益子探訪。- 蕎麦漫遊記33・34 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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蕎麦漫遊も中盤にさしかかり、おいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」に掲載されている御店も半分近くを渡り歩いてしまいました。残った店は徐々に普段なかなか足を運べない場所にあったりして、狙って足を運ばなければ、味わうことができない地域ばかりとなってしまいました。そこで仕事でも縁がなく、山もないので遊びにいくこともない、窯元として有名な益子を訪れてみることにしました。益子からは、おいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」に二店舗掲載されています。当然梯子するつもりです。


『木乃香』(益子)- 蕎麦漫遊記33。


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気を取り直して、益子のツートップの残り『木乃香』さんにお邪魔します。基本書には、“道楽そば”が紹介されていたのだけれど、おいらは今回の蕎麦漫遊から初心者は卒業して初級者への道を行くことを決意したばかりなので、基本書に言われるままでなく、“もりそば”を注文してみることにする。『鎌倉』で蕎麦にありつけなかったので、ここは堂々と大盛りだ。


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しばらくすると、蕎麦が目の前にやってくる。蕎麦には蕎麦殻の黒を始め、茶、薄茶、白と蕎麦で出せるかぎりの色を使って星を飛ばしてある。


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これはなかなか面白そうだ。早速数本つまみ口内にすすり入れる。ずぅ。なるほど。蕎麦は若干不均等に切り分けられているため、啜り入り方はあまり宜しくない。表面もざらざらしているのでさもありなん。つなぎに卵が入っているので甘みがあるけれど、香りはうち消されていて、しかし、これは、ずずぅ。ずぅ。もぐしもぐし。たぶん八割でつなぎに卵使用では、香りはやむなしか。蕎麦の味は若干するという程度かな。


面白いのは、やはり表面にも現れている星の効果だろうね。表面がざらざらしているだけでなく、口内でよく噛めば、ごちごち、ぷちぷち、じゃきじゃきと、まるで蕎麦を食べているとは形容できないような音が鳴るのである。たまにかみ砕いた星がみせる、味の変化や微かな香りが新鮮であり、本蕎麦を単調な八割蕎麦であることを回避させている。


問題は、その個性が蕎麦として正しいのかどうかであろう。蕎麦の実からなにも取り除かずに、すべてを打ち込んでしまえば、確かに面白くはなろう。しかし、邪道とは紙一重である。しかし、525円という安価で八割で出している蕎麦が、これだけ蕎麦の味を届けてくれているのなら、何をかいわんであろう。ここの蕎麦はおいら好みとは正反対だけれども、近所だったら費用対効果の面からも通ってもいいと思わせるお店である。窯元という観光地ながら、適正価格にて、地元の方にリーズナブルな蕎麦を提供している心優しいお店。そんな印象である。


ここはつゆがなかなか美味しかった。蕎麦とあうかは兎も角、昆布の使い方が蕎麦汁が逸脱しないレベルに留めてあり、塩気は弱いながらも確かな味わいで、そば湯と合わせて満足でございました。帰りにお店の方を捕まえて軽く談笑してきました。これからは初心者ならぬ初級者として、少しずつラーメンのように、取材して行ければと思う今日この頃なのです。


【益子】木乃香/もりそば(大盛り) ☆☆☆★ /そば湯 ☆☆☆★


【素材情報】

そば粉:栃木県内産を八割使用

つ ゆ:本がえし/カツオ、日高昆布

薬 味:葱、本わさび


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いちご畑レストラン』(益子)- 蕎麦漫遊記34。 

大盛り蕎麦でお腹一杯になりながらも、わざわざ益子まで足を運んで一店で帰るわけにはいきません。おいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」に掲載されてはいるものの、そばの名店51には含まれておらず、農村レストランとして紹介されている40店舗の中から益子に店を構えている『いちご畑レストランに』にもこの際立ち寄ってみることにしました。


面倒が臭くなるので、あまり深く考えないようにしていますが、はっきり言って、おいらが基本書に使用している「再訪そば処栃木の名店を歩く」に掲載されているお店は、そばの名店も農村レストランも蕎麦の味という観点からはなんの違いもありません。おいらの蕎麦漫遊では、まだ農村レストランは二店舗しか足を運んでいませんが、その二店舗のうちの片方がおいらのお気に入りの一店舗だったりします(蕎麦漫遊8参照)。つまり、蕎麦の味は箱や歴史が決めるわけではないということです。


