――――似合うもナニも・・・
季節は真夏。
眞知子サマと私は、1泊2日でM県の海水浴場に来ている。
それは体型的な理由ではなく、借金返済も終わったのでアクセク稼ぐ必要がなくなったせいだ。
現に今、私の目の前でトロピカルビキニを披露している姿は、とてもこの世のモノとは思えない美しきだ。
「ま、眞知子サマぁ!とっても良く似合っていますヨ♡」
『そう、ありがと♡ 誰に褒められるよりも、リンにそう言ってもらえるのが一番嬉しいワ!』
こンなに美しい女性と一緒にいると、嬉しいコトとは裏腹に、自分への自信の無さが知らず識らず湧き出るコトがある。
――――眞知子サマはああ言ってくれるケド・・・
なンだかンだ言っても、眞知子サマの旦那は会社社長だ。
私なンかよりもずっと収入があり、その気になればお店をやめさせても充分贅沢な暮らしをさせるコトが出来る。
それに、お店で眞知子サマを狙ってる常連客にしても、一流企業の社員や大金持ちの社長が大勢いる。
ナニも好き好んでこンな男に執着する必要は無いハズだ。
――――オレはホントに逃げたいのか? それとも・・・
最近は時々こンな自問自答を繰り返すコトが増えてきている。
『なぁに、リン?顔なンか顰めちゃって!』
「い、いや。眞知子サマがあンまり眩しすぎたモンで。てへ♡」
『もぉ♡バカ♡』
最近はなるべくココロを読まれないようになってきたが、それでも眞知子サマは私のフとした表情の変化には敏感だ。
『さぁ!あの沖のブイまで競争しよう!アタシ、やって欲しいコトがあるの。うふふ♡』
――――なンだろう?
なンのコトかわからないが、余計なコトは考えずに、今はこの幸せな時間を楽しむコトに専念しよう。
・・・・・・・・・・・・
沖のブイまで泳ぎ着くと、眞知子サマは片手でブイに掴まりながら、空いた片手で私の水着を引っ張りだした。
――――え?
私は両手でブイとブイの間のロープに掴まっているので、抗うコトが出来ない。
そのうち、眞知子サマは器用に立ち泳ぎをしながら、とうとう私の水着を完全に脱がし、ブイの上に載せてしまった。
そして、眞知子サマは後ろ向きに両手を開いてロープ掴まり、私を迎え入れる格好になった。
『さ、ココでアタシをイかせてみなさい!ちゃんと出来たら水着を返して、あ・げ・る♡』
――――た、立ち泳ぎで、ですか?
・・・・・・・・・・・・・・・
『あ~楽しかった♡今日は新しい体験も出来たし、お料理も美味しかったし、今回の旅行は最高ね♡』
昼間、沖のブイで大活躍した私は、どうやら眞知子サマを満足させるコトに成功したようで、今夜のご機嫌はすこぶる良いようだった。
そして、このホテルの海鮮料理の味も上出来だった。
2人仲良くお酒を酌み交わしていると、私は心地良い疲労感と共に大きな幸福感に包まれていた。
『さあ、今度はお部屋でお昼のお返しをしてあげるワ♡ 』
――――え?えええーっ?
『どうしたの?夜はまだまだコレからヨ!うふふ♡』
つづく