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シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★+

鑑賞No:01194
製作:2002年/イギリス/90分
監督:マーク・ロック
出演:ケヴィン・マクナリー/ペリー・フィッツパトリック


かつてはボクサーで、今はしがないパブを経営しているビル。ある日、友人のアミッドから、カリブ海に生息する巨大えびを使って人間対えびのボクシングで一儲けしようと持ちかけられる。冴えない日々からの脱却を考えていたビルは、巨大えびを購入してボクシングを教え始めるが・・・・。


正月とかにバラエティ番組で着ぐるみを着た三流タレントが格闘する程度の内容の映画。映画としてはひどすぎるので、そこは覚悟して観る必要あり。ラストは多少ジーンとくるような脚本にはなっているようだが、如何せん、見た目の悪さからあまり同情も感動もしなかった。えびには罪がないので、その点には同情するものの、彼(えび)を取り巻く人間模様が一番の主題かもしれないが、それにしても低俗な映画。

★★★★

鑑賞No:01836
製作:2009年/フランス/93分
監督:ピエール・モレル
出演:リーアム・ニーソン/ファムケ・ヤンセン


激務に追われ過程を顧みなかったことが原因で離婚したブライアンは、前妻と暮らす娘・キムとの絆を取り戻したいと願っていた。そんなある日、友人とパリ旅行に旅立ったキムと電話で話し中、滞在先に突然乱入してきた男たちにキムは拉致されてしまう。電話から聞こえてきた男たちのわずかな情報からブライアンは娘を救出するためにパリに向う・・・・。


あの「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソンが過激なアクションに挑戦した作品とのことで、それを期待して観た。確かにアクションシーンでは頑張っているという印象を強く受けた。このとき57歳。最近のアラカン(アラウンド還暦)は凄いですね。ストーリーは至って単純で分かりやすい。それもそのはず、誘拐された最愛の娘を父親が探し出すというもの。話は単純だが、これが現実に起きたら(自分の身に降りかかったら)、まず探し出すことは不可能だろう。そんな事件内容だが、それを可能にしたのが元CIA工作員という設定。しかし、それにしてもロスなく確実に犯人に迫っていくところはやはり映画。1時間半という長さの中に無駄なく、しっかりまとめられており、スピード感もあって最後まで飽きさせなかった。それにしてもリーアム・ニーソン、過激なアクションが売りといいながら、容赦ない殺し方は凄すぎ!?

★★★★

鑑賞No:00052
製作:1968年/アメリカ/103分
監督:ノーマン・ジュイソン
出演:スティーヴ・マックイーン/フェイ・ダナウェイ


大富豪のトーマス・クラウンは、実業家として多忙な毎日を送る一方、泥棒にかけては異常な才能と情熱を持っていた。ある日、かねてから計画していた銀行強盗を、五人の部下に指示して実行させ、大成功を収める。事件を担当するボストン警察のマローン警部補は捜査に乗り出し、保険調査員のビッキーも調査を始める。そしてビッキーは、クラウンを黒幕と見抜き、彼に接近することに・・・・。


ピアーズ・プロスナン主演の「トーマス・クラウン・アフェアー」のオリジナル版。「大脱走」のマックィーンとはまた違った、おしゃれでスマートな大富豪の泥棒をマックィーンが演じている。ともかく全体のストーリーも洒落ていて、かつ完全犯罪を完遂するスカッ!とさせるラスト、そして大人のラブ・ストーリーも絡めた、本当に楽しめるエンターテイメント映画です。40年前の作品ですが、古さを感じさせないのもグー。

★★★

鑑賞No:02489
製作:2013年/日本/102分
監督:青山真治
出演:菅田将暉/木下美咲/光石研/田中裕子


昭和63年、山口県下関市で父親とその愛人と3人で暮らす高校生の遠馬は、性行為の際に相手の女性を殴るという粗暴な性癖をもつ父親を忌み嫌っていた。しかし、17歳の誕生日を迎えた日、幼なじみの千草と初めて交わった遠馬は、自分にも粗野な父親と同じ血が流れていることを自覚させられ・・・・。


