a.のべつもなく長い雑記。(世界六十カ国企画と映画ほか) | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録


予定外な電話連絡が入ったのは、金曜日の終業後においらが東京遠征の準備をし始めた頃だった。それは「どうしてもマルチプレイをしたい」という知人からの切なる願い。7月末に、とうとう「ドラクエ9」を購入してしまったおいらは、その旨を特段誰に話すこともなく遊んでいたが、金曜の午前中に、電話の氏と話す機会があって、「ドラクエ9」を購入したことを何気なく伝えてしまった。氏は、最近大仕事をやり終えて抜け殻のようになっており、今や「ドラクエ9」ばかりやっているというような按配で(もともと「ドラクエ」シリーズのファンだから、どんな時分にも熱中していたかもしれないが)、とうのおいらはと言えば、RPGというものから完全に足を洗ってしまっており(「ドラクエ」は5まで)、RPGに費やす時間にどれだけ意義があるのか非常に懐疑的になっていた。


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今回おいらが9を購入するに到ったのは、周囲が9を絶賛していたのを始め、ゲーム大好物のマイミクさんが、ドラクエのベストを9に変更すると投稿しているなど、世間での絶賛評がすごく多かったことと、その絶賛評と同程度の悪評がネットに蔓延していたこと。これほど賛否がわれているソフトもあまりない。おいらは天の邪鬼だから、大衆から絶賛されているようなRPGには興味がないが、逆に今回のように絶賛されながら同時に悪評も出回っていると「おっ」と思ってしまう。真相を確かめるべく遅まきながらプレイし出した次第。


もうおいらがRPGを熱心にやらなくなってかなり経つから、その間、やはりやっている氏は寂しい思いをしていたのだろう。氏は、おいらが「ドラクエ9」をやり始めたと知るや否や果敢な熱意をもってして、おいらにアプローチしてきたのである。今回はおいらも折れて、氏の誘いにのることにした(やっぱり知り合いが自分の夢中になっているものに興味を示してくれたら嬉しいものね)。問題は、その週末は例の如く遊びの予定でギュウギュウだったとうこと。それに支障がでなければいい。


金曜終業後に、様々な用事を済ませてから氏宅に向かって、23時から1時まで「ドラクエ9」のマルチプレイを2時間遊ぶ予定だったが、ことのほか面白かったマルチプレイが止まらない。氏がそろそろ帰らなくていいのかと遠慮がちに声をかけてくれたのが朝の4時。しまった久しぶりにゲームで徹夜してしまったではないか。家に帰って、7時の東北線に飛び乗る準備をしていたら、ついぞ寝込んでしまい、起きたら9時30分(しまった、また東京遠征が午後からになってしまった)。午後1時25分の渋谷シネマライズの『バーダー・マインホフ 理想の果て』は既にネットでチケットを購入済み。いまからだと、新幹線を利用しなければ間に合わない。追加の特急代は1790円。ある意味では映画を観ないで飛ばしたほうがお得という話しではあるが、私には東京で過ごせる時間は限られており、金銭的価値より上回る。


そもそも、この土曜日は映画の日であった。窓口で購入すれば1000円で映画が観られる日。なにを悲しくて1600円払ってネットでチケットを押さえなければならないのか。それは、朝一日比谷で『セントアンナの奇跡』を鑑賞して渋谷の当該作品に梯子する時間的な余裕が軽微だったせいである。映画の日の混雑を考えれば、当該作品のチケットが上映前に完売になっている可能性が高い。昔から何度となく単館系梯子計画を満席で打ち破られてきたおいらには、わざわざ東京まで映画を観に行って目当ての作品が観られなかった時の寂しさが身に染みている。その回避に600円はけして高い投資ではない。しかし、朝一の『セントアンナの奇跡』を寝過ごしてスルーしたおいらには失敗だったという無念がまず先にたつ。ああ「ドラクエ9」マルチプレイは高くついてしまった。


新幹線利用で1時間余裕をもって渋谷に到着した私は、チケットはネットで購入済みなので、昼飯(朝飯だが)を食べることにする。予定は完全に崩れているので無計画状態。さて何食べようか。よし、おいらはここで「世界六十カ国の料理を食べる」企画の更新を試みる。


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『元祖くじら屋』(日本料理)-世界六十カ国の料理を食べる35。

渋谷を利用している人なら誰でも一度は店の前を通ったことがあるであろう「元祖くじら屋」さん。本企画で、日本国のカードを何時切ろうかと悩んでいたけれど、この日とうとう切る決意をした。海外の観光客が多く足を運ぶ長蛇が当たり前の築地の寿司屋さんとか、鎌倉行った際に精進料理でも食べようかとか、色々考えては案が消えていった日本料理。ここは一つ捕鯨国日本を前面に押し出してみたらどうかという危ない試みが頭を擡げた。


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本店は、くじら専門店なのでくじらの珍しい部位も食べられる貴重な店だが、ランチ時間帯は、唐揚げ定食、ステーキ定食をリーズナブルに提供していて、使い勝手も悪くない気軽に入れるお店です(おいらはくじらを食べない人だから、使ったことはないけどね)。さて、おいらが鯨を食べないのには理由がある。それは捕鯨問題とはまったく関係をみない。おいらが問題としているのは、数年前の水産省の店頭販売しているくじら肉の水銀濃度調査の結果である。日本周辺の海はいまやかなり汚染されており、各水産資源もその汚染から免れていないわけだけど(数年前から妊婦は、○○魚は食べ過ぎたらダメとか言うようになったでしょ?)、その汚染被害をもっとも受けているのが食物連鎖の頂点に君臨するくじらなのである。数年前、店頭で売られているくじらを秘密裏に調査した結果、ちょっと信じられない結果が出た。なわけで、新鮮な日本近海のくじらを食べるのはあまりに危険だ。


