シネマ大好き! -24ページ目

シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02420
製作:2010年/日本/119分
監督:瀧本智行
出演:坂井真紀/西島隆弘/加賀まりこ/藤竜也


三十路なかばを過ぎた独身女性ルイは、30年以上ともに暮らしていた叔母のトバちゃんが嫁いだことで、ひとり寂しく暮らすことになる。そんなある日、風変わりな初老男性のトニーさんと、いつも笑顔の青年・康介が家に転がりこんできて、ひょんなことから同居することになるが・・・・。


人気エッセイスト・阿川佐和子の小説の映画化。悪い人は誰一人出てこない、いわゆるまったり系の映画。一人暮らしとなった独身女性ルイの家に、見ず知らずの男性2人が転がり込む設定は少々不自然でリアリティには欠けるが、トニーさんがルイのもとにやって来た理由は後半明らかにされ、必然性があることが分かる。大きな事件は起こらない、奇妙な共同生活における、ごく日常を描いた作品だが、何故かはまってしまう。ラストはちょっと中途半端な終わり方だが、最後まで穏やかな気持ちで観れる映画。

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01318
製作:2006年/日本/135分
監督:樋口真嗣
出演:草なぎ剛/柴咲コウ/豊川悦史/及川光博


相次いで起こる自然災害の原因を探るために潜水艇『わだつみ6500』の操縦士である小野寺俊夫は、地球科学博士・田所の指揮のもと、同僚の結城と深海調査に向かう。そこで判明したのは、バクテリアの発生によって海底プレートが急速に沈降しているという衝撃的な事実だった・・・・。


1973年に製作された「日本沈没」のリメイク版。原作は小松左京の同名小説。1973年版は子供の頃、映画館に友達と観に行って興奮した。地表の下にマントル海流があり、その流れがぶつかり合って地核の奥深く引きづり込むような場所の上に日本があることをそのとき知った。本当らしいので、子供心に「これは映画だけでなく、本当に起こるのかも?」と思って観たものだった。映画自体も沈没が強調され、人々は逃げるのに精一杯だった。2006年版はただ沈没するのを手をこまねいてみているのではなく、沈没を阻止しようとする試みが目新しかった。ただし、その阻止方法はブルース・ウィリス主演の「アルマゲドン」を見ているようだった。また草なぎ剛演じる小野寺と柴咲コウ演じる玲子、豊川悦史演じる田所博士と大地真央演じる鷹森のラブ・ストーリーを絡ませている点も、作品の幅を広げていた。映像はさすがにVFX技術の発達で、73年とは比べようもないほど迫力があった。日本の何処が沈むのか?がひとつの興味だったが、主だったポイントは押さえているようだった。

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01887
製作:2009年/日本/131分
監督:中野裕之
出演:小栗旬/柴本幸/田中圭/萩原健一


室町時代末期。名門・畠山家の長男・信綱と次男・直光は仲のよい兄弟だったが、将軍より阿古姫と結婚し大納言家の財産を継いだ者を管領にすると告げられ、家督を争うことに。そして阿古姫を力づくで自分のものにしようとする信綱から逃げるため、直光は阿古姫を連れて家を出るが、途中で盗賊・多襄丸に襲われ・・・・。


黒澤明監督の「羅生門」の原作となった芥川龍之介の「藪の中」がモチーフとなっていると勘違いして観てしまったが、実際は「藪の中」に出てくる盗賊の多襄丸を主人公にしたオリジナル・ストーリーだった。よって「羅生門」とは内容が全然異なる。最初は兄弟の家督争いかと思ったが、それも違っていて、家臣の桜丸の陰謀によって兄は殺され、弟は家を追われて名門・畠山家を乗っ取られるが、その復讐ん戻ってくるといったストーリー。ただ、冒頭の、もとは芋泥棒の子供だった桜丸を管領家の子息が兄弟同様に引き立てるシーンからして無理があり不自然。その後の阿古姫の態度・行動や盗賊・多襄丸とのやり取りなどもどれをとっても無理や不自然さが目立ち、内容的にはチョット酷い。将軍を演じた萩原健一の怪演のみ光る作品。

