RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~ -12ページ目

RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~

こンな髪形してますが、アラフォーのおっさんです。
このブログでは、過去に体験した奇妙な恋愛話を綴ってます。
一部不快な表現も含まれておりますので、予めご了承ください。

『もぉ!リンったら、また忘れてるぅ!』

ここは毎週水曜日と土曜日の2回、必ず買い物に来るスーパーだ。
買い物の内容は眞智子サマの家族の食料品で、いつも3日分くらいをまとめ買いしている。

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この買い物は、眞智子サマとの付き合いが始まった頃からずっと続いているので、店員はきっと私達のコトを夫婦だと思っているだろう。

店内に入る前から手を繋いでいて、店内でもずっとイチャイチャ、ベタベタしているし、売場の角では必ずフレンチキスをしている。
今は4回目の角を曲った時に私がキスを忘れたので、眞智子サマから叱られているトコロだ。

「いや、あそこのコーナーに玉ねぎの特売があったので・・・
毎週金曜日はカレーでしょ?
そろそろ玉ねぎがキレる頃ですヨ」

もう2年以上も一緒に買い物をしていると、眞智子サマの家族の好みや料理のバリエーション、ついには食材のストックまで覚えるようになってしまった。

『あ、ホントだ。ありがとう!
でも、ソレとキスは別のお話ヨ。
だから、2回してネ♡』

店内でイチャイチャするのは心から嬉しいコトなンだが、この買い込んだ食材で作る料理は眞智子サマの旦那が食べるモノだと思うと、そのたびにやるせなくなる。
でも、そンな想いを少しでも表情に出せば眞智子サマはスグに見破るので、出来る限り考えないように努力して常に笑顔を心がけている。

・・・・・・・・・・・・・・・

『今日はリンがお料理のレシピを考えてくれたから、買い物もスムーズに終わったワ♡
だから、いつもよりたっぷり可愛がってあげるネ♡』

買い物が終わった後は2人の部屋で2時間ほど過ごすのだが、今日は私がネットで仕入れたレシピを提案したので、いつもより長く一緒にいられそうだ。

『そうそう、さっきドラッグコーナーでこンなの買っちゃった。一度リンに試して見たかったの♡』

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――――な、ナニ?綿棒?

『尿◯責めって知ってる?
この綿棒にローションをたっぷりつけて、◯道に入れるのヨ♡』

――――そ、そンな・・・

『だ~いじょうぶ!
最初は優しくしてあげるから♡
そうだ!前に綿棒と後にバ◯ブの両方挿したらどうなるのかな?ウフ♡』

あ・あ・あ・あ~‼︎

・・・・・・・・・・・・・・・

私は未知の快感で半ば意識朦朧としていたが、フイに眞智子サマのケータイが鳴ったので眼が覚めた。

『え?あ、そうだった!?
ゴメンゴメン、ゴメンね!
じゃ、ママはスグに帰るから』

――――誰?

電話口から子供がむずる声が聞こえたような気がする。

『ごめんネ、リン。
いつもお母さんに◯◯(子供の名前)を預かってもらってるンだけど、今日はお母さんに用事があるから早く帰るハズだったの。
悪いケド、今日はコレで帰るネ』

――――ああ。私のタメにお子さんに淋しい想いをさせているンだ。

私の存在が眞智子サマの家族に不幸の影を落としているコトを思うと、自責の念で胸がキリキリと痛む。

「ご、ごめんなさい、私の所為で。
あ、後片付けは私がしますから、眞智子サマは早く迎えに行ってください」

『リンは悪くないのヨ。
でも、ゴメンね。今日は急ぐから。
夜に抜け出せたらまた来るから♡』

眞智子サマはそう言うと、急いで身仕度を整えて足早に帰って行った。

私は何度も絶頂を迎えた後なので、しばらくは動けなかった。
ベッドの上にはローションまみれで息も絶え絶えとしている私がいる。
その周りには私を弄ぶタメの様々な道具が散乱していて、スイッチを切り忘れたバ◯ブがまだ鳴っていた。

