こんばんは。


来月末で担当している軽度知的障害者実務クラスの訓練生たちは皆、1年コースを修了します。


1年間は、支援員としては前半は長く感じていましたが、後半からは就職活動が始まると企業現場実習に2週間くらい入る学生もいたりして、瞬くように過ぎていきます。




職業訓練校は、就職に向けた人材養成学校でもあるので、就職率は100パーセントを目標にしていますが、現実的には100パーセント達成が厳しい年もあり、今年度はまさに厳しめなようです。



初めての作業や集団に対して柔軟性が求められています。


柔軟性や適応力は、概して若い訓練生の方が伸ばしやすいのかなあと、支援してみて思えます。


最初の頃、訓練校の時間割やクラスの雰囲気に馴染めずにいた18歳の訓練生は、よくトイレに籠ってしまっていましたが、夏までには克服でき、今ではすっかり馴染んで人見知りもなくなりました。


一方、社会人として基本の【挨拶練習】を訓練校では毎日練習するのですが、40代で自閉傾向の強い訓練生は、未だに1人では言えるようにならず、コミュニケーションがほぼ一方通行で、


「支援や訓練内容が、積み上がらない

という課題があり、この訓練生に合う就職先を探すのに時間がかかっています。


職業訓練校は、その歴史が長いことや、就職後も、就職支援員が定着支援を1年サポートするルールなどがあるため、1年の在籍期間に、それなりに習得できる生徒ならば、かなり安定した企業等へ就職先を決める事ができています。


それは


「職業訓練校で、1年頑張れたのだし、卒業生たちもきちんと勤められているから。」


という過去からの実績が、企業側からも認められているという事でもあるのですが、内側から見てみると、


確かに、障害特性があっても、協調性があり、働く意欲が高く真面目な訓練生は

受かるが、自閉傾向や発達障害特性が強く、マンツーマンサポートが時々必要な訓練生は、企業前実習の時点で切り捨てられてしまい、1年で就職先まで見つける事が難しい。


という事です。


優良企業に就職させた実績があると、その実績を維持するために、水準を満たす訓練生なら就職先として紹介できるけれど、そこに満たなければ、紹介はしてもらえず、といって体力的にキツい仕事などは訓練生が希望していないので、なかなかマッチングが難しいという状況です。


職業訓練校の就職活動は、受験に例えると指定校推薦入試みたいなところがあります。


推薦基準を満たせる生徒にとっては、とてもよい就職先を紹介してもらえるのでお勧めです。


が、推薦基準に満たない生徒たちにとって、特に障害者就労の場合、雇用の上での格差の幅は大きいです。


1年かけて訓練校を修了した、という点では同じでも、企業就労なら最低月額17万位〜スタートできるのが一般的ですが、福祉就労継続B型作業所では平均月額2万円位〜です。


そして、企業就労が難しい場合の選択肢としては、B型作業所が有力候補になるけれど、できれば皆、卒業するまでには企業に就職先を決めたいという思いで通学しています。


特に40代以上の障害者とそのご家族など、年齢が上がるほど、その思いは強く切実でしょうし、障害者雇用も年齢で差別せずに進めていかなければ本来いけないのですが、雇う側からは【推薦基準】で切り捨てられてしまう事が多く、推薦基準を満たせるのが若者に多く、【1年で引き出せる訓練生の良さ】は集団適応力などになってくるので、やはり若者の方が決まりやすいようです。


本当に必要な人に支援の手がうまく機能する社会って、難しいですね。


訓練校へ入学時点では、訓練生たちに、そんなに社会性やスキルの差を感じなかったのですが、就職活動になると、差が出てきていて、卒業後に生徒たちの就職格差が広がる現実を思うと、気持ちとして複雑になります。