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シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★★★+

鑑賞No:01773
製作:2006年/イギリス、アメリカ/101分
監督:マーク・パランスキー
出演:クリスティーナ・リッチ/ジェームズ・マカヴォイ


先祖の悪行のためかけられた呪いによって、名家・ウィルハーン家にブタの鼻と耳を持った娘ペネロピが生まれる。両親は娘をマスコミや世間から守るため、ペネロピを死んだことにし、屋敷の外には一切出ないように育てることにした。そして呪いを解く唯一の方法-同じ名家の男性と結婚すること-のため、何度も見合いを行うが、一目ペネロピを見た男性はみんな逃げ出すのだった・・・。


ブタ鼻を付けたぐらいではキュートなクリスティーナ・リッチは化け物にはならないので、見合いした時にみんなが窓を突き破って逃げるシーンには違和感があった。(せめて新聞に載った似顔絵のような顔でないと、あんな逃げ方はしないんでしょう・・・)でも、キュートなクリスティーナ・リッチがあんなブタ鼻をつけていることがこの作品をメルヘンチックな作品にしており、彼女の立場に立って同情したり感情移入できたと思われる。(似顔絵のようなメイクだったら単なるモンスター映画?になっている)登場人物は基本的にいい人ばかりで、観終わってもいい気分でいられるラブ・ストーリーです。

★★★★

鑑賞No:01772
製作:2003年/アメリカ/98分
監督:ジョン・マクティアナン
出演:ジョン・トラボルタ/コニー・ニールセン


米軍パナマ基地から訓練に出たレンジャー隊が森の中で消息を絶つ。その後、捜索のため森の上空を飛行していたヘリが3名の隊員を確認するが、彼らは味方同士で撃ち合いをしていた。その結果、1名が死に、救助された2名は固く口を閉ざしたままだった。上官のスタイルズ大佐は元レンジャー隊員だったトム・ハーディを呼び、彼らへの尋問を依頼する。やがて彼らからの証言で、森で起こった事件の真相が明らかになっていく・・・・。


事件の真相を、複数の当事者の証言から追及しようとするが証言に矛盾があり混迷を深めていく・・・・といえばまず黒澤明監督の「羅生門」が頭をよぎるが、ストーリー展開はまさにその影響を受けているといえる。映画での証言者は2人なので分かりやすいといえば分かりやすいが、ただ証言に出てくる人名と顔を観ていて一致させるのに時間がかかり、矛盾点まで理解するのが大変。それでもラストの大ドンデン返しを期待して落ちこぼれないように観ていたが、意外とありきたりな結末?とおもいきや、やってくれました!ちょっとウーンと首を傾げる解説ではあるが、さすがに読めなかったラスト。結末には賛否両論はあると思いますが、最後まで息の抜けないサスペンス映画です。

★★★

鑑賞No:00550
製作:1989年/日本/105分
監督:大森一樹
出演:三田村邦彦/田中好子/高橋幸治/金田龍之介


1984年。ゴジラが新宿を襲撃した際、現場に残されたゴジラ細胞を盗み出したものがおり、そのG細胞はやがて中東のサラジア国の手に渡る。その国では遺伝子工学の権威・白神博士がG細胞の研究を行っていた。しかしバイオメジャーの工作で研究所は破壊され、研究成果は消滅、白神博士は愛娘を失ってしまう・・・。


ゴジラシリーズの第17作。1984年にシリーズ再開第1作として製作された「ゴジラ」の続編。平成ゴジラシリーズは対決する怪獣として過去の名のある怪獣を配することで、新旧ファンを取り込もうという穿った見方をしてしまう。列挙しても、キングギドラ、モスラ、メカゴジラ・・・と往年の有名怪獣ばかり。そんな中にあってこの「ビオランテ」は新しい怪獣であり、過去の栄光に捉われないチャレンジ精神を買いたい。ストーリーはやや難解で、子供向きの怪獣映画としては不適かもしれないが、怪獣の造形にしてもストーリー内容にしても、従来のゴジラとはちょっと違っていて興味深い。