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01885
製作:2009年/香港/119分
監督:イー・トンシン
出演:ジャッキー・チェン/竹中直人/ダニエル・ウー


日本で消息を絶った恋人の秀秀(シュシュ)を追って密入国者たちとともに日本に来た鉄頭(ティエトウ)は、新宿・歌舞伎町にいる弟分の阿傑(アージェ)のもとにたどり着く。そこで彼は違法な日払い労働などをして生計を立てるが、ある日、日本のやくざ「三和会」の幹部・江口の傍らにいる秀秀と出会い・・・・。


いまだ私はジャッキー・チェンといえば「酔拳」などでのコミカルなアクションスターとしてのイメージが強く残るのだが、この映画はそんなジャッキーのイメージを根底から変えてしまった。正義の味方でないジャッキーも初物だったし、得意のアクションもほとんど控えめ。そして何よりもストーリーがしっかりしており、人間ドラマになっていた。アクションが少ない分、目を背けたくなるような残忍なシーンが多かったのには辟易したが、まずまず楽しめる内容だった。ただ悪人を演じるならとことん悪人を演じて欲しかった。中途半端に善人だったり悪人だったりしたのはチョット残念。

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01878
製作:2002年/日本/113分
監督:北野武
出演:菅野美穂/西島秀俊/三橋達也/深田恭子


文楽人形が物語る、3つの純愛を描いたドラマ。松本は恋人・佐和子を裏切り別の女性と結婚しようとするが、佐和子は自殺未遂を図り、病院へ。病院から佐和子を連れ出した松本は、ふたりであてどもない流離の旅に出るが・・・・。


派手さの微塵もない映画だが、3つの愛の物語にはそれぞれ重苦しい切なさが漂っている。恋人に裏切られて精神に異常をきたした女、若き日に別れた恋人を今でも待ち続ける年配の女、そして熱烈なファンだったアイドルの事故を慮り自ら視力を失った男。どれも切なさ過ぎる設定である。そして希望のないラスト・・・・。3つのエピソードは特に交わることもなく進行していくが、何を描きたかったのかイマイチ分からない映画。描ききれず、「死」でもってすべての説明を終わらせる手法には疑問を感じる。

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01875
製作:2004年/日本/100分
監督:大谷健太郎
出演:椎名桔平/中谷美紀/妻夫木聡/田辺誠一


大阪駅から、札幌行きの豪華寝台特急トワイライトエクスプレスに乗り込んだ5人の男女。彼らは、落ちぶれた天才詐欺師・志方をはじめ、クールな美女・宝田、アル中の佐々木などで、偽者の羽毛布団を売ってひと儲けをたくらんでいた。途中で乗り込んできたボインの美女・今井を加え、彼らは札幌でひと儲けに成功するが、大金の詰まったスーツケースが列車から消えてしまって・・・・。


映画の舞台の大半が列車の中という、いわゆる密室劇で、登場人物はほとんど6人だけ、そして彼らは詐欺師ということになれば、「キサラギ」のような次々にくるどんでん返しというのをいやがうえにも期待してしまう。その期待が大きかったゆえ、期待を上回るどんでん返しはなく、ちょっと期待はずれの内容だった。最後くらいはあるかと思った「まさかの展開」も、来るか来るかと思わせておいて来ないという残念さ。クールなイメージの椎名桔平のとぼけた演技、誠実で優しいイメージの妻夫木聡のチョイ悪イメージの演技は新鮮でよかった。

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01872
製作:2007年/日本/115分
監督:門井肇
出演:小林薫/西島秀俊/大塚寧々/大杉漣


刑務官の平井は平々凡々とした人生を送る40歳過ぎの独身男。ある日、姉の紹介でシングルマザーの美香と見合いし、その場の雰囲気で二人の結婚は決まったような状況になる。この結婚を人生の節目にしたい平井は、美香を新婚旅行に連れて行きたいと考え、死刑囚の支え役をやれば1週間の休暇がもらえることから、この支え役を志願するのだったが・・・・。


