コーピング | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。

 

私たちの回りにある様々なストレス。こうしたストレスを受けると、脳の中にある恐怖や不安を感じる扁桃体が活動を始めます。すると脳から体に指令が出されて、副腎から様々な物質がぶんんぴつされます。ストレスホルモンです。ストレスホルモンは心拍数を増やし血圧を上げるなど、ストレス反応と呼ばれる様々な反応を体に起こします。このストレスホルモンの中で今注目されているのがコルチゾールです。コルチゾールは脳にたどり着き吸収されますが、一定の量を越えて増え続けると脳の一部を破壊することがわかって来たのです。

 

太古の昔、私たちの祖先が猛獣に襲われるなどのストレスを受けたとき体が反応し、ストレスホルモンが分泌されるのは生き残る為に必要な、本来私たちの体に備わっている自然な反応です。ところが天敵がいなくなった現代、仕事や人間関係などが天敵に代わって、私たちに精神的な負担をかけるようになりました。こうした立て続けのストレスに私たちの体は休む間もなく反応し続ける状態になっています。

 

ストレスに立ち向かう最前線の対策にコーピングがあります。究極のストレス職場と呼ばれる宇宙。宇宙では一瞬の事故が宇宙飛行士たちの命を奪います。しかも莫大な時間と予算をかけたミッション。ミスは許されません。日本で十人ほどしかいない宇宙航空医師、緒方克彦さん。緒方医師は宇宙飛行士のストレス対策としてコーピングを研究しています。

 

まずストレスがかかったときに、どんな気晴らしをすれば気分があがるのかあらかじめリストアップしておきます。たとえば音楽を聞く、読書するなど些細なことでかまいません。大切なのはなるべく数多くリストアップすることです。そして色々なストレスがかかるたびにそのストレスに見合った気晴らしを行います。その結果ストレスが減ったかどうかを自分で判断します。まだストレスを感じていたら、さらに気晴らしを続けたり、別の気晴らしに切り替えたりします。このように自らのストレスの観察や対策を意識的に徹底的に繰り返す。これがコーピングです。これが五つのストレス対策の㈭番目の方法なのです。

 

 

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