☆☆★/『ドロップ』 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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勉強月間です。7本目の作品は『ドロップ』を選んで勉強してきました。流石品川さん。なんとこの映画をダメだしすればいいのか非常にやっかいな作品を提供してくれた。ソツなくまとまっているから映画ではないと斬りにくいところが微妙だ。簡単に言ってしまえば、この作品には観る価値のあるような映画監督の熱さや才能の片鱗のようなものを感じない。このくらいの映画は手を抜いて作れましたと言ってはばからないなら評価のしようもある。しかし、品川さんはこのくらいの映画を真剣にとってしまっている。そこが内容のなさと作品への傾倒のバランスを逸していて、非常にやっかいな代物となった。よくまとまってはいるが、映画が備えるべき肝心要のファクターがかなり抜け落ちている。脚本、編集、演出、そういった細々としたところは皆及第点で纏めているのに、動画的連続性だったり演出からくる映画的山場のようなものだったりが微塵もない。本作に15分に1回CMがはさまれていたとしても、観ている側になんらの変化も支障も起きない類の映画である。結局、品川さんは映画に対する愛があまりないようである。例えば、時間が飛ぶときや場面転換のシーンを自作の漫画で繋いでしまっている。漫画原作の映画でそのまま漫画を編集点に利用するなどといった発想は、そもそも映画でなにかやりたいというような思いがなかったことの現れだろう。やはり最終的には自身原作の漫画を映像化しただけというほかない。