大企業は必要か? | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
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現在のドイツは、東西ドイツが統合されて以来、最低の失業率です。つまり人手不足だということ。ドイツは、輸出で潤っています。

 

ドイツの人口は世界の1%に過ぎませんが、輸出額は世界の輸出額の10%を占めています。つまりドイツほど自由貿易の恩恵をこうむっている国は世界広しといえども、そう多くないわけです。そのドイツが門戸を閉ざせば、失うもののほうが遙かに大きいでしょう。

 

そのドイツの輸出産業を支えているのは中小企業です。彼らは高度にエンジニアリングされた付加価値の高いニッチ製品を、高度に熟練した職人によって作り出しています。このためドイツには徒弟制度のようなものがあり、中学3年生くらいの若者からトレーニーとしてそれらの職場でみっちり仕事を叩き込まれます。大学へ進む場合も、それらの家族経営の会社がスポンサーとなって進学支援する場合があります。

 

つまりそれらの企業は、本当の意味での終身雇用を目指しており、不況が来たら、社員全員が給与カットに喜んで応じ、時短勤務します。つまり売上不振をリストラで乗り切るのではなく、全員が働く時間を減らすことで、折角長年、手塩にかけて育てた熟練工を、手放す羽目に陥らないようにするわけです。暇な時間を利用して、次の新製品開発のためR&Dにいそしむ社員も居ます。

 

どうせすべてを会社が教えるのだから、経営者が欲しいのは、勤労意欲が強く、一生会社に忠誠を誓うような若い労働力です。経営者は、そんなハングリーな若者を獲得するのが困難であることを知っているので、シリアの難民の中からも「金の卵」のような人材が居ないか試用してみることにやぶさかではありません。

 

次にドイツでは「法のフレームワーク」がきちんと認識されています。ドイツの中小企業の経営者にとって、ビジネスの生死を決める最重要な要件は、未来永劫に渡って、滞りなく輸出できることに尽きます。

 

 

とても感心させられる記事でした。聡明な国だと思います。

 

 

 

▶︎道化師の森