RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~ -23ページ目

RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~

こンな髪形してますが、アラフォーのおっさんです。
このブログでは、過去に体験した奇妙な恋愛話を綴ってます。
一部不快な表現も含まれておりますので、予めご了承ください。

『へぇ~。リンくんって、そんな資格も持ってるの』
「うん。オレの勤め先は不動産会社だから、いろいろ持ってると手当がつくンや」
『え?リンはWebデザイナーと違った?』
「あ、い、いや、つ、勤め先は不動産の賃貸や売買の仲介会社で、営業の部門としてWeb企画室があるンですヨ、ま、眞知子サン」

同窓会から1カ月後、ここは繁華街にあるレストランバー。
前回、私にいろいろ情報をくれた昔からの友人・タクヤと、眞知子サンの高校時代の友人・ユキコ、そして眞知子サンと私の4人で飲み会をしている。

『なぁ、さっきから思ってたンやケド、リンはなンで高橋(眞知子サンの旧姓)にだけ敬語を使うンや?』
「え?(ぎくっ)そうか?」
『そうやで、ウチもさっきから思っててン』
「それはたぶん、会社でのくせで、女性には敬語になるからちゃうかナ・・・」
『でもウチには敬語と違うヤン』
『それは、ユキコがオッサンみたいやから違うか?』
『うわ、タクヤ、何それ、ひどぉ~』

同窓会の帰りに眞知子サンからメールをもらって以来、私は毎日欠かさず眞知子サンにメールを送っていた。
しかし、眞知子サンには家庭があるので、私は2人で合うコトを避けたが、今日はユキコも来るというので、私もタクヤを誘って1カ月ぶりに眞知子サンと会うコトにした。

『あぁ~、リン!、オマエ実は高橋に惚れてるンと違うんか?』
「えっ? オレが?いやいやいや、ないないない、そんなコトないヨ!おいっタクヤ、いらんコト言うなヨ!(ドキドキドキドキ)」
『こら、リン! 自分のコト”オレ”って言うのやめなさい!リンには似合わないンだから』
「あ、は、はい。すんません眞知子サン」
『あ~。やっぱりリンくん、あやしいわ』
「いや、違うって。あ、ボク、ちょっとトイレ行ってくる」
『ほら、眞知子が言ったから、もう”オレ”が”ボク”に変わってるやン(クスクス)』

どうも私は、眞知子サンの前に行くとドキドキしたりオドオドしたりするようだ。
でも、『こら、リン!』って眞知子サンに呼ばれた時は、飛び上がるくらい嬉しかったなぁ。
ニヤニヤしながら用を足し、洗面所で手を洗って鏡を見ると、なンと、私の後ろに眞知子サンが立っている。

「ま、眞知子サン、ここ男子トイレですケド・・・」
『リン! さっきみんなの前でアタシに惚れてないって言ったケド、あれは本心?』
「え? いやぁ、え~っと・・・・」
『どっち! はっきり言いなさい!!!』
バシッ!!
いきなり私の頬にビンタが飛んできた。

「う、う、嘘ですぅ。!!ホ、ホントは眞知子サンのコトが大好きですぅ!!!」
『はい。よく言えました。これはご褒美ヨ』
チュッ!!
今度は私の唇に眞知子サンの唇が飛んできた。

『でも、みんなにはまだナイショだからネ』
「は、はい!!もちろん判ってます」
『じゃ、先に席へ戻ってて』
「は、はい!!で、でわ、お先に失礼します」
『よろしい』

席に戻ると、ユキコとタクヤは初対面にもかかわらず、すっかり意気投合した様子で盛り上がっていました。
『さぁ、ほンならそろそろ次の店にいくか』
『そうやネ。ウチ、カラオケに行きたいわぁ~』

眞知子サンが席に戻った後、今度は4人でカラオケボックスに行くコトになった。
眞知子サンは仕事でさんざんカラオケを聞いてるせいか、こんな店が好きではないらしく、少し不機嫌だった。
しかし、ユキコとタクヤはお構いなしに盛り上がっているようだ。
2人ともだいぶ酒を飲んでいるようで、だんだん呂律が回らなくなっている。

「さあ、そろそろお開きにしようか?」
『え~。ウチまだタクヤと一緒に飲みたいぃ~』
「いや、ユキコと眞知子サン、2人とも主婦やろ?そろそろ帰らないと・・・」
『ええねン。ウチ今日は夜勤って言って家を出たから。逆に今は帰られヘン』
『しゃぁないなぁ~。ほんならオレがええトコ連れてったるワ』

タクヤとユキコはカラオケボックスの前でタクシーを拾って、そのままどこかに行ってしまった。
『あ~あ。ユキコ、またお持ち帰りされてるワ』
「えっ? あ、あのヒト、そンなヒトなンですか?」
『そうよ。高校時代からずっとそう。勤務先の病院でも3人くらい彼氏がいてるらしいの。尻軽なナースやわぁ』
「へぇ~!!たいして可愛くもないのになぁ~。 って、ちょっと、眞知子サン??」

眞知子サンはさっきのタクヤと同じように、手を挙げてタクシーを停めた。
『ほら、リン! 早く乗りなさい! あ、運転手サン○○○○(ラブホ街で有名な地名)まで』
「ちょ、ちょ、ちょっと、眞知子サン!!???」
『ユキコはお持ち帰りされたケド、アタシはリンをお持ち帰りしようっと!ウフフ』