★★★

鑑賞No:01771
製作:2007年/アメリカ/89分
監督:ケネス・ブラナー
出演:マイケル・ケイン/ジュード・ロウ


ロンドン郊外にある推理小説家ワイクの邸宅に、ティンドルと名乗る男がやってくる。ティングルはワイクの妻と不倫関係にあり、ワイクに離婚を承諾させるためにやってきたのだ。しかしワイクは離婚には応じず、逆にある提案をする。それは、ティングルにワイク邸から高価な宝石を盗ませることだった。これにより、ティングルは大金を得られ、ワイクも宝石に掛けた保険金が入るというものだった・・・・。


キャストはたった2人という、舞台劇のような映画。この手の映画はよほど脚本が魅力的で終始観客を惹き付けられるものでないと成功しない。そういう意味で、演じる2人の俳優の演技は素晴らしく、前半のストーリー展開も興味深いもので、どんな展開になっていくのか?どんな結末になるのか?という期待がどんどん膨らんでいく感じだった。それだけにラストは少々残念。結局分かりにくい展開とラストになってしまい、今までの伏線が活きていないような気がした。この映画はラストの大どんでん返しを期待してはダメですね。

★★★

鑑賞No:00220
製作:1985年/アメリカ/87分
監督:ジェリー・パリス
出演:スティーヴ・グッテンバーグ/ババ・スミス


ラサール署長の管轄する地区は全米で最悪の犯罪地区だった。そのため彼は、その元凶であるその地区の凶悪な暴走族を一網打尽にしようと優秀な警察官の配属を望んでいた。そこで、警察学校の校長をしている兄に相談したところ、6人の新任警察官が選ばれた。だが選ばれたのはマホニーをはじめ、怪力ハイタワーや拳銃狂タックルベリー、人間効果音ラーヴェルらだった・・・。


1作目の主要メンバーがそのまま登場する続編。舞台も警察学校から実際の勤務場所になって興味津々で、ドタバタぶりは相変わらず。また各キャラクターの個性もはっきり確立してくる。ただ、ポリ・アカの笑いのキーポイントであったハリス教官が出てこないのが寂しく、やや笑いがパワーダウンしたような印象を受けてしまう。それでも気楽に観る映画としては最適。

★★★

鑑賞No:01769
製作:2008年/アメリカ/109分
監督:デヴィッド・エアー
出演:キアヌ・リーブス/フォレスト・ウィテカー


己の正義を貫くためなら強引な手段もいとわないロス市警のやり手刑ラドローは、元相棒が自分の捜査法を調査部に密告したと聞き、コンビニ内で口論となる。そこにコンビニ強盗が乱入し、元相棒を射殺する。ラドローも応戦するが、その際に誤って元相棒の肩を撃ってしまったことから、相棒殺しの嫌疑を避けようと証拠隠滅を図る・・・・。


キアヌ・リーブスの刑事役はハマリ役のような印象を受けるが、正義感は強いものの、やり方がダーティというかアウトローのようで新鮮な感じのする役どころだった。ストーリー的にはあまり広がりがなく、限られた登場人物の中でオチをつけようとしているため、容易に結末(黒幕)が分かってしまう欠点はあったが、テンポよい展開で一気に観れるところはよかった。

★★★★

鑑賞No:01768
製作:2007年/日本/190分
監督:若松孝二
出演:坂井真紀/ARATA/並木愛枝/地曵豪


1972年2月、日本中を震撼させた事件が起こる。5人の若者が長野県軽井沢の「あさま山荘」に人質をとって立てこもり、警察との銃撃戦を開始したのだ。彼らは革命を訴える連合赤軍の兵士たちだった。その後、彼らがリンチで同士を次々殺していたことが明らかになっていく・・・・。


映画は、このあさま山荘事件に至るまでの連合赤軍の道のりを描く。日本中を震撼させた「あさま山荘事件」とは1972年に連合赤軍が起こした人質ろう城・銃撃事件である。あさま山荘事件を描いた映画としては役所広司主演の「突入せよ! あさま山荘事件」があるが、こちらは警察側の視点に立ったもので、事件のあらましと解決までの成り行きが描かれていた。ただ、事件の経緯は分かるものの、なぜこの事件が起こったか、またあの山荘内で何が行われていたのかはよく分からなかった。それに応えてくれたのがこの映画である。タイトルに「実録」と冠しているように、ストーリーは事実に基づいており、彼らの言動も事実に近いものの思われる。個々人の思想に対してとやかくは言いたくないが、訓練と称して山に立てこもり、閉塞した空間の中で集団生活を送るうちに狂気と化していく彼らが理解できないまでも見事に描かれている。リンチで殺される遠山役を坂井真紀が体当たり演技をしていた。永田洋子を演じた並木愛枝の冷酷な表情の演技も光る。内容が内容だけに決して気分の良い映画ではないが、連合赤軍や「あさま山荘事件」を知るにはよい映画。

