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シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★★★

鑑賞No:01740
製作:2007年/アメリカ/126分
監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
出演:ヒラリー・スワンク/ジェラルド・バトラー


最愛の夫ジェリーを脳腫瘍で亡くし、失意のため自宅に引きこもったままとなっていたホリー。そんな時、ホリーは30歳の誕生日を迎え、ホリー宛に誕生日プレゼントが贈られてくる。それはジェリーからのメッセージが入ったテープレコーダーだった。そして次の日からメッセージ通り、次々とジェリーから手紙が届けられるようになるが・・・・。


女性からの視点の映画なので、男性と女性では感じ方が違うかもしれないが、男性である自分にはあまり感動的なものは伝わってこなかった。まずは冒頭の険悪な夫婦喧嘩シーン。結局は仲直りするが離婚間近か?とも思える夫婦関係に深い愛情は冒頭から伝わってこなかった。そして突然の夫の死。いきなり葬儀のシーンなので、死に対するリアル感がなく、主人公の悲しみをすぐに共有できなかった。ストーリーが進行するにつれ、二人の愛情の深さは分かってくるが、突然の死の割には用意周到な手紙の準備(まぁ、これは映画の核の部分なのであまり突っ込んでも仕方ないが・・・)や、夫の友人と簡単に寝てしまうところなど、不自然で理解しがたい部分もあり、なかなか映画の中に入り込んでいけなかった。もう1点、主人公の配役にも問題があったかもしれない。ヒラリー・スワンクは私の中では「ミリオンダラー・ベイビー」での印象が強すぎ、この作品の主人公のイメージとマッチしていなかったのも原因かもしれない。

★★★

鑑賞No:02481
製作:2013年/日本/121分
監督:土方政人
出演:櫻井翔/北川景子/椎名桔平/中村雅俊


シンガポール行きの豪華客船に乗ってクルーズに出かけた令嬢・宝生麗子と執事・影山。久々の休暇に心がはずむ麗子だったが、シンガポールへの寄贈品の警備にあたっていた麗子の上司・風祭警部も同じ客船に乗っていた。さらに船の中で殺人事件が発生し、犯人からの犯行声明が出され・・・・。


2011年本屋大賞1位に選ばれたベストセラー小説をドラマ化した「謎解きはディナーのあとで」の劇場版。TVドラマの方は全く見ていなかったが、本作だけ観てもさほど支障はない。原作がユーモアミステリーだとは知っていたが、映画で観るとこれほどおちゃらけているとは正直驚いた。それでも「謎解き~」というタイトルから推察して最後は名探偵のごとく、すべての謎を見事に解き明かしてくれると信じて観ていたが・・・。確かに名探偵に該当する執事の影山が謎解きはしてくれるが、イマイチ現実性やミステリー性に乏しく、あっ!と驚く展開までには至らなかった。それでも出演者は意外と多彩で、それなりに楽しませてくれる作品。

★★★

鑑賞No:00504
製作:1995年/日本、香港/100分
監督:トニー・オウ
出演:レオン・カーフェイ/富田靖子


1920年代の南京。小説家の岡川は友人に誘われて遊郭に行った時に、年老いた父の借金返済のために遊郭で働こうとする金花と出会い、金花は岡川に身を任せる。そして二人は同棲を始めるが、岡川に妻子がいることを知った金花は姿を消し、岡川も日本に帰国する。しかしほどなくして遊郭に舞い戻った金花は客から梅毒をうつされてしまう・・・・。


芥川龍之介の同名短編小説の映画化。清純派女優のイメージが強かった富田靖子が大胆なヌードシーン、濡れ場を演じて有名になった作品です。この演技で彼女は第8回東京国際映画祭で最優秀女優賞を獲得するぐらい熱演しています。ただヌードシーンばかり話題になりますが、当時の中国における貧困層の悲惨な現実を見せつける映画でもあり、その中で不治の病に冒されながら健気にも愛する小説家を待ち続ける金花役を見事に演じていたように思います。ただ結末はあまりにも悲しくせつないので、観ていてつらかったです。これだけ体当たりで好演した富田靖子ですが、その後目立った活躍がないのは残念です。

