蕎麦再訪。-まとめ- | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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今日から更新お休みです。取り敢えず、次回の競馬投稿明けの水曜日まで蕎麦の話ししか書きにこないつもりです。書くこともたまりたまると何から書いていいのか分からなくなるよね。富士山に登ったことも書いてないし困ったものである。ともかく、鹿児島旅行の写真の整理でもしようかなあと、たまりたまった蕎麦の報告に決めうちます。ひとつよしなに。


いうわけで、初日はちょっと狡をして再訪の話し。おいらは新しい蕎麦屋さんばかり開拓しているわけじゃない。一度行った蕎麦屋さんでも気に入ったお店なら何度も足を運んでいる。いやさ運びたいと考えている。実際問題、気に入った蕎麦屋は辺鄙なところにあることが多いので、なかなか足は運べないもの。そこが蕎麦の難しいところでもあり魅力でもある。蕎麦は地と人の合作をいただくものなのだから、その場所まで赴かなければ味わえないのは必然であるからしようがない。ま、とにもかくにも、再訪は少なからずしているというわけで、今日はそんな中から、別メニューを頼んでみたお店だけ簡単にまとめて追記してみます。


06.に追加【宇都宮】 蔵/鴨ざるそば(温汁、冷そば) ☆☆☆/そば湯 ☆☆


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「蔵」さんは、蕎麦漫遊6件目に食べに行ったお店で、漫遊で始めて十割蕎麦に手を出したお店。十割食べた時は、口内が何十年振りの十割に腰を抜かして、高評価になってしまったが、ここの十割に☆4つつけたのはその後のおいらの採点に災いをもたらしている。ここのせいで上限の余幅が全然ない。ベストは月日を積み重ねるごとに更新されるのであるから、昔の満点評は最近の満点評に劣ると考えるべきで、結局、食は気から来るのだから致し方ない。


閑話休題。おいらはここだけ十割蕎麦を食べてしまったことがどうにもひっかかっていた。いまでこそ考えていないが、当時は、店は、そこの定番メニューで評価されるべきじゃないかと考えたのである。この店だけ十割で評価されるだなんて狡いぞ!と青臭いおいらが感じていたのである(若いなあ)。


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そんな若かりしおいらが贖罪のつもりで食べにいったのが、“鴨ざるそば”である。ここの二八蕎麦のレベルはいかにである。うん、やはり十割からは劣ると言わざるを得ない。香りも味も薄まってしまうのだ。ただそれは比較からくるそれで、単体で考えれば、ちゃんとした蕎麦を出していると思う。でも宇都宮の一等地に店を構えているため、費用対効果が悪いと言わざるをえないだろう。この日は、人気の鴨系をいただいたが、栃木では驚きの1200円である。「蔵」さんは、人に御馳走になりたい、そんなお蕎麦屋さんである。あやかりた~い、あやかりた~い、みんなはど~お~?(である)。



11.に追加【宇都宮】笊蕎麦 ふくや/田舎そば ☆☆☆☆/そば湯 ☆☆☆★


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11.に追加した「笊蕎麦 ふくや」は、始めて訪れた時に気に入った近所の良店である。基本メニューに、“ざるそば”と“田舎そば”の二種類が用意されていて、最初は“ざるそば”をいただいたので、ここなら“田舎そば”も美味しいに違いないと、ずっと頭の片隅にとどめておいたのです。何を隠そうおいらは“田舎そば”というのが良く分からない人でした。苦手は苦手のままにしておいてはいけないと、近くを通った際に思い出して立ち寄ってみました。(思いつきで飛び込んだため、蕎麦の写真はありません)


栃木で、おいらのように“並そば”と“田舎そば”の違いについて頭悩ませている方がおいでなら、この店で食べ比べしてみるとよかろうと思います。おいらはこの店で始めて“田舎そば”というものを理解できました。ようするに“田舎そば”とはそばの“味”を重視するそばのことを指すわけですね。噛み応えを増させるために太く切り、啜りがたいため香りを楽しむことはできないが、目一杯頬張り噛みしだくことで、そばの味を口内一杯に広げる贅沢な至福の技。なるほど、それはそれで美味しいし、ありだと思う。が、同じ値段の“並そば”の隣に置かれてしまえば、やはり魅力は半減するといっていい。香り豊かで喉越しよく、噛んでも“並そば”のほうが味の舌触りがまろやかな気がする。これは個人の好みの問題で、牛若丸と弁慶くらいに好みが分かれるかも。一度「え?ふくやなら間違いなく“田舎そば”でしょう!」という方と蕎麦談義に花を咲かせたいものである。



