本年鑑賞分の中から早速オススメ作品が登場してくれたのでオススメしておきます。それはマーティン･スコセッシ監督の新作ドキュメンタリー「ザ･ローリング･ストーンズ シャイン･ア･ライト」。歌手やバンドを追ったドキュというのは得てしてファン限定だったりする。でも本作に限っては心配御無用。なぜなら、薦めているおいらがローリング･ストーンズについて無知なのだから。題材に興味があるかないかで映画が判断されるなら、映画を薦めるか薦めないかなんて考える余地はなくなる。映画には題材を超えて獲得しうる映画性というものが備わっているかどうかが重要なのだ。おいらはスコセッシのドキュは何本か観ていると思うけど、今作はずば抜けてよかった。本作がドキュメンタリーであるのは間違いないけど、スコセッシと素材のガチンコバトルが十二分に楽しめる。「アビエイター」の撮影と編集にしびれた映画ファンは、ストーンズが誰か知らなくても絶対観る価値がある。全編ローリング･ストーンズが歌っているだけだけど、けしてフィルムコンサートのようと言うなかれ。フィルムコンサートでもっとも力を入れるのは音関係だろうけど、それ以外の要素、カメラと照明、そして編集が三位一体となって活きているライブドキュはなかなかない。と絶賛しておきながら、それでもなおスコセッシがところどころアップアップになっている事実。ストーンズの素材のとしての豊かさ！必見です。