★★★★

鑑賞No:01725
製作:2008年/イギリス/110分
監督:ロジャー・ロナルドソン
出演:ジェイソン・ステイサム/サフロン・バロウズ


1971年、中古車販売をしているテリーは旧知の女性マルティーヌが持ちかけてきた銀行強盗計画に乗り、仲間を集めて実行に移す。銀行強盗はまんまと成功し、テリーらは巨額の金品を奪い取る。しかし、この計画は王室のスキャンダルの証拠写真を回収するためのものだった。その事実を知った彼らは・・・・。


イギリスで実際に起こり、報道規制によって真実が封印された銀行強盗事件に基づいた作品。前半は銀行強盗の成否にドキドキ、後半は彼らが奪った写真や帳簿の回収を図る組織に狙われる展開にハラハラと、終始テンポよいサスペンスに楽しめる。普通は銀行強盗だけでも十分楽しめる題材だが、この映画は銀行強盗後がさらに盛り上がるという、1つで2度美味しい作品となっている。さらにこれが実話ということだし、できるだけ事実を忠実に再現しているらしいので、さらに興奮度アップです。ラストも痛快で後味の良いクライム・サスペンス映画です。

★★

鑑賞No:01720
製作:2008年/日本/107分
監督:鶴田法男
出演:木村佳乃/中越典子/谷村美月/山本太郎


100年に一度、永い眠りにつき、不老不死の身体で人間世界をさまよう謎の美少女・おろち。彼女は、29歳を過ぎると醜い姿になてしまうという悲劇にとりつかれた門前家に家政婦として潜り込む。そこには2人の美しい姉妹・一草と理沙がいたが、ある日理沙は死の寸前にある母親からある秘密を打ち明けられる・・・・。


楳図かずおの同名漫画の映画化。楳図かずお作品といえば子供の頃見た印象では、怪奇的でオドロオドロしたイメージが強いが、映画ではそんなオドロオドロした感じはなく、恐怖感はあまり伝わってこなかった。独特の恐怖感を催すような映像的演出も少なかったが、出ている女優陣の美しさもその原因のよう。そういう中で、木村佳乃と中越典子の熱演は今までのイメージを払拭するほどなかなか見もの。そして不思議な存在感のある谷村美月こそ楳図ホラーが醸し出す雰囲気に近い女優のような気がした(なので、もう少し彼女の存在を強調して欲しかった)。作品自体はイマイチ感が拭えないが、ラストのドンデン返しは良かった。

★★★

鑑賞No:00122
製作:1984年/アメリカ/109分
監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス/ダリル・ハンナ


泳げない少年アランはある日、海水浴にきて溺れかかったところを人魚の少女に助けられる。二人は一目で惹かれあうが、人魚は海に戻ってしまい、アランは幻想だったと思って、20年の時が過ぎる。成長したアランは兄とともに青果会社を営んでいたが、そんなアランの前に人魚の彼女が現れる・・・。


最近は重厚な演技の多いトム・ハンクスだが、彼がまだ若くコメディ俳優として活躍(ハリウッドでの評価は今のように高くはなかったが・・・)していた頃の作品で、軽いノリの軽妙な演技が観れる作品。特筆すべきストーリーではないものの、ラブ・ファンタジーとして最後まで楽しめます。本作はストーリーよりも特筆されるのはダリル・ハンナです。人魚役として出演していますが、惜しげもなく披露するヌードシーンは眩しく、初めて観たときは私も若かったですがドキドキしました!

★★★★

鑑賞No:01783
製作:1970年/日本/126分
監督:村野鐵太郎
出演:石原裕次郎/山崎努/渡哲也/芦田伸介


3774メートルの富士山頂。ここにレーダーを設置すべく情熱に燃える気象庁の葛木課長は3年にわたり大蔵省に足を運び、ついにその夢が実行に移されるときがくる。一方、大成建設と共にこの工事を受注した三菱電機は技術部員の梅原を技術責任者として対応させることに。やがて工事は始まるが、予想以上の気象条件に難作業は続くことに・・・・。


