短答式試験は、条文の正確な理解が試されます。そのアプローチとして様々な手法があるかと思います。例えば条文の精読。これは最終的な手法としては成果があるのですが、直前期に飛躍的に点数を上昇する手法ではないかもしれません。短答試験は条文から派生して作問できる範囲にも限界があります。また、その規定だけ眺めてもどのように問われるか想定出来なければ、本試験の際とても時間が足りなくなってしまいます。
本試験では、正確な知識は勿論なのですが、その解答を導き出すための時間という要素も重要です。
できれば、本試験の30分前には全枝の正誤を切り、見直し段階になっている必要があります。そのため、過去問は60問なら、2時間程度で完全解答できるようにしておくことが必要です。
従って過去問の基本問題を徹底的に理解し、完全に穴をなくす勉強をしなければなりません。
では具体的に過去問をどのように使いこなすことが必要なのでしょうか?
私は、全てを短いフレーズにして理解し、その基本フレーズとどこが異なるのかを正誤判断をするようにしていました。
その後、その基本問題から派生する事項を様々な観点で考える訓練をしていく必要があります。
先ず、短答であれ問題には出題の意図があります。何故?出題者はこの問題を問うたのか。
これを考え、解答に導くための趣旨解釈(〇又は×になるには法の趣旨からは当然である)
から解答し、それを最後の段階で十分の文言に照らし合わせる(文言解釈)をしていきます。
通常、短答は文言のみから〇×を解答しというだけで足りません。
題意 → 趣旨 → 文言 この順で訓練をしていきます。
この順番を決して誤ることなく徹底します。そうすることによって未知の問題に対してもひるむことなく解答する力が養えるのです。またこの考え方こそ、最近の論文試験での未知の問題を解く際の鍵になります。確かに、今の試験は要件を単純に列挙すれば足りる問題が長年続いてきました。
そのため、論文も論文ではないようなキーワードのみを記載する者が増えたのは確かです。
ただ、他資格や他国の弁理士試験と比べた場合、その様は出題が国司間での競争に役立つか?否ではないでしょうか。その点は大学の受験でも知識偏重の一般入試よりも、人間の総合力を見るAO式の入試にシフトを切ってきたことからもうかがい知ることができるものと思います。
最後に、受験直近では、体系別ではなく年度別で問題を解く訓練が必要になります。体系別は頭にその単元の知識があるので解答できる場合が多くあり、年度別で解答すると2~3点くらい低い点数となるのが通常だからです。
あとは本番。決して焦らず、見たこのある問題でも初見の問題として解答をして下さい。
皆様のご検討をお祈りしております。
あとは本番。決して焦らず、見たこのある問題でも初見の問題として解答をして下さい。
皆様のご検討をお祈りしております。(論文試験は~は次回記載致します)。
弁理士 佐藤卓也