1年合格ワイドクラス(新しい講座内容の概要) | “日日是好日” 弁理士 佐藤卓也の合格ブログ

“日日是好日” 弁理士 佐藤卓也の合格ブログ

講師、実務家、元日本弁理士会委員会委員長・副委員長としての経験を基に試験合格のための情報をお話していきます。

 

今年も春生(ワイドクラス)の講義が終了しました。来年の講座のガイダンスが始まりました。今年の講座を振り返って、来年の講座の中で幾つか変えていこうということをお話ししていきたいと思います。

 

ワイドクラスの一番の骨子は、インプットはこの講座だけでいらない。あとは答練だけで充分ということを目指しています。1年合格講座ですから、知識のインプットがこれで足りず、その後のオプションを多数は不要と考えています。そのため、話す内容は1~2年間の内容を話しています。

 

入門講座に相当するところは、エッセンシャルという講座の中で十分であると考えています。今回はこの講座の中のテキストを変え、回数も数回少なくしています。講義内容は夏に収録済みの新しい内容になっています。通常の入門講座の半分程度の回数で大枠を回しています。

科目数が多い試験では、全体像をざっとさらう。そして何回も回す。これが必要です。

 

その後に行うのが入門ワイドというものになりますが、短答試験問題を入門講座の単元の範囲で理由から説明していきます。弁理士受験生は多くは法律の勉強をしたことがない方が多いことから、ともかく要件の暗記、問題矢解答の暗記に走りがちです。ただ、それでは1000問解いて500問くらい解答できればいいのではないでしょうか?これでは時間がかかります。法律には必ず趣旨等の理屈があります。ここを徹底的に短答問題を通じて回すということがこの入門ワイドのテーマです。

 

それと並行に走るのが論文ワイド講座です。論文講座は従来からメインとなりテキストがありません。

敢えてあるとしたら、一行問題について記載したレジュメ類です。これは今から20年近くの旧試験等には対応したものでしたが、現在のような複雑な事例問題、判例の解釈問題、論点問題等を問う試験では,

これを延々と行う必要性はないと思います。

 

一行問題で必要なのは、趣旨と定義部分です。また、20年程論文問題を検討してみると、判決や論点でも決まった部分を多面的に問うています。例えば、間接侵害の消尽という問題。これを通常の消尽のように記載していいのか。完成品の場合と同じように、消尽は取引の安全をキーワードとして記載するだけでは不十分だと考えます。そもそも消尽という見解は、取引の安全の他、権利者がエンドユーザーまで転々と流通することを踏まえた値段の設定しているので、転得者に対し対価を請求することで二重利得になるという趣旨もあります。そう考えた場合、部品の対価を予見し得たのかということも考えた論証をすべきと考えます。また、問題文から完成品から部品の対価を予見できるような事案が盛り込まれているか等の記載も十分に考えるべきです。

また、本年出題の意匠と先使用権の問題。これも意匠ゆえの特性と、特許の判例(この特許法の先使用権の判例もかなり特殊な事案の場合の事案です)。この射程の問題を問うています。この点をやはり答案では記載して欲しいものではと思います。そこで、出題されてきた問題点の論点、判例の概要と論点を論文講座のインプット講座の中で行おうと思っています。

 

更に、短答ワイド中では、アドバンスという定番テキストを書き直したもので、全ての単元を回していくものは配布していく予定です。今年のワイド生には11月くらいから実験的に配布し始めたのですが、相当早く回せるということですので、これを全科目で配布していこうと考えています。これでインプットは完成するはずです。

 

 

あとはアウトプット。この点は次回のブログでアウトの受講についてお話を致したいと思います。

 

弁理士 佐藤卓也