ショーケン(萩原健一)と優作(松田優作) 「こんな役者,ちょっといない…」と思わせる稀代のスター | Takuyaki's Blog

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   ショーケン(萩原健一)と優作(松田優作)…,                        「こんな役者,ちょっといない…」と思わせる稀代のスター       カッコよさの質がいまの人達とはまるで違う               両人にまつわる奇妙な偶然

「ショーケン」こと萩原健一さんと,ワイルドなキャラの持ち主役でスターダムにのし上がった松田優作さん。
 

お二人の役者としての仕事ぶりから感得することができる「常識外れな感じ」,「ある種の狂気」,「得体の知れなさ」,「面妖な空気感」等々は,性質は同じではないけれど,異様にクールなものであったということにおいて共通していました。

綺麗な面立ちの男子が全盛のいまの時代にはなかなか見当たらない,奥の深いカッコよさが表に出ていました。

萩原健一さんも松田優作さんも,「いぶし銀」とか「しぶいっ!」といった言葉で,称賛されるのに相応しい役者さんでしたね。

「男が惚れるおとこ」という言い方も,ピッタリ当てはまっていました。ほんと,現世には無いタイプの持ち味でもって勝負をしている両人でした。

ショーケンさんと優作さんの「はみ出し方」っていうのは,それを観ている側(とりわけ男子)の感性をびしばし刺激するものでありました。

そんな二人は,ライバル関係にあったからか,映画やドラマ等で共演する機会は殆どなかったようです(大昔にTVドラマで一緒になったことは,あることはあるみたい…)。

でも,あれだけの個性を売りものにしていた二人ですから,お互いが相手のことを,どこかで意識していた…ということは,大いにあったことでしょう。

萩原さんと松田さんの間には,奇妙な偶然の様なものがあります。

 

この二人が,俳優として全国区のポジションに就くことができたのは,その当時もの凄い人気を博していた刑事もののテレビドラマ『太陽にほえろ!』における刑事役として抜擢され,そこで多大の注目を浴びるようになったからであります。

ショーケン演じる早見刑事は,職場では「マカロニ」というニックネームで呼ばれてました。

マカロニ刑事が殉職をし,その後釜として起用されたのが,柴田刑事役を演じる松田さんでした。柴田刑事は,「ジーパン」と呼ばれていました。

ジーパン刑事も,「なんじゃこりゃあ~~~!」という名文句?を発して殉職してしまいます。

『太陽にほえろ!』では,柴田刑事亡き後も,次々に若手刑事が登場するようになるのですが,視聴者に与えるインパクトという点において,萩原さん演じるマカロニと松田さん演じるジーパンは,突出した存在でしたね。

 

『太陽にほえろ!』は,それを企画制作した日本テレビ(日テレ)の看板番組の一つになっていました。

長期にわたってゴールデンタイムにオンエアされた人気番組でしたが,そんな番組になり得たのは,萩原さんと松田さんが演じる刑事が,あまりにも魅力的で抜群の存在感を示していたからだと言っても過言ではありません。

二人の功績は,とんでもなく大きかった…。

萩原さんと松田さんは,自らが主演するドラマでアウトサイダー的な役を演じ,主役が放射する独特の軽妙さがバカウケしたことで,絶大な支持を得ることになった…ということでも共通しています。

 

萩原さんが主演したドラマは『傷だらけの天使』,松田さんの方は『探偵物語』でしたね。

そこで,またまた偶然っぽいものが…。

 

『傷だらけの天使』にも『探偵物語』にも,水谷 豊さんが出演していて,水谷さんは,萩原さんとも松田さんとも,かなり深い親交があったみたいです。

『傷だらけの…』における水谷さんは,萩原さんの子分(レギュラー出演),『探偵…』における水谷さんは,松田さん演じる探偵のお世話になる地方出身者(単発出演)…,という役どころでした。

 

「萩原さんが演ずる役と水谷さんの役」,「松田さん演ずる探偵役と水谷さんの役」は,何れも「兄貴と子分」的な関係性でした。

萩原さんと松田さんは,別々の番組において,水谷 豊という共通の子分をもった感じになってます。

アタクシ的には,ちょっとした偶然の様に感じてしまいまする。

そしてそして…,

萩原さんと松田さんの因縁(?)は,さらに続きます。

 

優作さんの遺作となってしまった,R・スコット監督による映画『Black Rain(ブラック・レイン)』…。

この映画には,超極悪人(ヤ~さん)が登場するのですが,その役は,オーディションで決定されました。

そのオーディションには,松田優作さんや萩原健一さん,その他数多くの名立たる日本人俳優が参加したそうな。そして,最後に残ったのが,松田さんと萩原さんのお二人だったようです。

 

最終的には,松田さんが悪役の座をゲットでけたのですが,萩原さんも,あと一歩のところまで行っていたのです。

映画『Black Rain(ブラック・レイン)』は,結構話題になった作品ではありますが,話題のなり方が,ちょっと異様でした。

映画の筋そのものであるとか,主役(マイケル・ダグラスさん・高倉 健さん)にスポットが当たってレビューされるというよりも,悪役・嫌われ者役として登場する松田優作さんの存在感や,彼が放射する悪のオ~ラ的なものが,世間を賑わすことになり,『Black Rain=(優作さんが演じた極悪人の)サトウ役』…ってな印象を観衆に与えるほどまでになったのです。

アメリカの映画業界でも,「Japanにはユーサク・マツダという凄い俳優がいる」…と,優作さんの怪演ぶりに対する評価がひろまっていきました。その結果,ハリウッドあたりでは,当時企画されていた映画(ショーン・コネリーさんがメガホンを握って,ロバート・デ・ニーロさんが主演する作品)における主要な役どころに,松田優作さんが就く…という話までもち上がっていたそうな…。

嗚呼,残念っ!

映画『Black Rain』について,結果として言えるのは,松田さんの起用は,成功でもあり失敗でもあったということです。

優作さんが放つ異彩が凄すぎて,主役や映画全体が霞んでしまった…というのが,失敗の内容になります。

 

もし,『Black Rain』での悪役として,萩原健一さんが抜擢されていたならば,どうなっていたでしょう。

アタクシとしては,萩原さんだったら萩原さんなりの「凄み」でもって,東洋の妖気を充分に醸し出したのではあるまいか…,と思っています。

何せ,このお二人は,「別格」ですから…。