★★

鑑賞No:01760
製作:1985年/日本/91分
監督:松永好訓
出演:渡辺典子/長山藍子/渡辺謙/谷隼人


寺沢紘子は深田ブライダルコンサルタントでアルバイトする19歳の女の子。ある日、女実業家・関根恭子から見合い相手探しの依頼があるが、紘子を一目見た恭子は紘子を見合い相手として求めてきた。承諾した紘子は所長とともに恭子の別荘に行き、真の目的を知らされる。それは、息子・昌和の婚約者がアメリカで事故に遭い入院したため、十日後に迫った親族たちの披露の場に身代わりとして出て欲しいというものだった・・・・。


まぁ、原作は赤川次郎ですから・・・・といった軽いタッチの推理サスペンス。おまけに角川三人娘の一人、渡辺典子主演の、いわゆるアイドル映画なので、作品レベル的には・・・・、といった感じです。原作は読んでいませんが、推理ミステリーではありがちな身代わりものですが、それほど目新しさはありません。その上、内容的にも雑で、突っ込みどころは満載で、薬師丸ひろ子主演の角川映画と同様です。今から20数年前の映画だけあって、渡辺謙が今のような渋さがなく、初々しいのが新鮮でした。観るなら暇つぶし程度の映画です。

★★+

鑑賞No:02474
製作:2013年/日本/119分
監督:宮藤官九郎
出演:草なぎ剛/平岡拓真/坂井真紀/仲村トオル


ごく平凡な家族に囲まれて育った少年・円山克也は、思春期真っ盛りの中学2年生。あるエロい目的を達成するため、極限まで身体を柔らかくする「自主トレ」を密かな日課にしていた。そんなある日、団地の上の階に謎めいたシングルファーザーの下井辰夫が引越してくる。ほどなくして団地のそばで殺人事件が起こり・・・・。


クドカンらしいと言えばそれまでだが、いかにもバカバカしくて酷い映画。ストーリーの中心が中学生の円山の妄想なので、もうやりたい放題、理由や必然性なんてものはない。しかも男子中学生なので妄想も観ていてこちらが恥ずかしくなるようなエロくてバカバカしい妄想だらけ。さらに映画やTVドラマをパロディ化した妄想もあり、てんこ盛りなのはいいけれど、収拾がつかない内容となっている。それでも明るい青春映画かと思いきや、後半は意外な様相を示してくるなど、一筋縄ではいかない側面を持つ作品でもあった。

★★★

鑑賞No:02475
製作:2013年/日本/116分
監督:大森立嗣
出演:真木よう子/大西信満/大森南朋/鶴田真由


緑豊かな渓谷で幼児殺害事件が起こり、容疑者として実母の立花里美が逮捕される。しかし、里美の隣家に住む尾崎俊介の内縁の妻かなこが、俊介と里美が不倫関係にあったことを証言。現場で取材を続けていた週刊誌記者の渡辺は、俊介とかなこの間に隠された秘密を迫っていく・・・・。


吉田修一の同名小説の映画化。冒頭、幼児殺害事件の容疑者として実母が逮捕されるというスタートをするが、ストーリーの核なのかなと思ったこの事件は、ストーリーにはあまり絡んでこない。実は、15年前に起きたレイプ事件の被害者と加害者という関係の夫婦の共同生活が主題で、なぜこのような関係になったのかを、週刊誌記者・渡辺が暴いていくのがストーリーの核となっている。ただ、場面場面が結構コロコロ変わり、そのつなぎがあまり良くないので少々分かりにくいシーンもある。また、俊介役の大西信満のセリフがぼそぼそとしているため、余計分かりにくかった。大胆な濡れ場もさることながら、レイプ被害者という暗い過去のある翳ある女性を熱演した真木よう子の演技が光る作品。