e.はじめての富士山。~完結編~ | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

【富士宮口  お鉢巡り(浅間大社奥宮、剣が峰(標高3776.2㍍)など)  頂上富士館(一泊)  大砂走り  御殿場口】(2008822,23日登頂)


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↑つづき


頂上富士館の就寝は早く、確か19時だったと思われるが、特段なにすることもないので、就寝前から寝の一点張りである。山小屋の環境は、噂通りのごった返しぶりで、人一人に布団一式が割り当てられてはいるものの、実際は重ねて敷かれているので、一人分のスペースはバスの停留所に置いてあるベンチくらいのものです(すぐ両脇に人が寝ているような状況だと思ってもられればいいかと)。だからこそここで威力を発揮するのが“耳栓”。鼾をかいている人も結構おり、あるとないとでは段違いだと思われます。


がしかし、隣人のたてる騒音以前に、山頂の山小屋の夜のあまりの寒さが先にきます。用意していた防寒着をすべて着込んでも下半身の冷えをどうすることもできずに、熟睡すること違わず。これは布団にくるまっても人が寝ていられる状況ではない。なんたる寒さ。


ここでまた一つ忠告しておきたい。おいらは頂上で宿泊することに拘ったけれど、頂上で宿泊して得することはなに一つありません。得られることといえば、富士山頂上で一泊したと自己満足に浸れるくらいのことでしょうか。そんな程度の利益と比較してしまえば、デメリットのあまりの多さよ。①山頂は寒い。②高山病になりやすい環境での長時間の滞在。③、③、③はないや。二点しかデメリットはなかったけれど、②が特筆に値する重要度です。一日目に山頂まで来てしまえば、翌日御来光に向けての夜間登山をする必要がなくなるという考えを抱いていたけど、夜間登山を経験してみた今となっては、夜間登山は非常に楽チンで、やはりどこで宿泊するのがベストかと今聞かれれば、八合目くらいがいいでしょうとおいらは答えます。体を標高に慣らす意味でも八合目宿泊は申し分ない。


で、思うんですな。山頂宿泊だと、御来光直前まで寝ていられると喜んでおりましたが、いざ山頂に立って思えば、御来光の時間だからとモコモコと布団から起き出すような軽いノリで拝んだ御来光は、あまり価値がないんじゃないかってこと。御来光を拝むんなら、八合目宿泊から1時間30分程度登ってからのほうが登山ぽいしありがたい(まあこれは私見だが)。ともあれ、富士山頂で寝るという最初の目的は果たすことができたので一応は良かった。あとはこれで御来光を拝めれば最高だったわけだが、登り出す前から、下界の天気予報で御来光を見ることはできないと判明していたから期待薄。


それでも一応モコモコと3時に布団から起きだしてチェックアウトの準備をする。窓のない山小屋で外の天気を知る由もない。おいらはラッキーマンだからな。運良く拝めたりするんじゃないか?という微かな期待がまだ幾分(アホ)。同行者の様態はかんばしなく、まだ気持ち悪くてしようがないと弱音MAX状態。おいらはいくばくか改善していたものの、山小屋が用意してくれた朝食(ふりかけ弁当)を一口含んでみると、どうにも吐き気がおしよせてきたので、今現在の状態をキープすべく、朝食は抜くこととした。同行者は当然朝食なんぞ目にもくれず、チェックアウト(こんなことなら朝夕食事抜きで予約するのだった)。外はどうなっているのか、ガラガラ。


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オーマイガッツ!(おーわたしのかみがみ!)天気予報以上の悪天なのだった。1m先も見えない。これでは日の出時間を待つまでもない。同行者の「御来光なんてどうでもいい。速う下山させい」の言葉を受けて、下山開始することとした。


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高山病を改善させるには下山すること以外にないということを知っている同行者は、我先にと下山路をひたくだる。おお、速い速い、順調順調♪


下山路に選んだのは御殿場口。車中泊まで編の冒頭に書いたように、今回の富士登山は富士宮口から登って御殿場口で下山するというプランニングがなされている。濃霧のため景観が楽しめるわけでもないから、ただただひたくだる。八合目の山小屋にあっという間に到着してしまった。同行者も嘘のように楽になったと喜んでいる(なにより)。さて、御殿場口は距離が非常に長いです。五合目が1440mという低さ。おいららが登った富士宮口の五合目が2400mだから、同じ五合目でもゆうに1000mは下にあるということです。それだけ歩行距離も長く厳しい登山道と言えるけど、じつは厳しいのは登りだけ。下りは長い歩行距離もあっという間に進める秘密兵器があるのですね。それが御殿場口を選んだ理由でもあります。


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そう、それは“大砂走り”。


七合目から標高差1000m1時間で駆けくだる、一歩3mの世界。


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見渡すかぎり黒い砂礫が堆積する富士山ならではの世界。富士山が活火山であることを思い出させてくれます。走るというより飛ぶ感覚。これは面白い。同行者も少し走っただけで視界から消えてしまいます。富士山登ったのなら是非体験して欲しいですね♪


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なこんなで、ああという間に五合目到着。420分に下山開始して、730分には降りてきてしまいました。速ええぇぇぇぇぇ。問題は、御殿場口五合目からマイカーの置いてある富士宮口五合目にどう移動するからです。一応御殿場口五合目駐車場にはタクシー乗り場があって、朝早くでも下山客を見越して待機しているかもしれないので、五合目の山小屋で本格的に休憩するのは控えて、焼き印だけ押して駐車場まで出てみることにした。


どれどれ、ふーむ。残念ながら待機しているタクシーはなし。じゃあ山小屋に戻ってタクシーでも呼びますか。いや待て待て。おいらに考えが。


すいませーん、今からタクシー呼ぶとどのくらいで到着するんですかね?

なんだい間違っておりて来ちゃったのかい?

いえ違いますけど、車が富士宮口に置いてあるので、タクシーでそこまで移動しようかなと。

なんだタクシーだと6000円くらいかかるよ?

はい分かってます。

やんでくんでも結構かかるっけねー。よし、ちょっと待ってな。もうちょっとで仕事終わるから。そしたら乗せてやるずら。

え?いいんですか?

いいよ~


静岡県民のやさしさキタァァ!


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○○○○○○○局のトラックの荷台に乗せてもらって、さあ出発。あら? いやいかんいかん。軽トラックの荷台に人が二人も乗るのは違法の可能性が高い。なわけで、申告したら、乗用車に車種変更してくれたので後部座席に乗って移動できました。まあ本当はタクシーで移動したんだけどね。こんなラッキー起こるわけないじゃん!(ここらへんフィクション)


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いうわけで、無事に富士宮口に駐車場に到着。取り敢えずご満悦「頂上征服」パシャッ(つづく)