――――この瞬間が一番辛いなぁ・・・

さっきまでは愛情たっぷりに可愛がってもらって、身もココロも溶けるような想いだったが、所詮は愛人の身。
私は眞智子サマの欲求を満たすダケの愛玩動物で、一番大事なモノは眞智子サマの家族だ。

解っているとは言え、こうして置き去りにされると耐えようもない寂寥感が襲ってくる。

――――どンなに憧れても、どンなに愛しても、報われる日は決してやって来ない。
いつまでこの生活、性活? が続くンだろう・・・

身動きが取れない状態で天井を見つめていると、涙がとめどもなく溢れてきた。

・・・・・・・・・・・・・・・

『もぉ!リンったら。だからって拗ねなくってもイイでしょう!』

――――そ、そンなワケでは・・・

風呂に入った後にコンビニへ夕食の買い出しへ行き、今はチビチビと独り晩酌をしていたが、突然 眞智子サマから電話があった。

もう午前0時を回っているのに、眞智子サマは今からこの部屋に来ると言う。
帰り際が良くなかったので、眞智子サマはそのコトに気が済まなかったようだが、時間が遅いので今夜はもうイイと断った。
私はさっきのコトは気にしてないと伝えたが、ついお子さんのコトに触れたのが癇に障ったようだ。

『だから、謝ってるじゃない!
アタシは子供も大事だけど、リンのコトも大事なの。』

――――だから、私も拗ねてるンじゃないのに・・・

眞智子サマは夜の仕事だから寝るにはまだ早い時間だ。
感覚的には普通のヒトの夕方と同じくらいだろう。
しかし、私は普通のサラリーマンなので、平日のこの時間はもう寝ても良いころだ。
それに、不動産会社はたいてい水曜日が休みなので、明日 木曜日の朝は仕事が山積みのように入ってくる。

「あ、あのう・・・
わ、私、明日は早く出勤しますので、もうそろそろ寝たいンです」

ガチャ!

眞智子サマは堪り兼ねたのか、勢いよく電話を切ってしまった。
こうなるといくら言い訳をしても無理なので、たぶん明日の夜はキツいお仕置きになるンだろう。

私は大きく溜息をついたが、過ぎたコトを考えてもしょうがないので今夜は寝る覚悟を決めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・

『あ、起こしちゃった?
ウフ♡
リンったら寝てても立派ネ♡』


つづく
『どう?似合う?』

――――似合うもナニも・・・

季節は真夏。
眞知子サマと私は、1泊2日でM県の海水浴場に来ている。

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眞知子サマは一時期モデルの仕事もしていたそうだか、25歳にはきっぱり辞めたらしい。
それは体型的な理由ではなく、借金返済も終わったのでアクセク稼ぐ必要がなくなったせいだ。

現に今、私の目の前でトロピカルビキニを披露している姿は、とてもこの世のモノとは思えない美しきだ。

「ま、眞知子サマぁ!とっても良く似合っていますヨ♡」

『そう、ありがと♡ 誰に褒められるよりも、リンにそう言ってもらえるのが一番嬉しいワ!』

こンなに美しい女性と一緒にいると、嬉しいコトとは裏腹に、自分への自信の無さが知らず識らず湧き出るコトがある。

――――眞知子サマはああ言ってくれるケド・・・

なンだかンだ言っても、眞知子サマの旦那は会社社長だ。
私なンかよりもずっと収入があり、その気になればお店をやめさせても充分贅沢な暮らしをさせるコトが出来る。

それに、お店で眞知子サマを狙ってる常連客にしても、一流企業の社員や大金持ちの社長が大勢いる。
ナニも好き好んでこンな男に執着する必要は無いハズだ。

――――オレはホントに逃げたいのか? それとも・・・

最近は時々こンな自問自答を繰り返すコトが増えてきている。

『なぁに、リン?顔なンか顰めちゃって!』

「い、いや。眞知子サマがあンまり眩しすぎたモンで。てへ♡」

『もぉ♡バカ♡』

最近はなるべくココロを読まれないようになってきたが、それでも眞知子サマは私のフとした表情の変化には敏感だ。

『さぁ!あの沖のブイまで競争しよう!アタシ、やって欲しいコトがあるの。うふふ♡』

――――なンだろう?

