実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち) | シネマ大好き!

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今まで観た映画の感想です。

★★★★

鑑賞No:01768
製作:2007年/日本/190分
監督:若松孝二
出演:坂井真紀/ARATA/並木愛枝/地曵豪


1972年2月、日本中を震撼させた事件が起こる。5人の若者が長野県軽井沢の「あさま山荘」に人質をとって立てこもり、警察との銃撃戦を開始したのだ。彼らは革命を訴える連合赤軍の兵士たちだった。その後、彼らがリンチで同士を次々殺していたことが明らかになっていく・・・・。


映画は、このあさま山荘事件に至るまでの連合赤軍の道のりを描く。日本中を震撼させた「あさま山荘事件」とは1972年に連合赤軍が起こした人質ろう城・銃撃事件である。あさま山荘事件を描いた映画としては役所広司主演の「突入せよ! あさま山荘事件」があるが、こちらは警察側の視点に立ったもので、事件のあらましと解決までの成り行きが描かれていた。ただ、事件の経緯は分かるものの、なぜこの事件が起こったか、またあの山荘内で何が行われていたのかはよく分からなかった。それに応えてくれたのがこの映画である。タイトルに「実録」と冠しているように、ストーリーは事実に基づいており、彼らの言動も事実に近いものの思われる。個々人の思想に対してとやかくは言いたくないが、訓練と称して山に立てこもり、閉塞した空間の中で集団生活を送るうちに狂気と化していく彼らが理解できないまでも見事に描かれている。リンチで殺される遠山役を坂井真紀が体当たり演技をしていた。永田洋子を演じた並木愛枝の冷酷な表情の演技も光る。内容が内容だけに決して気分の良い映画ではないが、連合赤軍や「あさま山荘事件」を知るにはよい映画。