富士山登頂への道。「二人登山@那須連山編」(後編) | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

前編:http://ameblo.jp/tama-xx/entry-10296859586.html


(↑のつづき)朝日岳山頂に少し時間をつぶしていると、三本槍岳山頂で眺望を台無しにしていた霧が追いついてきた。朝日岳山頂周辺はいっきに霧に包まれる。「霧に追いつかれたぞ。もう立たなければ」同行者の尻を叩き、喉が渇いたと煩いので、さらに隠し持っていた切り札のポカリ(500ml)を同行者に渡すことにした。これが本当の最後だから大事に飲めよとおいらの言が終わる前に、半分飲み干してしまう同行者、生き返ったと笑顔の同行者だが、この人本当に何考えているんだろうと、少し心配になる。(頭の内部構造が)


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おいらが先頭にたってペースを二段階くらいアップ、霧と競争することにする。朝日岳を下りて、最初に休憩した避難小屋目指して、ガレ場を急ぐ。同行者がそんなに急ぐと危険だと、やはりペースについてこられないようだ。若干ペースを落とす。


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行きも通った鎖場。気を付けろよと。


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鎖場を抜けてもまだ先は長い。霧はまだ追いついてきている。


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霧抜けた~。最後の目的地である茶臼岳の姿をちゃんと拝めてニンマリなおいら。面白い写真撮りたいからおいらここに残るよ。あそこまで先に行ってと指差すおいらの図。


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前編冒頭を飾った写真も写っているのは同行者。こちらはポーズを指示して一枚。(カシャッ)


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おいらも疲れているとはいえ、まだまだ元気。先を行っていた同行者に走って追いつく。すると、青空を纏った茶臼岳がおいらを待っていてくれたではないか。おお、おいらは山の神様に愛されている~と有頂天なおいら。が、同行者の2本目のポカリ飲み干したんだけど、告白に愕然。「まだあるんだろ?」「2本も一人で飲んで何言ってんだよ、もうあるわけないだろ!」「まだあるんやろが?」「ないって!」「隠してるんやろ?」「ないって!」「でも本当は?」「ちゃーちゃ、ちゃーちゃちゃっちゃ~♪ じゃーん、ポカリスエット~(500ml)」滅茶喜んでいる同行者を尻目に、こいつはおれじゃなかったら死んどったなと思うおいらなのでした。(因みに、こういう奴だということを知っているので抜かりがなかったわけだが)


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最初に休憩した非難小屋では休まず先を急ぐ。天気は完全に晴れ渡っている。


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が、霧が迫ってきている北側も心配は心配だが、それより気になるのが西側の空にモクモクとわき上がっている雲である。この勢いでモクってるところを見ると、これは天気予報通り雨くるな、それも土砂降り方向の。頭で軽く残り時間を計算していると、同行者が霧はもう追いつかないだろうから、毒ガスが発生している地獄ナンタラ(地名忘れた)も観光していこうと言い出す。目的地の茶臼岳山頂への分岐を逆に行き、15分も進めば地獄ナンタラ。計30分のロス。ここで毒ガス吸っているとロープウェイ山頂駅への到着時間は1530分を過ぎる。確実に降られるな。でも、いいや、この同行者は相当山への認識が甘い。ここは一つ雨に降られておくのも良かろう。一度体験したことだけには確実に対応してくれるのがこの同行者の取り柄である。よし、決めた。おいら責任で取り敢えず降られよう。


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地獄ナンタラ。毒ガスで喉が焼かれて絶命するおいら。


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地獄ナンタラを後にして、最後のピーク茶臼岳山頂を目指す。道中は人の背をゆうに超える溶岩石がゴロゴロとしている。


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ピークに火口を持っている茶臼岳は、那須連山でも一見してまったく別の姿を見せてくれる。


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茶臼岳(1915)登頂成功。初登山を終えて富士山登頂を祈願する同行者。これから地獄が待っているとも知らずに。ともあれ、良かった。


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山頂の火口の周辺をちょっと見て回っていると、急にあたりが暗くなり、突如の土砂降りが始まった。ドーン!!!! 雷はまで落ち出す始末。「えー、突如の土砂降りは想定内だけど、雷も同時発生するとは、それも真上に!!!!」


レインウェアを着込み、ザックカバーを装着して、ロープウェイ山頂駅まで急ぐ。駅までは山頂から30分はかかる。


ドーーーーン!!!!


ぎゃぁぁぁあ


ドーーーーーン!!!!!


ぎゃっぁああ!


ドーーーーン!!!!


ぎゃぁぁえああ!














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なんて具合で、ここが死に場所かと思うほどの雷の中、なんとかロープウェイ山頂駅に到着。ああ生き残った。勝利のVサインである(笑)


ロープウェイは土砂降りで運行中止。30分はゆうに駅で待たされた。他の登山者の多くも駅に駆け込んでくる。登山の準備もせずにロープウェイで観光気分で登ってきた人もいるので、そういった方は急変した山の天気の洗礼を受けて、喋る言葉もないような状態。タオルを貸してあげました。


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雨が止んだら、おいららを祝福するような虹が出た。ロープウェイで虹をくぐって帰路につきました。こういうおまけがあるなら、雨に降られるのも悪くない。


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栃木の登山と温泉とは切っても切れない。あまり知られていないが、栃木には温泉が観光地になりえないほど各地に点在しているのだ。この日は那須連山の麓にある鹿の湯さんに寄って帰りました。おいらが初めて体験する本格的な薬湯で、自殺で知れ渡った硫化水素が発生しているので、15分も風呂場にいると、かえって体調を崩してしまうという警告がされている本格派(「どんなやねん!」)。7世紀前半、天皇の御世に開湯されたといわれる温泉で、公式にも、聖武天皇の御世である738年の正倉院文書のなかに記録が出てくるんだそうな。雰囲気もばっちりで登山の疲れをいっきにふっとびました。


兎にも角にも、同行者の処女登山を無事に終わすことができて、胸をなでおろすおいら。同行者と反省点など話し合いながら、帰路につきましたとさ(次回木曜日につづく)


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