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シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★★★+

鑑賞No:00646
製作:1996年/アメリカ/107分
監督:ジェレマイア・S・チェチック
出演:シャロン・ストーン/イザベル・アジャーニ


全寮制の聖アンセルム男子校。理事長のガイは学校長の妻ミアと結婚したことで今の地位と財産を手に入れたのだったが、教師の一人ニコルとも愛人関係にあり、ミアにはいつもひどい仕打ちをしていた。ニコルはミアに同情し、いつもミアをかばっていたが、ついに2人は共謀してガイを殺す計画を実行に移す・・・・。


登場人物が少なく、ストーリーも分かりやすいが、色々と仕掛があって結構楽しめる作品。ヒッチコック的なサスペンス・スリラーの要素も多分にあり、殺されたはずのガイが本当に殺されているのかというのが最後まで恐怖として引きずっていく。ありきたりといえばそれまでだが、最後のドンデン返しもこの手のサスペンスものでは当然の一作。

★★★★+

鑑賞No:00302
製作:1975年/日本/153分
監督:佐藤純彌
出演:高倉健/山本圭/千葉真一/宇津井健


1500人の乗客を乗せて東京から博多に向った新幹線ひかり109号に爆弾を仕掛けたとの電話が国鉄に入る。この爆弾はスピードが80キロ以下になると自動的に爆発するというのだ。さらに犯人はこの脅迫電話が嘘でないことを立証するため、同じ爆弾を仕掛けた札幌の貨物列車を爆破する。その上で犯人は国鉄本社に500万ドルを要求してきた・・・・。


乗客を人質にして、スピードが80キロ以下になると仕掛けた爆弾が爆発するという設定はお気づきの方も多いと思いますが、キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロック主演の「スピード」と瓜二つです。製作年代的にこちらが先ですが、「スピード」が警察視点なのと爆弾が仕掛けられたバス内でのアクションが主体なのに対し、本作は犯人視点の要素がつよく、また新幹線内というよりは犯人逮捕や新幹線の運行を管理する司令室内での対応が中心で、「スピード」とは設定は酷似しているものの趣は異にしている。緻密な計画の下、事件は進行していくが、犯人側、警察側それぞれ想定外のアクシデントに見舞われ思うように事が運ばず、新幹線爆破までのタイムリミットが刻々と近づいてくるという緊張感がたまらない映画。かなりの豪華キャストであり、出演者もみな若いので、それを観るだけでも楽しめる。

★★★★

鑑賞No:02479
製作:2013年/日本/122分
監督:降旗康男
出演:水谷豊/伊藤蘭/吉岡竜輝/花田優里音


昭和初期の神戸。名前のイニシャルから「H(エッチ)」と呼ばれる少年・肇は、好奇心と正義感が強く、厳しい軍事統制下で誰もが口をつぐむ中でも、おかしなことには疑問を呈していく。Hは仕立て屋を営む父とクリスチャンの母に見守られ成長するが、やがて戦況は悪化し、神戸の町は大空襲に見舞われて・・・・。


舞台美術家でエッセイストの妹尾河童の自伝的小説の映画化。水谷豊と伊藤蘭夫婦の共演が話題となったが、何よりも肇役を演じた少年の名演が光った。あと驚くべきは当時の背景を再現したCG技術。全く違和感なく戦中の様子を再現しており、もはやこの技術があれば、どんな時代でもどんな背景でも作り出せるので映画化できないものはないだろうと思わせた。ストーリーは、太平洋戦争に突入し、日本国中が狂気に向かって進む中、その時代に翻弄される家族を描いている。その中で、今となっては当たり前のことが戦争中は否定されるが、少年Hは周りに流されず純粋に考え、間違っていると思うと平気で口に出す。大人や友人たちは慌てるが、観ている私たちはその通りだと頷いてしまう。戦後、手に入れた白米を、母親が隣の家族や行き倒れの人に分け与えようとするときもそうだ。一見、少年はいやらしい人間のように思えるが、あの状況下にあって、人間の本性を正々堂々とさらけ出した、いいシーンというか、本音のシーンだ。また、戦争中に狂気に走っていた人の、戦後の態度の豹変ぶりも興味深い。色々と見どころの多い作品である。