つづく 
それは今から10年ほど前、6月の終わりごろだった。
我が家のポストに「○○中学 同窓会のご案内」が届いた。
卒業したのが15歳だから、実に十数年ぶりに同級生に会えるワケである。
当日はガラにもなく、少しワクワクしながら出席した。

これが転落の第1歩と知らずに・・・

私は少し遅れて出席したが、同窓会には約40人くらいが出席していて、すでにかなり盛り上がっていた。
会場は大広間だったので、中ほどの席にいる昔仲の良かった男の隣に座るコトにした。
しばらくはお互いの近況や昔の出来事など、他愛も無い話を懐かしく思い出しながら談笑していた。

それから30分くらい経ったとき、一人の美しい女性が会場に入ってきた。
髪は長くて、少し茶色、手は細くて指は長く滑らか、ミニスカートからのぞく脚はとても綺麗で、身長は168cmくらい、大きく空いた胸元から谷間が見えるバストは、おそらく90以上、Fカップ以上はあろうかと・・・
そして、顔は当時ドラマで活躍していた女優に似て、でもその女優よりもはるかに美しい。

「なぁ、あれ誰や?」
『ん?あぁ、あれは○○やんか。M町でスナックを経営してるらしいデ』
「え!?○○!!?」

その女性は、中学時代は校則違反の女王で、制服は改造する、化粧して登校してくる、タバコは吸うわ酒は飲むわ、おまけに他校や自校の女子と頻繁に喧嘩をする、それはそれは、すごい女子生徒だった。

「へぇ~!!えらい別嬪サンになったモンやなぁ~!!!」
『いや、あかんで、リン! アイツは昔、出張ホストのオトコを買ってたっちゅうツワモノや。お前なんかが太刀打ちできる女やないデ!』
「へぇ~~~~!!!そりゃまたすごい話やなぁ!」

『そりゃそうと、リン。オマエ昔、女の家で飼われとったっちゅう噂を聞いたケド、ホンマか?』
「(ぎくっΣ(゚д゚lll))あ・あ・あほなコト言うなヤ!ウチは共働きとわいえ、ちゃんと両親がおるんや。毎日マジメに学校通うとったワ!」
『ふーん。ま、ヒトの噂っちゅうのはアテにならンもんやナ。ハハハ』

私は古傷を抉られた思いだった。「女の家で飼われ」てたワケぢゃ無いが、ほぼそれに近い感じ、いや、週末はホントに飼われてたから・・・。

それからしばらくして、宴も終盤になったころに、突然さっきの「元」不良少女が私の方に歩いてきた。

『ちょっと、となり座らせてヨ』
いきなり私と友人の間を押し広げて、どかっと、それも私の太ももに1回座ってから私の隣に座った。
『アンタ、リンやろ?昔はスポーツ刈りやったケド、髪伸びたらカワイなったなぁ』
「え、え、え? かわいい? このオレが? この前、派遣社員に”チーフの顔は怖いから相談できませんでした”って言われたばっかりなンですケド(^^;;」
『オレやって。ふふん。リンに「オレ」ってのは似合えへんわ。クスクス。』
「あ、あ、あのお、私だってもうエエ歳なンで、それなりに怖いトコあるンですケド・・・」
『こンなオドオドした"ボクちゃん"のどこが怖いンよ!フフっ。リンなンかまだまだ可愛いモンやわ。ウフフ。』

そう、私はアラサーにもなって(アラフォーの現在もそうだが)、未だに女性には弱いと言うか、偉そうにできない。
しかし、自分で言うのもなンだが、可愛いって表現は、私には縁遠い形容詞のハズ。
これでも空手の黒帯で、練習や試合で何人ものアバラを折ったコトのある「猛者」のつもりだ。
でもナゼか、女性の前では「森の小動物」になってしまうのが、我ながら不思議なトコロである。

その後、一次会はお開きになり、二次会に繰り出したンだが、その女性・眞知子サンはナゼかずっと私の隣ではしゃいでいた。

私にあれこれ注文したり、歌うように指図したり、カラダのあちこちを小突かれたり抓られたりと、ずっと圧倒されていたンだが、それが不思議と心地よかった。

それから夜も更け、「そしたらまた来年!」と二次会がお開きになった後、先ほどの友人と一緒に帰るコトになった。
駅まで千鳥足で帰る途中、さっきの友人がニヤニヤしながら話しかけてきた。

『さっきオマエがトイレに行ってる間ナ、○○(眞知子サンの旧姓)がお前のコト
”あの子、大人になったらカワイなったなぁ。ウチの2階で飼いたいワ”
って言ってたデ。お前って、女に飼われるの好きやなぁ』

(またそれかいナ・・・)
内心そう思ったンだが、その話題をはぐらかすコトにして、疑問だったコトを訊いてみる。

「 え?○○って、独身なン?」
『あほか。アイツの旦那はな、なンでも業界では有名な会社の社長やデ。それに、アイツ自身、M町(繁華街で有名な地名)でスナックやってるから、めっちゃ金持ちや。はぁ~羨ましい・・・』
「ほんなら、俺は単にからかわれたダケやン‼︎」
『ま、そういうこっちゃ』

友人と別れた後、電車の中でさっき眞知子サンと
交換した(ホントは無理やりさせられたンだが)メアドを見て、私はこのあとメールをするかどうか迷っていた。

(どうせ、からかわれたダケか、店の客にさせられるダケやろうなぁ・・・)

そして、自宅の前に着き、今まさにドアを開けようとするとメールの着信音が鳴りだした。

件名:また逢おう!(^O^)/

つづく