昨日は、私の師のお誕生日でした。
ふと、懐かしくなって、
師から教えていただいたことを思い出しました。
【師から教わったこと】
私の師は、獣医学博士でした。
ペットの診療だけではなく、
食育にも力を注いでいた先生です。
愛犬の病気をきっかけに、
師のもとで学ばせていただきました。
その中でも、
今でも心に残っている言葉があります。
関西の方ならご存じでしょうか。
間寛平さんの、
「だーれがじゃ?」
「なーにがじゃ?」
「どーしてじゃ?」というギャグ。
師は、
「〇〇は怖いです!」
「〇〇はダメです!」という言葉に
不安になっている飼い主さんがいたら、
このギャグを使って、和ませてあげてください!とおっしゃっていました。
当時は、
先生、ここで寛平ちゃんですか?(笑)
と思っていました。
でも、今なら分かります。
これ、ただのギャグじゃないんですよね。
【毒性学で考えてみる】
毒性を考えるときに大切なのは、
誰が、何を、どれくらい、
どのくらいの期間、摂取したのか。
ということ。
さらに、
その物質がどのように体内に入り、
吸収され、代謝され、排泄されるのか。
犬や猫なら、体重や年齢、
健康状態なども関係します。
つまり、
「〇〇には毒性があります」という情報だけでは、
「だから犬が少しでも食べたら危険」
とは限りません。
一度の摂取なのか、毎日なのか。
微量なのか、大量なのか。
研究で使われた量と、
実際の食生活で摂取する量は同じなのか。
そこまで見て、初めて考えることができます。
【「毒」という言葉に振り回されない】
最近はSNSでも、
「〇〇は毒!」 「△△は危険!」 「□□を食べると病気になる!」という情報をよく見かけます。
もちろん、
犬や猫にとって明確に有害なものはあります。
それは正しく知って、避けなければいけません。
でも、
「毒」という言葉だけで、
すべてを判断してしまうのは危険です。
「論文に書いてあるから正しい」というのも同じ。
論文には、対象、量、条件、期間、方法、結果があります。
一部分だけを切り取って、自分に都合のいい結論を作ってしまえば……
それは、
「論文つまみ食い」だと師は笑っていました。
「〇〇は毒です!」と言われたら、
まず、
だーれがじゃ?
なーにがじゃ? どーしてじゃ?と
考えてみてほしい。
そして、どれくらいの量?
どのくらいの期間?と、
もう一歩踏み込んでみる。
怖がる前に、考える。
誰かの言葉をそのまま信じるのではなく、
自分で根拠を確認して選択する。
それが、
飼い主として、大切な力だと思っています。
昨日は師のお誕生日。
先生が今ここにいたら、
「だーれがじゃ?」
「なーにがじゃ?」
「どーしてじゃ?」
不安になっている飼い主さんを
和ませるために
笑って言ってくれるような気がします。
誰か、何かを否定するのではなく
飼い主さんの不安を減らしたい。
そのことに生涯をかけた人でした。
ー師のお誕生日に感謝を込めて。