★★★★

鑑賞No:02477
製作:2013年/アメリカ、ドイツ、イギリス/123分
監督:ロン・ハワード
出演:クリス・ヘムズワース/ダニエル・ブリュール


76年のF1チャンピオンシップで、フェラーリのドライバーとして快調なレースを続けていたラウダは、ドイツ・ニュルブルクリンクで開催された第11戦ドイツGPで大事故に見舞われ重傷を負う。それでも奇跡的な復帰を果たしたラウダだったが、ライバルでもあるマクラーレンのハントにポイント差をつめられてしまっていた・・・・。


F1レースにおける、ジェームス・ハントとニキ・ラウダという好対照の2人の争いを描いた実話。F1レースにはあまり興味がないので、とっかかりはあまり興味深く入っていけなかったが、F1マシン同様、次第に面白さは加速され、見入っていく作品だった。ともかく実話なので、そのドラマ性は高い。特にラウダを演じたダニエル・ブリュールはラウダ本人に会ってオーストリア訛りを習得したり、事故後のヤケド痕を特殊メイクで表現するなど、リアリティも追求している。そして運命の最終戦・日本GP。期待した直接対決とはならなかったが、スピード感満開の息詰まるレースは目が離せず熱くなる。なかなか見ごたえのある男たちのヒューマンドラマ。

★+

鑑賞No:02476
製作:2013年/日本/100分
監督:松本人志
出演:大森南朋/大地真央/寺島しのぶ/前田吟


都内有名家具店に勤務する片山貴文は、「ボンデージ」という謎めいたクラブに入会してしまい、それ以降、さまざまなタイプの美女が過激なボンデージに身を包み、SMプレイの舞台は街中に留まらず、家庭や職場にも出現するようになる。やがて美女たちのは、片山をプレイは次第にエスカレートしていくが・・・・。


「大日本人」「しんぼる」「さや侍」に続く、お笑いタレント・松本人志の監督第4作。過去3作も酷い内容で個人的には酷評(他の多くのレビューも酷評だが・・・)だったが、本作も輪をかけて酷い。監督的には面白いとおもっているのだろう一発ギャグ的エピソードの、ストーリー性のないつぎはぎという印象が強く、ただただ訳の分からない映画としか言いようがない。前半からストーリーは崩壊しているが、後半はもう滅茶苦茶。タランティーノ風の演出のようなシーンもあるが、はるかに及ばないクオリティ。興業的にも大コケしたらしいが当然の結果と言える。私も途中、眠くなった。お笑いタレントの安易な映画製作に警鐘を鳴らしたい。

★★★

鑑賞No:01776
製作:1999年/イギリス、アメリカ/101分
監督:ニール・ジョーダン
出演:レイフ・ファインズ/ジュリアン・ムーア


1946年のロンドン。小説家のベンドリックスは2年ぶりに友人のヘンリーとその妻サラに会う。そしてヘンリーから、サラが浮気しているのではないかと悩んでいると告げられる。その浮気相手が気になったベンドリックスは、ヘンリーに内緒で探偵事務所に浮気相手の調査を依頼する。実は戦時中、ベンドリックスとサラは不倫していたからだった・・・・・。


友人から妻の浮気の悩みを聞かされた主人公。実は過去に自分もこの友人の妻と不倫しているわけだが、そういう立場にありながら“浮気相手(第三の男)”に嫉妬心を抱いて、友人に内緒で探偵を使って浮気相手を突き止めようとする。なんとも変な話だが、妙に興味を惹くつかみではある。この浮気調査と過去の主人公の不倫の詳細が交錯しながらストーリーは展開していくが、後半、その“浮気相手(第三の男)”が判明してからは興味が半減し、内容的にも理解しがたい面が出てくる。前半興味深いだけに、後半の展開には観る人によって意見が分かれるところではないでしょうか?

★★★

鑑賞No:00396
製作:1994年/日本/117分
監督:和田誠
出演:真田広之/原田美枝子/黒木瞳/佐野史郎


“恐怖”をテーマにした5話のオムニバス。
「箱の中」
深夜のエレベータ。男は美女と乗り合わせるが、エレベータが突然停止したことでその美女が豹変する・・・。
「吉備津の釜」
ふとしたきっかけで紹介してもらった仕事場に向う女が、子供の頃に聞かされた吉備津の釜のおじさんの話を思い出し、不気味に思って・・・・。
「乗越駅の刑罰」
久しぶりに里帰りした男が、無人駅と思って通り抜けようとして駅員に呼び止められ、イビリ始められる・・・・。
「火焔つつじ」
土砂降りの雨の中で知り合った男と女が宿に空きがないため一夜を共に過ごすことになるが、女には何か秘密が・・・。
「五郎八航空」
突然の豪雨のため無人島で男2人は足止めをくらうが、やってきた不定期の飛行機に乗ることに。しかし操縦していたのは事故で操縦できない操縦士の妻だった・・・。


