d.はじめての富士山。~頂上CRYMAX編②~ | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

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↑つづき


よくよく話すと頭痛と不快感が限界を超えているとのこと。このまま下山したいくらいだと言い出す始末である。とにかく、山頂一周なんてとても無理だから、一人で行ってくれと言い出した。いやいやいや、そういうわけにはいかないだろう。とりあえず、気分がよくなるのを待つよとおいら。(これが間違いのもとだった)


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富士山の山頂一周とは大きく口をあけた火口を一周することだが、その行程は公式には約1時間30分かかるとされていますが、そのルート上に存在する八つのピークを登頂して歩いたら、さらに所用時間は増すものと思われます。


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同行者はあくび(高山病の症状)を頻繁に繰り返し、顔色も土色で下山したほうがいいのではというような状況。同行者の下山する必要はないという言葉を信用するしかないが・・・


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景観を眺めながら待つこと1時間(マジ)・・・


ようやく同行者が若干マシになったとGOサインをだす。一安心。


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まずは、浅間大社奥宮で参拝を済まし金剛杖に刻印をもらう。同行者の高山病が治まりますようにと、無駄に山頂での願いを消費するおいら。


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火口の広さを満喫し、


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日本最高到達地点の剣が峰に向けて最後の難所“馬の背”にトライする。ここは写真で見ると瘤程度に見えるかもしれないが、登っている身としては結構応える急斜面。


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だからこそ喜びも一入です。やったぁあ(でも疲れた)


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剣が峰には展望台もありそこからの眺望。どんな高い山の姿も隠す見事な雲海。同行者は最後の難所“馬の背”のトライでまた高山病症状がぶり返し、「気持ち悪い、気持ち悪い」と言っている。ここで一つ注意点。山頂に着くと気持ちが緩み調子にのって騒いだりおどけたりしてしまうかもしれません。例えば、下記画像のように崖っぷちで座禅を組んだりしたくなりますが危険なのでやめましょう。


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じゃなくて、富士山のような標高の高い山の場合、山頂に着いてからも危険に満ちていることを理解して欲しいということ。富士山の山頂は3776m。つまり日本一空気の薄い場所にいることを弁えて欲しいのだ。この後のことであるが、同じ頂上の山小屋に宿泊していた登山客一団は、自身で頂上まで運んできた大量の缶ビールを空けた後にゲロゲロと凄まじいことになっていた。富士山頂は他の山頂とは違う。消化能力も落ちているし、運動能力も必要以上に制限されている。それを弁えずに何時もと同じように振る舞えば、いい結果を見ないだろう。


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“馬の背”のトライからまた気持ち悪くなった同行者は、気力だけで宿泊地である頂上富士館に向けて最短ルートを通りひたすら目指す。


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おいらはといえば、富士山頂に存在する八つのピークすべて登頂するために、同行者が真っ直ぐ宿に向かう中、おいらだけは小走りであっちに登りこっちに登りと、立ち入り禁止の一峰を除いて、七つのピークを制覇し記念撮影した上で、同行者に追いつくというい離れ業をやってのけていた。見事な影富士にご満悦なおいら。


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そしてとうとうスタート地点に到達。どっぷりと日が暮れる中、とぼとぼと歩く同行者。本当にしんどそうだ。二人ともいまとなって見れば、同行者にお鉢巡りをさせたのは間違いであったという結論に達している。高山病の症状を改善するもっとも効果のある処置は下山することである。できるだけ標高を下げる。がしかし、おいららは頂上で宿泊するとわかっていて、明日の朝まで下山できない状況だった。ならば、同行者が山頂で1時間休憩して気分が良くなった時点で、そのまま山小屋で安静にしておくべきだった。お鉢巡りは約1時間30分とどこにも表記されているけど、個人差がかなりあって、この日のおいららも一周するのに2時間以上かかった。2時間以上かかると事前にわかっていれば、同行者に一周させなかったのにと残念でなりませんが、今更言って元の木阿弥。遺憾です。


いうわけで、おいららの山頂のタイムテーブルは、下記のようになりました。

1345分 山頂到着

1445分 同行者体調改善、お鉢巡り出発

1700分 お鉢巡りゴール


先に書いたとおり、山頂3776mでの運動はキツイです。同行者は山小屋につくなり、小屋に用意されていた夕飯を見ることもなく、布団にこもり、次の日の朝出発する日まで起きあがってきませんでした。死なれても困るので、自身の携帯酸素を空にした同行者においらの携帯酸素も渡して、兎に角、布団の中で、酸素ばかり吸わせていました。(頭痛は和らいでも不快感は下山するまでずっとあったそうな)


因みに、おいらは当初から無酸素登頂を決意していたので、携帯酸素など吸うわけもなく、山小屋の夕飯を食べて、健やかに就寝しました、と、書き終えたいところですが、そうが問屋が卸してくれず、山小屋の用意していた夕飯を食べたら、おいらも途端に気持ち悪くなり、その後不快感に苛まれることになりました。胃に血液が集まることで、脳が血不足にでもなって酸欠を起こしたのかも。ともあれ、酸素なんて吸いませんでしたけどね!


こういう人が一番危ないんだよ。我慢と忍耐だけで生きている人(笑)。つづく