なンのコトかわからないが、余計なコトは考えずに、今はこの幸せな時間を楽しむコトに専念しよう。

・・・・・・・・・・・・

沖のブイまで泳ぎ着くと、眞知子サマは片手でブイに掴まりながら、空いた片手で私の水着を引っ張りだした。

――――え?

私は両手でブイとブイの間のロープに掴まっているので、抗うコトが出来ない。

そのうち、眞知子サマは器用に立ち泳ぎをしながら、とうとう私の水着を完全に脱がし、ブイの上に載せてしまった。

そして、眞知子サマは後ろ向きに両手を開いてロープ掴まり、私を迎え入れる格好になった。

『さ、ココでアタシをイかせてみなさい!ちゃんと出来たら水着を返して、あ・げ・る♡』

――――た、立ち泳ぎで、ですか?

・・・・・・・・・・・・・・・

『あ~楽しかった♡今日は新しい体験も出来たし、お料理も美味しかったし、今回の旅行は最高ね♡』

昼間、沖のブイで大活躍した私は、どうやら眞知子サマを満足させるコトに成功したようで、今夜のご機嫌はすこぶる良いようだった。
そして、このホテルの海鮮料理の味も上出来だった。

2人仲良くお酒を酌み交わしていると、私は心地良い疲労感と共に大きな幸福感に包まれていた。

『さあ、今度はお部屋でお昼のお返しをしてあげるワ♡ 』

――――え?えええーっ?

『どうしたの?夜はまだまだコレからヨ!うふふ♡』


つづく
『ねぇ、今からお葬式でG県まで行くの。リンが運転してくれない?』

この部屋に来てもうすぐ1年になろうとしていた。
私の見積もりは半年だったが、眞知子サマは未だ私を解放しようとはしなかった。
残してきた妻子のコトを考えると時々胸が痛むが、私が少しでものそのコトを考えるような表情をすると眞知子サマはすぐに目聡く見つけてしまう。

そして、そんなコトのあった夜は決まってキツいプレイになり、眞知子サマへの忠誠を誓わされていた。
そう、私はもう完全に眞知子サマの思うがままに調教されていた。

眞知子サマは、店に出勤しない日は必ずこの部屋を訪れて真夜中に帰り、金曜と土曜の夜には必ずこの部屋に泊まっていた。
眞知子サマの出勤日には私も毎回店に行くので、この1年間で眞知子サマに逢わない日は1日も無かった。

そして、そんなある冬の土曜日、眞知子サマは身内に不幸があったので、お通夜に行くため私に運転するよう頼んできた。
運転は嫌いではないのでかまわないが、普通なら身内の不幸には夫婦で参列するモノではないのか。
私が訝しげにそう考えていると、眞知子サマは私のココロが読めるのか、すぐにこう言った。

『おっさんはネ、アタシの身内とは一切付き合いをする気が無いの。アタシのコトはカネで買ったと思っていて、対等には考えていないと思う。だから、今回もアタシ一人で行くのヨ』

――――そンな夫婦ってアリなのか?