第146回芥川賞受賞を受賞した田中慎弥の同名小説の映画化。やたらヌードシーンの多い映画だが、父親の異常な性癖はあまり画面からは伝わってこない。もっとどろどろした、におい立つような描写の映画のような気がしていたが、意外とソフトで観易く仕上げているのがかえってインパクトのない印象薄い作品となっているようだ。特に異常性癖の父親役の光石研が思ったほど毒がなくちょっとガッカリ。逆に田中裕子演じる仁子は一見物静かながら芯の強さを見せる女性で、その秘めたる思いはラスト衝撃の結末を迎える。それぞれ違ったタイプの女性が3人登場し、3人とも遠馬とも父親とも関係を持つということがタイトルの由来かと思わせるストーリー。

★★★

鑑賞No:02488
製作:2012年/韓国/110分
監督:パク・ウジン
出演:リュ・スンボム/イ・ヨウォン/チョ・ジヌン


ひとり静かに平凡な生活を送っていた高校の数学教師ソッコは、ある日、隣室の女性ファソンが、暴力を振るう前夫のチョルミンを偶発的に殺してしまったことを知る。ソッコはファソンを助けるため完璧なアリバイを作り出し、ファソンを容疑者として捜査していた警察は行き詰ってしまう。しかし、担当刑事のミンボムは高校の同級生のソッコがファソンの隣人だと知ると、ソッコが何か手助けしているのではと疑い始め・・・。


福山雅治主演で映画化された東野圭吾の人気小説「容疑者Xの献身」を、韓国で映画化した本作。日本版をすでに何回か観ているので、本作を観てもすんなりストーリーは頭に入ってくるが、本作が初見だと分かりにくいところもあったように思う。日本版は完成度が高く、最後は思わず涙してしまうが、本作はそこまでの域には達していない。細かい部分の詰めや説明が甘く、そもそもキャストが悪い。日本版は天才VS天才という設定ゆえに頭脳戦に興奮するが、なぜ韓国版は犯人が天才で、刑事は天才どころか上司によく叱責される優秀とは言い難い設定なのか?そんな設定には興奮しないし、まして天才が凡人に敗れるとはおかしい。さらに天才といわれる教師もショボイ俳優だし・・・・。まぁ韓国版だからしょうがないか。日本版を観ていたらあえて観る必要はない作品。

★★★+

鑑賞No:01830
製作:1959年/日本/76分
監督:中川信夫
出演:天知茂/若杉嘉津子/江見俊太郎/池内淳子


備前岡山。浪人民谷伊右衛門は、お岩との仲をひきさかれたのを恨みに思い、その父四谷左門と、彼の友人佐藤彦兵衛を殺してしまう。これを目撃した仲間直助は、弱味につけこんで伊右衛門を脅迫するようになった。そして左門・彦兵衛殺しを他人の仕業に偽装し、あだ討ちと称してお岩と妹のお袖、お袖の許婚・与茂七らと江戸に向かうが・・・・。


有名な鶴屋南北の「東海道四谷怪談」の映画化。お岩さんの怪談話は昔から知っているが、きちんと映像化されたものを観たのはこれが初めて。「お岩さん=顔が醜くはれ上がった=怖い」というイメージの強い四谷怪談だが、映画を観ていると哀れで可哀想な女性であり、逆に天知茂演じる伊右衛門の残酷さに憤りを感じる。しかしその伊右衛門も真からの悪人ではなく、根は弱気で小心者ゆえの行為だけにどこかやるせない気持ちが残る内容である。50年以上前の映画だが、CGや特殊効果でのみ怖がらせる映画とは異なり、人間の内面の恐ろしさから恐怖を感じさせる、本当の意味での怪談映画。

★★

鑑賞No:02487
製作:2013年/日本/102分
監督:中尾浩之
出演:要潤/夏帆/杏/時任三郎


本能寺の変直後の京都にタイムワープした沢嶋。幻の茶器を持つ豪商を護衛する侍、権之助を取材中、謎の山伏に襲われ、茶器が行方不明に。これによって歴史が変わってしまうことを恐れた沢嶋は、茶器を回収すべく、さまざまな時代に飛び、やがて焼失直前の安土城にたどり着いて・・・・。


