大人だけれど、ブレーセスをはめて歯列矯正治療を開始しました。
私の両親も兄も歯並びは良い。
自分の歯は大切にしないといけない、とずっと言われ続け、
よっぽど問題がでない限り、抜くものではない!と言われて育ちました。
両親が結婚する前、父のきれいな歯並びを見た私の祖母は
『馬のようにきれいな歯をしている人ね!
』と関心して母に話したそうです。これって誉め言葉になるのかどうか、良くわかりませんが...。

なのに、何故私だけ...

実は幼稚園の頃、遊んでいたら前歯を打っったため、乳歯は死んでしまい、
乳歯が抜け切る前に、永久歯が歯茎の上から生えてきました。
その頃は、歯列矯正治療が当たり前のように行われていたアメリカに駐在していたので、
上あごだけ、歯列矯正ブレーセスを一時はめていました。
そして私が13歳の時、父の帰国辞令が出ました。
帰国した時には永久歯は完全にまっすぐ生え、噛み合わせもバッチリ。

日本では、あの頃は歯列矯正医はあまりいなかったので、
次第にブレーセスもはめなくなりました。
月日はたち、私は大学生になりました。
歯並びに特に問題はなかったはずなのに、
なんだか前歯のかみ合わせが悪くなってきたことに気づきました。
やはり体が成長し、次第にあごと歯との関係がずれてきたのでしょうか。
歯医者さんに相談しても、
『口をつむっておけば大丈夫でしょ。』と言われた程度で、
もう子供ではないので、成人してからの歯列矯正は無理か...とあきらめました。
でも、ずーっとずーっと気になっていました。
わからないよ、と親切なことを言って下さる人もいますが、
自分としては、ただ単に見た目だけでなく、
言葉の発声や、いずれは食事の消化にも影響するのではないか、と気になって...。
17年前にロンドンに移り住んだ頃には、成人向けの歯科矯正の技術が進み、
矯正ブレーセスをはめる大人を見かけるようになりました。
アメリカほどではないにしろ、
イギリスでも『大人」の歯列矯正が普及していることに気づきました。
話のタネに10年くらい前から転々と歯列矯正医に相談するようになりました。
イギリス人の女医さんに当たってみると
『歯列矯正は可能だけれど、歯を抜かないとダメですね、4本!」
と言われ、そんなあ~


健康な歯を4本も抜くなんて、そんな無茶な~!と大ショック。
イヤだ!イヤだ!と敬遠して次に相談したのは、
アメリカで歯科矯正を勉強して来たというパキスタン系イギリス人の矯正医。
『抜かずにできますよ!」
と言われたものの、改めて良~く話を聞いて見ると『全体的に歯が広がる』とか。
じゃ、全く意味がないじゃない?!
『抜きたくないんでしょ?』と当然のように言われても
わざわざ、お金を払って2年という歳月をかけてまで『出っ歯』にはなりたくないよ

冗談じゃない
と落胆の日々が続き、しばらくそのまま放っていたのですが、やはり、歯列のことが頭から離れない。
気を入れ替えて、今度はターバンを巻いたインド系イギリス人の先生へ。
『貴方は歯が全部32本あるけど、あごが狭いので、4本抜いたら直る。
でも、ドイツから歯を抜かずに矯正できる最新技術が入ってきたので、それはどう?』と。
それは良い!!!と一瞬、心がはずみましたが、
これからドイツから専門医がイギリスに説明に来る、という初期段階なため、
まだイギリスでは誰もこの方法で治療したことがないらしい。
試験台になるのは、やっぱり不安でこれも諦め。
もう諦め半分で、マレーシア人の矯正医を訪問すると、懇切丁寧にメリット、デメリット
何が可能で何が不可能か、また色々な治療方法の選択肢を細かく説明して下さいました。
この先生の話だと、東洋人は歯の数や大きさの割にはあごが狭く、
『出っ歯』になりがち。
その反面、西洋人は歯が内側に入る傾向があり、逆に外に出す矯正が多いらしい。
要するに、私は典型的な東洋人なのね...。
やはり今の技術だと抜歯は免れないらしい。
ただ、すでに虫歯治療をした歯を選び、なるべく健康な歯は裂けるようにする、と。
他の患者さんともお話しさせて下さり、その人達が口を揃えて言ったのは
『もっと早くすれば良かった』ということでした。
何せ、『歯は抜くものではない』と言われて育ってきた者としては
何十年も悩んできたこととは言え、なかなか決断に苦しむ...。

それにイメージコンサルタントと言う職種についているのに、
ブレーセスをはめている、というのもどういうものか。
私は整形とか人工的な手段を取らず、
自然な形で自分の美しさを引き出すことをモットーにしているのに...。
結局、悩みに悩んだあげく、清水寺から飛び降りるつもりで
抜歯に踏み切り、歯列矯正治療をする決意をしました



やはり五体満足に生んでくれた父には一言、話さないと申し訳ない、と思う私。
最初は『そんな抜歯までして矯正する必要ないんじゃない?」と予想通りの反応でしたが、
最終的には納得してくれました。
一度決断すると、ゆるぎない父、あんなに抜歯に反対していたのに、
今度は『やるなら、ちゃんとしっかりやってもらいなさい
』と心強い言葉。きゃ~、嬉しい
本当にこれから歯の矯正ができるのねえ
...と喜びと楽しみの気持ちに浸ったのも束の間、
待てよ、まずは抜歯をしないといけない。
わあ~、どうしよう...コワイ

つづく...