かなり前の公開作品になりますが、地方では公開まっさかりなので書いておきます。本作「青い鳥」は映画館鑑賞推奨作品です。これは作品の出来がいいとかいう意味ではありません（いいですけど）。映画館の空間で観なければ味わえない演出や手法が活きている作品という意味です。本作は、教師と生徒の葛藤をベースに、いじめや教育の解決になにが欠けているのかを描いているのですが、台詞と台詞の間に十二分な時間をあけて、映画的発酵作用とでもいうべき味わいを生みだすことに成功しています。ようするにもったいぶらずに書けば、無音の画が多いということだ。それは驚くほど多い。映画館で観れば大成功の本演出も、映画館での時間的連続性の中で観ていただけなければ、劇場で鑑賞したお客さんのようには味わえないと断言します。と言うわけで、まだ近所で観られる環境の方は、ＤＶＤと言わず劇場でどうぞ。