『自分のトモダチに紹介するトキもネ、わざと露出度の高い服を着させるのヨ。それでそのトモダチがエロい眼で私を眺めるのを見ては、いつもひとりニヤニヤしてるの。アタシは着せ替え人形じゃない!っていつも思うのヨ』

ドレス

――――いったいなンだろう?私なら眞知子サマの肌を見られるのは嫌だけどなぁ・・・

そう思っていると、やはり眞知子サマは私のココロが読めるのかすぐに答えてくれた。

『リンは違うでしょ?アタシに露出度の高い服を着てほしい?』
「い、いいえ!わ、私は眞知子サマの肌を他人に見られるのはイヤです!」

私がそう言うと、眞知子サマは私に抱きついて耳元で囁いた。

『でしょ!だからリン大好きなの!リンはアタシだけのモノだし、アタシもリンだけのモノよ!』

――――コレがあるから離れられないンやなぁ・・・

私は自然と顔が綻びてくるのがわかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして1時間後、二人は夜中の高速道路を飛ばしている。
天気予報では雪とのコトだったが、急なコトで当然ノーマルタイヤでチェーンの装備も無い。
途中のサービスエリアで購入しようと思ったが、置いているGSも無かった。

『リン、雪道って走ったコトあるの?』
「いいえ。スキーやスノボは高速バスで行ってたので、雪道は1度も走ったコトありません」
『でも、リンならなンでもできるから、きっと大丈夫でしょ?』

――――無茶いいますなぁ

私は内心そう思ったが、眞知子サマを安心させるタメに笑顔で頷いた。
今度はココロを読まれなかったようだ。

高速道路

それから30分後。
S県の中ほどに来た途端、目の前が真っ白になってしまい、完全に視界を失った。

眼を良く凝らしてみてみると、路面が雪のタメに真っ白になっていて、車線のラインはおろか道路の端がどこかもわからない。
私はほぼ徐行に近い速度に落として、注意深く車を走らせた。

『リン、大丈夫?ごめんネ、こんな日に運転させて・・・』

眞知子サマは泣きそうな目で私を見ていた。

「いやいや、なンのこれしき。私が大丈夫って言ったからには、ちゃんと無事に眞知子サマを送り届けますよ!」

私はなンの根拠もなく笑って言ったが、眞知子サマはどうやら安心したようだ。

それから数分後に後ろから4WDが追い越して行ったので、私はその4WDが付けた轍をトレースするようにクルマを走らせた。
こうなるとペースも速まり、小一時間も走ると大雪のエリアを抜け出すことに成功した。

「眞知子サマ、どんなモンです?大丈夫だったでしょ!」
『ありがとう!リン!やっぱり頼りになるわぁ♡』

私ひとりなら諦めて停車するトコロだったが、眞知子サマを送り届けるという義務感と使命感で、どうやら実力以上の運転ができたようだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

G県には午前8時ごろに到着した。
私は葬儀会場には行けないので、近くの町をうろついて昼過ぎまで時間をつぶした。
眞知子サマの身内には紹介さえされない、不倫の日蔭者という身分を改めて知られたような気がした。

コーヒー

――――どンなに頑張ったトコロで、所詮はこンなモンやわなぁ・・・

ファミレスで5杯めのコーヒーをすすりながらそンなコトを考えていると、ナゼか不意に涙が溢れてきた。
自分の子供にも会えない、自宅にも戻れない、しかし眞知子サマとは家族になるコトも出来ない。
今の自分はいったい何者なのか、この先自分はどこへ向かっていくのか・・・・

そンなコトを考えていると、ケータイの着信音が鳴った。

『リン!今終わったヨ。今どこにいるの?コレから迎えに行くから待っててネ』
「は、はい!今、○○のファミレスにいます」
『わかった。たぶん5分ぐらいで到着するワ。あ、リン。寂しくって泣いてたでしょう?大丈夫!今夜はたっぷりと可愛がってあげるカラね♡』

――――やっぱり眞知子サマは私のココロが読めるようだ。

私は涙を拭いながら席を立ち、伝票を持って出口へ向かった。
外へ出ると眞知子サマのクルマがこちらへ向かって走っている。
満面の笑みを浮かべて手を振っている眞知子サマを見ると、さっきの涙はどこかへ消えてしまったようで自然と私の頬も綻んできた。


つづく