2010世界麻雀選手権レポート(8/27) | takuteiオフィシャルブログ「takuteiのほぼ麻雀」Powered by Ameba

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麻雀ロンのことや各種麻雀放送のことなど。

2010年8月27日(金)

 大会は全9回戦。初日一荘戦4回、2日目3回、最終日2回を戦う。個人戦は上位10位まで、また4人以上の参加選手がいる国の上位3名の成績を比べて争う団体戦は上位3名までが表彰対象となる。すなわち、参加人数の多い国が有利。オランダに次ぐ参加人数の日本は優勝候補の筆頭。ヨーロッパ選手による大会前のアンケートでも、「国別対抗戦の優勝は日本」とする人が25%でトップだった。
 が、「予想」通りとはいかなかった。初戦は、国際試合初参加の方が独特の雰囲気に飲まれてしまったかも知れない。たとえば、このような事が良く起こった。

・点数や役を日本語で申告する→外国人に日本語は通じない。用語・言葉が分からない場合は、役の表を指差すかジェスチャーで伝える。日本語を話すと逆に相手の混乱を招く。

・トラブルの際、審判に向かって他の国の方と二人同時に話す→自分の意見を主張したい気持ちは分かるが、審判は一人一人の話を聞かないと状況が把握しづらい。別言語が混ざる場合は特にその傾向が強くなる。他の人が話している時は黙っているほうが裁定も早く、次局への移行もスムーズ。

・指摘すべきこと、してはいけないことの認識不足→花牌の抜き間違いは指摘してはいけない(★)が、ツモる場所の間違いは「その場」で指摘しなくてはならない(指摘されなければ、ツモ場所を間違えた人はノーペナルティ)。この違いを認識していないケースが多く、見過ごしてしまったり数巡してからの指摘がなされることがあった

★…国際公式ルール独特のルール。「相手の間違いを教えてはいけない」というもの。たとえば、フーロメンツを一萬横一萬三萬のように間違えて晒した場合、それを指摘してはならない。気づかずにアガってくれれば、その人はチョンボ(マイナス20点オール)になり、自分のプラスになる。が、フーロ間違いに気づいてしまえば、その人のチョンボの可能性はなくなるので自分のプラスになる可能性が減るから。Passing information と言われる。

 とはいえ、「卓内のトラブルは極力卓内で解決する」という事項については概ね達成できているようで安心ではあった。

 ところで、こういった大会では途中のアナウンスも英語で行われる。今大会のように日本人選手が分かれて座る(同一会場とはいえ)場合、翻訳して伝えるのも限界があり、やはり各団体ごとに英語を理解できる選手が1名は欲しいところである。
 が、仮に英語ができる選手がいたとしても、試合以外の場所でも頼り切ってしまうのは考え物。「英語が話せなくても伝達する力」を磨くためにも、最小限の言葉を覚える(メモする)や、身振りで伝えるということをやるべきである。それが、麻雀の試合でも相手に物事を伝える力になるであろう。

 今大会では、全雀連の選手が青いハッピを、また千葉チームは赤青のチームポロシャツを作成し参加された。
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 ハッピは麻雀を打つ際に袖が牌山にふれるという欠点はあったが、工夫次第で十分対応可能で、この衣装は特に評価が高く、対局後には「交換して欲しい」という声が殺到し、あっという間に予約で一杯になった。国際麻雀交流においてTシャツや同卓者との写真撮影は相手との距離を縮める役割を果たす。今後とも継続して欲しいものだ。このような対局前の写真撮影も雰囲気を柔らげるのに効果的。
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 話を戻そう。ゲームは順調に進行し、最終的に途中失格者やゲームの大幅中断もなかった。だが、日本選手は概ね振るわず、初日4戦終了時でベスト10入りしているのは荒木選手(全雀連)のみ。50位以内も8名という平凡な成績だった。なお、団体戦は中国に次ぐ2位。

 なお、対局終了後は各々のグループで食事。外食される場合はホテルに備え付けてあるパンフレットを持参されることをお勧めする(店の営業時間や住所・電話番号があるためタクシーでの移動も容易)。また、こういう場合は、外国選手の食事会に便乗するのも有効。英語で(あるいは他の言葉でも)直接会話できるのがベストだが、できなければ筆談でも構わない。お互いのコミュニケーションが取れればそれぞれの国の事情や麻雀の様子が伝えられる。顔見知りができれば、次会場であった時に簡単な挨拶もできるし、次回会ったときにお土産などの交換も可能。お互いの知り合いを作ることが、海外の麻雀における一番の楽しみと言っても過言ではない。