TV版は観たことないので何とも言えないところはあるが、TV版の域を出ていないのでは?と感じる作品。というのも、歴史上の有名人にスポットを当てるのではなく、庶民や無名の人といった、これまでスポットが当たることのなかった名もなき人に着目しており、それ自体は面白い設定だとは思うが、それ故、地味でいかにもNHKのドキュメンタリー風なドラマだったからだ。その割には興味深い「安土城焼失の謎」に迫るような物語の展開だが、結局はその謎もあやふやで、エンドロールでそれらしき謎解きをしているが、何とも安っぽい結論で説得力はなかった。映画版としてはちょっと残念な作品。

★★

鑑賞No:02486
製作:2013年/日本/113分
監督:佐藤東弥
出演:松坂桃李/綾野剛/剛力彩芽/濱田龍臣


謎の侵略者により、わずか17日間で地球の半分が壊滅した21世紀初頭。人類は絶滅を回避するため、「石」と呼ばれる不思議な結晶体に望みを託す。「石」の力を引き出せる「適合者」として集められた若者たちは、特殊な訓練を強制され、やがて「石」を操る忍者「ガッチャマン」として侵略者との過酷な戦いに身を投じていくが・・・・。


SFヒーローアクションアニメ「科学忍者隊ガッチャマン」の実写化。子供のころ、アニメ版はリアルタイムに観ていた作品だけにそのイメージははっきり固定化している。それゆえ、そのイメージを極力崩さずに実写として再現してくれるかを期待していたが、その期待は残念ながら裏切られた。アニメと実写版とは約40年の隔たりがあるため、そのギャップを埋めるための相違はやむを得ないとは思うが、私がイメージしているガッチャマンとは全く別物の作品のような気がした。ストーリーもアニメを彷彿する内容ではなく、キャラクターを演じる俳優陣もちょっとイメージと合わない気がした作品。

★★★

鑑賞No:01010
製作:1998年/アメリカ/95分
監督:ドナルド・ペトリ
出演:クリストファー・ロイド/ジェフ・ダニエルズ


TV局の記者ティムは局長に頼み込んでロケット発射現場の取材に行くが、局長の娘ブレイスとうまくいかず仕事をクビに。その帰り道、何かの墜落現場に行き合わせるが宇宙船の模型を発見しただけだった。しかし、実は火星人が彼の車に乗っていたのだった・・・・。


1960年代に人気を博したTVシリーズ「ブラボー火星人」のリメイク映画。あまりヒットしなかった映画のようだけれど、なかなか笑いのツボを押さえていて、十分楽しませてくれるコメディ映画。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク役で有名なクリストファー・ロイドが奇妙な火星人を怪演が光る映画であり、ストーリーははちゃめちゃで、ドタバタコメディの部類に入るが、バカバカしいながらもどこか微笑ましく味わいのある映画に仕上がっている。

★★★★

鑑賞No:00344
製作:1980年/日本/118分
監督:村川透
出演:松田優作/小林麻美/室田日出男/鹿賀丈史


ある夜、警視庁の警部補・岡田が殺され、拳銃を奪われるという事件が起こる。さらに、賭博場が襲われ、暴力団3人が射殺され、現金三千万円が奪われる。岡田の部下だった柏木は、執念深く事件を追い、通信社の戦場カメラマンだった男・伊達邦彦を容疑者として追うことに・・・・。


「蘇える金狼」と並ぶ、松田優作のハードボイルド映画の傑作。主人公は戦場カメラマンとして幾多の地獄絵図を見てきた経験が、まさに野獣の如く狂気を帯びた男を作り上げているが、そんな男を松田優作が見事に演じていた。周りを固める役者、特に鹿賀丈史のキレた演技も秀逸で松田優作に劣らない狂気を醸し出しているし、刑事役の室田日出男も松田優作との対峙シーンで印象強い演技をしています。狂気に満ちた内容だけに部分部分で分かりにくいところはありますが、好奇心と緊張感の持続する映画です。それにしてもハードボイルドとはいえ、あまりにも無抵抗の人を殺しすぎ!?また前半の緻密な銀行強盗計画に比べ、実践は意外と乱雑だったのが残念。