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がしかし、こんな店構えで美味い蕎麦が食えるのかと心配になります。引き戸をあけて中にはいれば、大衆食堂のような装いで、なんと目の前には食券機! 蕎麦漫遊始まめて初の食券機での蕎麦注文です(立ち食い蕎麦屋かよ!)。ここは素直に“もりそば”のボタンを押しておくのが吉です。数分後蕎麦到着。


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見た目いたってシンプルな蕎麦が到着。ふむふむ。早速いただてみましょうかね。箸で数本摘み上げ、口内に啜り入れる。ずずうzぅ・・・ぶふぁぁぁぁぁぁぁっぁぁ☆※?&#! な、こっこれはまさk? 箸で数本摘み上げて口内に啜り入れる。ずずぅずっzぅず。ばうふぅ~ん。な、めっちゃ蕎麦の香りするやんけ! ありへんわ。お、なんだ蕎麦に変な物付いているがな(たぶん前の茹で残り)。いい、この際、そういった細かいことはどうでもいい。これや、この蕎麦や、すずずずぅ。ぶほぉーん。香りすごいことになってるやんけ! ずずぅ、ぶっほぉーん、 ずずぅ、ぶっほぉーん、ずずぅ、ぶっほぉーん、ずずぅ、ぶっほぉーん。おお、もうないがな。滅茶香り楽しめたやん。どないなっとんねんこれ。


農村レストランだから情報不足ながらも、蕎麦はたぶん七割蕎麦や。普通の基本中の基本の七割で打ってるわ。つなぎも基本に忠実に打ってる気がする(この基本的な蕎麦の味とおいらが言うときに、どんなつなぎが入っているのか、まだよう理解してへんけどね)。なのにこの香り。たまらんわ。三立てを売りにしている蕎麦屋でもこうは香らんで。特筆に値するは。あっしもた、つけ汁使うの忘れてもた。まあいいわ、腹一杯やし。そば湯もあるのかようわからん店で一々注文してまで飲まんでもいいやろ。一応味チェックや。ちゅぱちゅぱ。ふむふむ。よう分からんわ。というか忘れたわ。メモってるわけじゃないから。おいらこの時口に含んだつけ汁の味なんぞ微塵も記憶に残ってないわ!(どーん)


まあええわい。初心者を卒業したおいらとしては、早速取材や、取材を敢行せねば。厨房にって、おーい、厨房に誰もおらへんがな!


ちょちょーい、おばちゃーん。


はいはい、なんだっぺ


ここの蕎麦は七割で打ってるんだよね?


そうだべ。


(なんだかんだ)


それはそうと、ここの蕎麦七割なのに信じられないくらい蕎麦の香りがするんだけど、どうしてですか?


ほんとだっぺね、私達もうっていて驚いてんだあ。何年も打ってけど、こんなに香りのする蕎麦取れたの初めてだっぺよ。


ここは何処産の蕎麦粉を使ってるんですか?


地元の益子産の蕎麦粉だべ。まだ量は取れないんだけども。


なるほど。やはり農村レストランの強み。地元のとれたてのものを時間をあけずに出す。これ以上の贅沢はないのである。たまにこういうことがあるから、農村レストランも馬鹿にできない。ここの蕎麦粉が外に出回るようになって、プロが打ったらどんな蕎麦に仕上がるのか、しかし量を収穫しようとして、味の落ちた有名な産地はいくらでもあるという。そういう意味では、蕎麦との出会いは一期一会。次食べにいって同じものが食べられるとは限らないのである。益子産蕎麦粉には変わらないで欲しいと願う今日この頃でした。


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同じレストラン内に、ブランチとか雑誌で紹介されたアイスクリーム屋さんがあったので、食べてきました。お腹一杯だけどデザートは別腹とか言うじゃないか。イチゴ畑に隣接しているレストランだけにイチゴにしようかと思ったら、イチゴとマスカルポーネチーズのアイスが一番人気とのことで、それにしました。うん、なかなか。



【益子】いちご畑レストラン/もりそば ☆☆☆★


【素材情報】

そば粉:益子産を七割使用

薬 味:葱、わさび


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【蕎麦まとめページ】

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