日目、目を覚まし時にはもう港に日が差していた。仮眠のつもりだったのに寝過ぎてしまったようだ。でも今日は初めての連日登山挑戦の日だから、睡眠は多いぶんには良かったかもしれない。因みに、今では当たり前にやっている連日登山も、この頃はまだ経験がなく、この鹿児島旅行で必要に迫られて初めてのトライであった。


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本来なら登山口で睡眠をとり、5時には登りだしたかったのだが、それはそれ、これはこれ。今日もスケジュールは大幅に変更して、臨機応変に出たとこ勝負で旅行を楽しみたい。取り敢えず、駐車した際には真っ暗で気付かなかった、目の前の桜島を眺めながら歯でも磨こう。しかし桜島はでかいなあ。島というよりこれはもう一つの山じゃないか。何時かまた鹿児島に来られるような機会があったら、その時は是非とも入島したい。


九州のファミリーマートは、店内にパン屋が併設されていて、コンビニ商品とは別の焼きたてのパンが楽しめるようになっていた。そこで、本日の第一目的である開門岳(かいもんだけ)に登る前、購入したパンを持って池田湖に寄り道して朝食をとることにした。予定はもう押しに押している。慌てたって始まらない。


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池田湖に向かっていると道の先に開聞岳が姿を現す。おお、開聞岳まで一直線でノンストップじゃないか。朝早いから、おいら以外に車もなく、清々しいドライブ。刻一刻と開聞岳が大きく迫ってくるようだ。ただ天気だけが少し心配。本日の天気は曇りのよう。昨日の高千穂では眺望が得られなかったから、今日は是非とも景色も楽しみたいものだが。


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池田湖に到着。本湖には、20㎏もある巨大鰻が生息しており、天然記念物に指定されているそうだ。でもなんか画像に写っている店の看板を見るに、天然記念物を食べていいかのようではないか。巨大鰻は味も大味そうであまり箸も進まないけども。


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さて、池田湖には巨大鰻より知名度があるであろう生き物がいる。いやいない。いやいないけどもる。それがこの画像の“イッシーくん”。ようするにネッシーの池田湖版だ。朝食のパンを頬張りながら湖面を眺めて呟く。「いるわけないじゃん、こんな生き物が」


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こんなのとかも。それこそ巨大鰻のメッカだってんなら、巨大鰻の大ボスが湖面まで浮上してきたと解釈できそうなものだが。なぜに湖で未確認=海竜に行き着いてしまうのか。


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ともあれ、折角来た池田湖なのだから、開聞岳のベストショットを撮るべく場所を散策。よし、ここだ、パシャ。おお、誰が撮っても美しいとはこのことか。見事な円錐形である。戦前、知覧特攻隊基地から飛び立った若者たちは、まず真っ直ぐに開聞岳を目指し、そこで日本に最後の別れを告げて行ったというような話しはよく聞くし、映画でもそのような描写を見たことがあるが、このように実物の開聞岳を目の前にすると、そのシンボリックな佇まいから、確かなる何かを感じえずにはいられない。初めて見たのにこの心の動揺。美しさというのは、縦横様々なものとリンクしているのかもしれない。なにか琴線にふれるものがあります。


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池田湖をあとしたおいらは、開聞岳の麓にある薩摩国一宮 枚聞神社で登山の無事を祈り、いざ、初連日登山へ挑戦です(今回もトレイルシューズでの登山を試してみました)。


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開聞岳も五合目くらいまでは樹林帯の中を行くことになり、他の山とさして変わらない。


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五合目を過ぎた頃から樹林帯を抜け、眺望が得られるようになり、海突き出した形の開聞岳の眺望の見事さ。


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五合目からは円錐形の山を頂上までらせんを描くように登り詰めていく。海岸線の景色も見事。


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登山口からの標高差は700くらいあるものの、景色を楽しみながら登っていたらああという間に頂上到着。う~ん、簡単な山だったなあ♪


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頂上の展望は360度どこまでも見渡せる。うーん、絶景かな。絶景かな。


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朝食をとった池田湖方面。


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長崎鼻方面。


高千穂峰同様、頂上で地元の方々と話していたら、どうにも開聞岳は不評のようだ。眺めてよし、登ってわるし、の典型だなんて声があちこちで。え~なんで、こんな海に突き出した山なんて他にあるのかあ? やっぱり急登などもなくらせん状の単調な登山道が不評の原因なのだろうか。基本的に、富士山型の山って登山愛好家には不評なことが多いね。富士山嫌いも多いし、筑波山嫌いも多いし、なぜか開聞岳嫌いも多い。そういえば栃木の男体山もつまらないという人が多いよ。そんな人に聞いてみると、だいたい裏口からちょちょいと登ってつまらないって行っているんだよね。男体山は表登山口から修行のつもりで登らなければ面白味なんてあるわけないのに。いうわけで、山ってのいうのは、山が面白味を備えているのでなくて、どう楽しむかという登る側の問題なのだと再認識。


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おいらはいつまでも山を楽しめるような登山者でありたいなあ。つまらない登山者との会話はほどほどに巨大ムカデに呟くのであった。(つづく)