ややコメディの入ったブラックホラーともいうべき作品。1作1作は深みはないが、5作オムニバスということで、バラエティに富んだエピソードが楽しめる。どれも「恐怖」をテーマに、現実ではないだろうがあったら怖いという話ばかり。それぞれのエピソードをより高めているかどうかは出演者の演技力によるところが大きい作品でもある。

★★★

鑑賞No:00481
製作:1994年/アメリカ/105分
監督:デイヴィッド・ウォード
出演:チャーリー・シーン/トム・ベレンジャー


万年最下位から脱して、昨シーズン奇跡の逆転優勝をしいたインディアンズ。当然今シーズンも期待がかかるところだが、なぜかナインのやる気が見えず、チームは連敗続き。観客も激減し、行き着くところまで来た感のあったチームだが、ある日、日本からやってきた助っ人のタナカの参入で、次第にチームは復調し始める・・・・。


ボロボロのチーム状態から奇跡の快進撃を続けるという構図は1作目と同様のストーリー展開で目新しさのない続編だが、快進撃のきっかけとなるのが日本人助っ人の活躍によるという点が斬新で、その助っ人役をとんねるずの石橋貴明が熱演したことでも話題となった。今でこそ、日本人プレーヤーの多くがメジャーリーグに進出し、あたかも日本人助っ人として活躍している昨今だが、当時はまだ野茂すらメジャーに行っていない頃なので、ある意味時代を先読みした映画だといえる。石橋貴明の演技はややオーバーアクション気味で日本人のイメージとはやや違った印象を与えるものの、マンネリ化しがちな続編にいい意味でインパクトを与えている。


★★★+

鑑賞No:01774
製作:2005年/日本/127分
監督:阪本順治
出演:真田広之/寺尾聰/佐藤浩市/中井貴一


東京湾沖で訓練中の海上自衛隊イージス艦「いそかぜ」で艦長が何者かに殺される。副艦長の宮津は先任伍長の仙石に、犯人が仙石の部下・如月一等海士であると告げ、乗務員を艦から退去させる。しかし、実は宮津は某国の対日工作員・ヨンファと共謀してある計画を実行しようとしていた・・・・。


福井晴敏の同名小説の映画化。スケールの大きな内容の映画だが、舞台のほとんどがイージス艦内のため、スケールの大きさは実感では伝わってこない。また、閉鎖空間で多くの敵を相手に孤軍奮闘す様は、「沈黙の戦艦」のスティーブン・セガールや「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスに酷似している。しいて言うなら、単なるアクション映画ではなく、至るところで、長い間の平和に安穏としている日本に戦争という現実を突き付け、自衛隊とは?国家とは?国民を守るとは?などといったテーマを再認識するよう訴えかけている映画。それにしても、プロのテロ集団に対し、一伍長があそこまで戦うのはチョット行き過ぎ・・・?

★★★

鑑賞No:01775
製作:2008年/日本/117分
監督:長澤雅彦
出演:加藤ローサ/徳井義実/河原さぶ/宮川大助


都会での生活に疲れた千鶴は、死に場所を求めて山奥に入り、寡黙な青年・田村が営む民宿にたどり着く。そこで千鶴は大量の睡眠薬を飲んで自殺を図るが失敗。やがてその民宿に留まって田村の仕事を手伝ううちに、次第に明るさと生きる望みを取り戻していくが・・・・。


“自殺”というキーワードが出てくるものの、それほどリアルで直接的ではなく、映画全体としては大して大きな事件の起こらない、最近の邦画に多い癒し系の映画。徳井義実のチョット不慣れな演技も、逆に田舎の誠実な青年というイメージが出ていて却ってよかったのかもしれない。ただ彼はいいが、吉本興業が絡んでいるため吉本芸人が多く出ているのはチョット気になった。お話自体はフィクションっぽさがあるが、この二人の恋の行方は逆に現実っぽく、映画としては消化不良感が残るかもしれない。