日本 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

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なぜ日本では「にほん」と「にっぽん」という二つの呼び方があるのか。大東文化大学文学部准教授の山口謡司氏によると「まず日本が自国のことを「日本」と表記するようになったのは飛鳥時代だと言われています」ただし当時の日本人はこれを「やまと」と呼んでいました。720年に完成した日本書記にも「日本此耶麻騰云」ひのものこれやまとという、と記されています。ではなぜ「やまと」が「にほん」「にっぽん」となったのか。

 

平安時代になると我が国は中国、当時の唐との国交が盛んになっていきます。そのとき中国の人たちは「日本」を中国の読み方で「にえっと」「ぷぁん」と発音していたのです。これが変遷して「にっぽん」となったのです。この中国人の発音を聞いた日本人が真似をして自分の国のことを「にっぽん」と呼ぶようになったのです。

 

では「にほん」という呼び方はいつ生まれたのでしょうか。これが広まってくるのは江戸時代になってからと言われています。江戸時代の学者、本居宣長が国名の由来についてまとめた書物「国号考」これには「新たににほんという」と書かれてあり江戸時代には「にほん」と呼ばれていたことがわかります。なぜ「にほん」という言葉が生まれたのかというと、実は早口の江戸っ子たちによって「にほん」という呼び方が生まれてきたのです。せっかちな江戸っ子たちが早口で「にっぽん」と話すうちに簡略化され生まれた呼び方なのです。つまり京都や大阪など西の地域では「にっぽん」江戸を中心とする東の地域では「にほん」と呼ばれていました。なので大阪にある日本橋は「にっぽんばし」東京の日本橋は「にほんばし」と呼ぶのです。

 

 

▶︎日吉