18.に追加【足利】九・一そば 第一立花/生粉打ちそば ☆☆☆☆/そば湯 ☆☆☆


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ここは再訪したのは極最近。足利の事件が入ったので、また足利には何度か出向くことになるだろう。いうわけで、早速、おいらのせいで蕎麦好きになりつつあるボスを誘って、前回の足利蕎麦漫遊でダントツおいらに気に入られた「九・一そば 第一立花」さんに立ち寄ってきました。ここの蕎麦は☆3.5と中評価にしてしまったが、細切りで美味いのだ♪


今回の来訪も夕方のためダメもとで、おかみさんに「“生粉打ちそば”はもう終わりましたよね?」と確認。するとどうでせう。二人前出せますよとのこと。一日十五食限定の“生粉打ちそば”は、前回週末に訪れた際は完売していたのだ。流石、地方都市。平日と週末では客足も全然違うのかもしれない。経費ボス持ちということで、“生粉打ちそば”に天ぷらをセットで注文。(ああもう、めっさワクワクする。)


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到着。美味そうだ。ここの蕎麦は基本でも九割の蕎麦を出しているのだけど、驚くほどの細打ちで出しているのです。店の考え方で、蕎麦は細ければ細いほど汁とよく絡み、喉越しも増すから良であるとしています。でも考えと実践は別物で、普通理想の高みにはなかなか到達しないものだが、ここは有言実行していると他人ながら自負しております。そばは蕎麦粉の割合が多ければ多いほど繋がらず、茹でている際にプツリと切れてしまうものなのです。それをここは九割で見たこともないような細切りで仕上げてきます。職人技です!


今回頂戴する“生粉打ちそば”とは十割そばのことです。出てきた品はやや細打ちで九割そばより太さが若干増していますが、それでも細い部類。十割そばを作成するには技術が必要で、並大抵のことでは美味しく打つことができません。ここまで細ければ十分にあっぱれと言わざるを得ないでしょう。箸でつまんですすってみれば、やはり九割と違って香りがより鮮明に広がり、噛めばそばの味も十二分に堪能できる蕎麦でした。「これは美味い」ボスも口から賛辞がこぼれます。にょはは、嬉しい。確かに“生粉打ちそば”は九割より蕎麦の味を堪能できるソレであった。でも、おいらは一人考えていた。ここにきて、世間でよく言われている「十割はボソボソ」という意見。おいらはいままでそのような不細工な十割そばに出会ったことがなかったけれど、始めて感じる十割のこのボソボソ感。


いやさ語弊があってはならない。ここの“生粉打ちそば”は十割そばの中では、細めにうたれ、喉越しもよくとても優れた蕎麦であると断言する。そこらの十割には絶対に負けない確かな技術である。しかし、ここの九割そばと比べるとどうか。確かにここの九割より、“生粉打ちそば”のほうが、香りも味も数段アップしている。が、ここの九割には“生粉打ちそば”にはない長所があった。それは十割では不可能な超細打ちからくる喉越しと舌触りと汁との絡みである。あれはあれでオリジナリティを獲得しているのである。十割になることで蕎麦の香りや味が増したとしても、九割のほうに抗えないほどの魅力を感じる。おいらは“生粉打ちそば”を☆4つ評価とすることで、☆3.5の九割が正しかったのかと提議したい。おいらが蕎麦に何故☆を打っているのか、もう一度基準を確かめたいのだ。これは現在進行形の課題である。


ともあれ、この店の技術とセンスには脱帽する。蕎麦屋の天ぷらに特別美味しいものはないんだなと斬って捨てていたおいらでも、ここの天ぷらはとても美味しく揚がっていたので、大変満足しました。帰りに店主さんに賛辞をおくって帰りましたとさ。(おわり)


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