死刑制度の是非を論じる際に視点が死刑囚にいってしまいますが、この映画を観ると、その死刑に立ち会う刑務官という職業があり、こういう人たちの複雑な気持ちや辛い現実を目の当たりに見せてもらった感じがしました。ただ、刑務官側だけから描いているのではなく、死刑囚を演じていた西島秀俊も、死刑への言い知れぬ恐怖を静かな演技の中で見事に表現していたと思います。

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02419
製作:2013年/アメリカ/131分
監督:シェーン・ブラック
出演:ロバート・ダウニー・Jr./グウィネス・パルトロウ


人類滅亡の危機を救ったアベンジャーズの戦いから1年、トニー・スタークはアイアンマンスーツのさらなる開発に没頭していたが、合衆国政府は国家の命運をヒーローという個人の力にゆだねることを危惧していた。そんな時、謎のテロリスト、マンダリンが動き出し、その壮絶な攻撃の前にトニーは全てを失ってしまう・・・・。


前2作と監督が変わったせいもあるのか、トニー・スタークがヒーローとはやや遠い、等身大の一人の男として描かれているシーンが多い。アベンジャーズの戦いのせいもあるが、不眠症やパニック障害にくるしむなど、ヒーローらしからぬ設定である。アイアンマンスーツの装着も思い通りにいかないことが多く、キリアンの前に大いに苦戦する。それでも、飛行機から落下した11人の乗客乗務員を救出するシーンなどは息をもつかせぬスリリングなシーンで活躍する。敵役のキリアンは不死身に近く、最強の敵であったが、拍子抜けしたのはベン・キングズレー演じる首魁のマンダリン。存在感あるベン・キングズレーだけに大物敵役を怪演してくれると期待していたのだが・・・・。

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02417
製作:2013年/日本/100分
監督:李闘士男
出演:優香/浜野謙太/草刈正雄/宮崎吐夢


健康機器メーカー、タニタの気弱な2代目副社長・幸之助は、病に倒れたワンマン社長・卯之助の代わりに新商品の体脂肪計の発表会のプランを任されてしまう。そこで彼は、太り気味の社員たちがダイエットに挑むキャンペーンを提案。高校時代の同級生である栄養士・菜々子を社員食堂のスタッフに雇ってプロジェクトを開始するが・・・・。


レシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂 500kcalのまんぷく定食」から着想した小説が原作の、実話をもとにした映画。ただ、実話のわりには感動は少ない。というのも、あまりにもコミカル路線に走っているため。また3か月という短いダイエット期間で、モニターの社員は何度も挫折しているので、本当にダイエットできたのか疑問がよぎったため。実際、ビフォー・アフターははっきりと見られなかったし、特殊メイクやCG?でごまかしているなど、どうもリアリティに欠けた。出演者も優香と草刈正雄以外はほぼ無名の俳優で、その点でも地味。ただし、ダイエットを考えている人にはヒントにもなる情報もあるので、お奨めかも?

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02418
製作:2013年/日本/133分
監督:大友啓史
出演:二宮和也/豊川悦司/鈴木保奈美/生瀬勝久


政府が水面下で収集した国民のDNAデータ「プラチナデータ」をもとに犯罪捜査が行われ、検挙率が大幅に上昇した2017年。そんなある日、DNA捜査のシステム開発者の殺害事件が発生。DNA捜査の専門家で警察庁特殊解析研究所に所属する神楽のDNAデータが現場から検出される。身に覚えのない神楽は逃亡し、ベテラン刑事の浅間が神楽を追跡するが・・・・。


DNA捜査は、過去の冤罪事件を晴らす手段としても注目されているが、この作品を観ると、DNA至上主義に走ると逆にそれを逆手に取った冤罪事件が懸念される恐れを強く感じた。ただ、その懸念は本作では取り込まれていなかった。その代わりに、二重人格や警察上層部の陰謀などの興味深い設定はあったものの、思ったほどの面白さではなかった。あまり深く突っ込んでいなかったせいもあるが、ストーリーの中心は、逃亡しながら真相をつかもうとする神楽の長々とした逃亡劇だったため。それも最新のIT技術で、いとも簡単に神楽の所在をつかみながら、何度もまんまと逃げられる警察のぶざまな犯人逮捕劇にあった。(途中眠くなった) ラストの真相も何とも納得いかないもの。