能と狂言。(人生二度目) | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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先週末は、宇都宮恒例の夏の能公演に出向いてきました。おいらは昨年からの参加で、今回が人生二度目の観劇になります。演目は、仕舞から「花筺」、狂言から「佐渡狐」、能から「船辨慶」の三種類。狂言では、昨年同様に野村萬斎さんが演者として参加しています。そして、そして、そして、これが昨年同様2階席最前列で1000円ぽっきり!


うーん、安過ぎる。昨年同様、誰も興味を示さないから2階最前列は簡単に取れてしまいます。今年は折角なので三名ばかり誘っての観劇となりました。来年も同条件で公演して欲しいからね、売り上げに貢献しないと。


さていうわけで、人生二度目ということで、少しは成長したかなと思いきや、年に一度くらいではどうなっているわけでもなく、今年も狂言以外は非常に難解な公演となってしまいました。「能」それ自体は面白いんだけど、如何せん、まだまだ心で感じるというレベルの切っ掛けも掴めないような有様です。演目の「船辨慶」は、義経を想う静御前の別れの舞、平知盛の亡霊の激しい動き、前後段で静と動の対比と緩急、本は如何せんよく出来ているのだが、義経役が子役(10歳くらい?)で、静御前を坂井音重齢70歳(舞があるので一番知名度のある実力者をキャスティング)が演じるという違和感を、おいらのような素人はまだ簡単には受け入れられない。そして、他演者が皆渋く語尾を低く演じ上げているのに、子役だけ、これも様式なんだろうけども、何故か尻上がり調で最後まで語り通す不思議。うーん、難しい


面白くはあるんだけどね、静御前の舞から、映画のように簡単に別れの悲しみを感じとっておいらが思わず涙してしまう日がくるんだろうかと思えば、まだ先は長いと途方に暮れる。


逆に、狂言は、今年は昨年以上で最高に面白かった。会場は大爆笑につぐ大爆笑で、おいらも見事に笑わせていただきました。連れの4名も皆吹いたり苦笑したりと狂言の敷居の低さに感心していましたな。野村萬斎さんは、おいらが書くまでもなく素晴らしいスキルの持ち主ですね。彼の公演だけでも元取ってお釣りがきてしまいます。


まあでも、おいらの昨年と今年の二度の狂言体験は、双方とも野村萬斎の狂言なんだよな。つまりは、野村萬斎の狂言だから面白い(野村萬斎の力)のか、他の狂言師でも面白い(狂言というジャンルの力)のか、という質問にはいまだ答えられる立場にはないということだな。一度くらい他の狂言師の演じる演目も楽しんでみてもいいかもなあ。


ともあれ、本公演に限っては、大満足で帰宅の途につけました。なにせ1000円公演。これほど費用対効果の低い公演もありません。来年も是非来て欲しいものです。(おわり)