「粋(いき)」という言葉をちょっと勘違いしてました。
洗練されていて気がきいている、だけでなく、
繊細で人情のこまごまとしたことに通じている、
という意味もあるんだそうです。
落語家の春風亭柳昇師匠が行きつけだった居酒屋に、
弟子の昇太さんたちが顔を出すと、
店主が黙ってビールとおつまみを出してくれたんだそうです。
当時、若くてお金なんか無かった昇太さんたちは、
お店の好意にありがたく甘えていました。
柳昇師匠が亡くなって7年ほどが経ったある日、
昇太さんが久しぶりにその店を訪ねると、
相変わらずビールとおつまみがスッと出て来ます。
楽しく飲んで食べてお勘定を払おうとした昇太さん。
すると店のご主人が、
「うちの若いもんが来たら飲ませてやってくれと、
柳昇師匠からいただいたお金がまだ残ってますから」
こういうのを「粋」な話というんですね。
ちなみに関西では「粋(すい)」と言います。
▶︎近景