因みにすべてのくじらが危ないと言っているわけじゃない。今提供されているくじらの多くは冷凍ものだ。というか、くじらの大半は冷凍もの。普通魚介類は新鮮なものに限るけれど、くじらにかぎっては新鮮なものほど危ない。汚染確率が高まるからだ。だから昔捕って冷凍していたくじらなんかは危険がないと考えてもらっても構わない。問題はくじら専門店などが提供している新鮮なクジラである。なんつうロジックで、おいらはくじら専門店を始め、多くのくじらを食べる機会をスルーしてきた。本企画はそこにあえて楔を打ち込む。


おいらがこの日頼んだのは、くじらの刺身定食と百ひろ(鯨の小腸をボイルしてスライスしたもの)。くじら料理だけで日本料理というわけにはいかないので、くじらをあえて刺身で食べることで日本らしさをアピールしてみる。くじらを食べている他捕鯨国も、まさか生では食べはすまい。これぞ、日本でしか食べられない料理ということでどうでしょう。


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到着。最初の一切れは、醤油だけで食べると鯨特有の血生臭を感じたものの、二切れ目からはそれに対応した添付の薬味で上手く調整すれば、思いのほか美味しく食べられた。くじらの刺身で御飯が進むのかしら?と少し心配していたのだ。


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くじらの刺身って、もっと解凍の後的な新鮮味のかけらもないものしか知らなかったな。ここのは柔らかくとてもジューシーでした。(水銀が許容量を超えてないことを祈るのみだ)


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そして百ひろ。焼肉のホルモン系を思っていただければ基本は分かってもらえるのだけど、こちらは動物系じゃないので油がなく淡泊で、しかし噛んでいるとなんとも言えない甘めの味が口内にしみ出してくる。酒のあてには最適だ。


頑なに食べることを拒否してきたくじらもいざ食べてしまえばなんてことはない。けれど、くじらの水銀汚染はもう別に秘め事じゃないのだから、クジラ専門店は「当店のクジラは、○○海の○○クジラを使用しています」のように、情報公開して欲しいものだ。捕鯨問題で国内を一致団結させたい現状で、わざわざ火種を仕込むのもなあという考え方も理解できるが。


ともあれ、いつまで食べることができるのか“くじらの刺身”。場所柄便利なので、今度は唐揚げでも食べてみてもいいかな。(おわり)


「世界六十カ国の料理を食べる」まとめページ。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1237222486&owner_id=1064357


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ごちそうさまとクジラにお礼を言って、頂上にシネマライズのあるスペイン坂に向かう。シネマライズ前に着く、おやさ? あまりに窓口周辺に人がいないではないか。窓口でチケットをネットで購入済みだと告げてチケットを受け取る。そして中に入ってショック!


この日おいらが観賞したのは「バーダー・マインホフ 理想の果てに」。今春のアカデミー賞の外国語映画部門にノミネートを受けたドイツ映画だ。それが6,7割程度しか席が埋うまっていないのである。公開したばかりのアカデミー賞候補作品で1000円上映にもかかわらず、この程度の入りなの? 欧州映画の失墜極まれり。「バーダー・マインホフ 理想の果てに」つったら、おいらが待ちに待っていた映画じゃないか。何故に皆観に来ない。今年上半期はこれといったドイツ映画もなかったのだし、これは押さえるべき作品じゃないのか。ネットで1600円払ったおいらの立つ瀬がないではないか。ほんと皆外国映画観なくなった。ハリウッド映画市場も壊滅的なのに、欧州映画市場なんて今更というなかれ。そもそもハリウッド映画市場と欧州映画市場はリンクしていなかったというデータがある。にも関わらず、今は右にならえでどちらも壊滅的惨状。ハリウッド映画市場がしっかりしてないと映画館運営が成り立たない日本は、都会地方分け隔てなくボコスカと映画館が閉館している。現状日本映画は一人勝ちしているが、裾野はけして広くなく、映画製作者は、邦画バブルは崩壊したと白旗をあげて既に逃げ腰になっている。欧州と韓国の日本映画ブームで輸出収益が下支えとなっているけど、本当に面白いものが海の外でかかっているわけでもなく、また日本でも観られているわけでもない。3D元年と祭り上げられて結果待ちしているシネコン陣営と、欧州市場はまったくリンクしないし、「バーダー・マインホフ 理想の果てに」あたりに客がつかなかったら、値が釣り上がってしまうア賞候補作品なんて、ミニシアターは買い付けて来られなくなるぞ。そりゃあ映画評論家だって提灯記事の一つも書きたくなるよ。欧州映画市場の惨状は必ず自分に跳ね返ってくるんだからね。まあしかし提灯記事は薬と一緒でいずれ効かなくなって、それこそ映画館運営の形態自体が消滅してしまうだろう。ピンク映画館が全国規模でフィルム上映を止めたのと同じ流れが、本丸にもやってくるのはもうそこまで来ている。全国すべてのTOHOシネマズが全スクリーンをHD上映にするのに5年の猶予が果たしてあるのか?


話しが脱線しまくってしまったが、今日はもう時間切れで。(つづく)