『環境と建築』
建築家 隈研吾(くまけんご)さんの講演。
木造や石 その土地でとれる素材を主として 世界中に建築をつくっている。
隈さんはコンクリート建築の批判をする。
”コンクリートは隙間のできない材料なんだから簡単だ”
なんか突き抜けた人って ちゃんと ”これは嫌! これはダメ!”って批判できるんだなあ~
”これはこれでいいけど”っていうエクスキューズはない。
それって大人ね~っと思った。
昨日の中沢さんもそうだったもんね。
隈さんは more treesのプロジェクト地 高知県梼原町に「森の建築」を展開していらっしゃる。
バブルのはじけたあと 暇で暇で仕方ない時期に 空港から6時間のこの場所へ
木造の芝居小屋を観に行って
その建物のみならず
そこにある棚田や山並みの景観に 魅せられてしまった場所なのだそう。
「自然と建築の調和」は日本の美徳。
かつて ”日本には建築家がいない”、と言われたそうですが
日本では庭をつくる人が そこに調和する建物をつくってきたそうです。
西洋は その逆。
日本の建築は「(自然との)”関係”の建築である」とは
ドイツのモダニズム建築の一人者 ブルーノ・タウトの言葉だそう。
隈さんは 滔滔と話し続けます。
日本で建築に「木」を使わないことが どれほど もったいないことか。
都市に居ながら 森にできる貢献は 木を使うこと。
(建築に採用するにあたって)不燃技術も高度になってきているし、
可能性はどんどん広がっている。
※表参道のルイ・ヴィトンのビルディング は 隈さんのデザインで
外壁を木質のスリットでデザインされてました。
けやき並木の景観になじむようにと。
消防法は スタッドの全箇所にスプリンクラーを設置してクリアしたそうです。
「これから 石油依存ができなくなり、
金融システムのからくりに みんなが気が付いた時、
日本の自然がもっている素材の貴重さは もっと注目されていくでしょう。」
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この「みなと森と水会議」は ほんとに楽しめた。
へんな企業色は微塵もなく、
本質を見よう・伝えようとしているスタンスが伝わってきた。
あたりまえ・・なのかもしれないけれど
不思議でもあったのは、
京丹後、茅ヶ崎、ラオス、新潟、チベット、トウキョウ、イタリア、イスタンブール とか
世界各国で活躍して、普段は顔も合わせていない方々の口から出てくるキーワードに
共通しているものがあること。
幾つかあるけど
その中のひとつは ”人間の力を信用しなさい”、ってことかな。
今日 隈さんに質問したオーディエンスがいらした。
Question「これから 環境と共生していく上で 必要なことは何だと思いますか?」
Answer「頭で考えるんじゃなくて、身体で感じることだと思いますよ。
”CO2を減らさなきゃ” なんていうのは いつか間違いだってことになるかもしれない。
必要なものは ちゃんと身体が嗅ぎ分けていくから、それに正直になることじゃない?」
・・この数日に聞いた 脳が三回転半な数々の面白い話も
だんだんに忘れていくことにして 海に行こ。
深沢直人さん デザインの 中土佐町の森の間伐材でつくったベンチ
有栖川宮公園のツリーハウス
キャンドルでライトアップされたときの写真。