これを演技に当てはめてみましょう。これまでは、たとえば「怒り」の演技をする場合、「怒ろう怒ろう」と意識してから「怒る(アクション)」するというふうに、意識(感情)から始めて、のちに「行動」するという順序で演技することが一般的でした。しかし「脳の指令」から演技を考えるならば、まず「怒る」というアクションをすれば「意識」は自然に生じるということになります。つまり俳優は演技をする場合に感情や意識は必要ないということになります。
では、演技を行う場合の「脳の指令」に当たるものはなんでしょうか。僕はこれこそが「台本」だと考えます。台本には、ここで怒れ、笑え、泣け、喋れ、と指示が書いてあります。つまりその指示に従ってアクションすれば良いのです。
▶︎代々木