ビデオ・DVD化されておらず、幻の名作といわれている本作が、以前、石原裕次郎二十三回忌特別企画としてTV放映されたため観ることに。昔、NHKで「プロジェクトX」という人気番組があったが、その映画版のごとく、ある目的に向って不屈の男たちが自分たちの夢と使命感で職務を果たそうとする姿はやはり感動と尊敬の念を呼ぶものである。この作品では、大自然の猛威にさらされながら危険を克服し、富士山頂に気象レーダーを設置するというものだが、高山病や天候の急変、資材運搬の困難さ、乱気流、大型台風の接近と、工事を疎外する状況が次々と襲ってきて、工事は困難を極める。しかし気象庁からは納期厳守を言い渡され、担当者たちは苦境に陥る。それでもあきらめず事を成そうとする不屈の精神には頭が下がる。36歳の石原裕次郎をはじめ、勝新太郎、渡哲也、芦田伸介、宇野重吉、山崎努など豪華キャストによる感動の一作。

★★+

鑑賞No:00326
製作:1977年/日本/88分
監督:大林宣彦
出演:池上季実子/大場久美子/松原愛/神保美喜


中学生のオシャレは、イタリアから帰国した父親に新しい母を紹介され、ショックを受ける。そのショックを吹き飛ばすため、夏休みにオバチャマの羽臼邸に仲間たち6人と行くことにする。オバチャマもみんなを歓迎してくれ、都会育ちの7人にとってはオバチャマの家がある田舎の雰囲気は新鮮で大喜びするが、実はオバチャマは数年前に死んでいた・・・・。


「転校生」「時をかける少女」などの尾道3部作で有名な大林宣彦監督の初監督作品。ホラー映画だが、ファンタジックさのある映像が大林監督らしさがにじみでているともいえるが、人を食べる屋敷と化した妖怪が少女たちを次々と食べていくという、コミカルながら残酷な内容。ストーリーや映像はもう何でもアリの世界で、ハチャメチャといえなくもないが、サービス精神も多分に窺える。映画としての品位や品質は必ずしも高いとはいえないが、なぜか印象に残る映画でした。(そこがカルト映画たる所以でしょうか・・・?)

★★★+

鑑賞No:02480
製作:2013年/日本/129分
監督:中村義洋
出演:阿部サダヲ/菅野美穂/池内博之/山崎努


日本最大のりんご畑が広がる青森県中津軽郡で生まれ育った秋則は、りんご農家の娘・美栄子とお見合い結婚して婿入りし、りんご作りに携わるようになる。しかし、りんごの生産に不可欠な農薬が美栄子の体を蝕んでいることがわかり、秋則は私財を投げ打ち、絶対不可能と言われていた「りんごの無農薬栽培」に挑むが・・・・。


不可能と言われたりんごの無農薬栽培に取り組み成し遂げた木村秋則さんの実話の映画化。周囲の反対・批判にも屈せず、10年以上にわたり無農薬栽培に挑戦し続け、そして最後には成功させたという意味では感動的なドラマでした。でも、それは最後に成功するからであって、家族の生活をどん底まで落とした上、進退極まって死のうとするこんな父親は家族にとって不幸そのもの。死にきれず、また成功につながる解決策を見出すから良かったようなものの、一歩間違えれば「悲劇のリンゴ」になりかねない話でした。むしろ「奇跡」というのは、この父親の無謀な挑戦を文句も言わず、耐え忍んで支えていった家族だと思います。父親が挫折して無農薬栽培をやめようとした時、むしろ子供が「やめないで」と叫んだシーンの方が感動的でした。

★★★★

鑑賞No:00368
製作:1982年/西ドイツ/157分
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
出演:クラウス・キンスキー/クラウディア・カルディナーレ


19世紀末の南米ペルー。未開の土地に文明の光を当てようとして失敗を繰り返していた冒険家フィツカラルド。カルーソーのオペラを聴き感激した彼は、今度はオペラハウスを建てようと決意する。しかし目的地まで達するには、数トンもの巨船を山越えさせなければならなかった・・・。


アマゾン川の上流にオペラハウスを作りたいという、空前絶後の発想もすごいが、それを現実にやろうとするところに本当の凄さを感じる映画。そしてこの映画を語る上で避けて通れないのが、オペラハウスを作るために巨船を山越えさせるシーン。これは圧巻です。このシーンのために観るだけでも価値があります。この観ているだけで疲れそうな山越えの後、激流下りという難所がありますが、ここになると爽快ですらあり、ラストはもう感動!長尺ですが、忍耐強く観てはまれば感動の一作です。