劇場 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。

 

以前、ブロードウェイの、

劇場の客席数を聞いたことがあります。

 

ストレートプレイの劇場で300~400席。

ミュージカル専用の劇場でも700席くらい。

そう意外と小さいのです。

オフブロードウェイで200席、

オフオフで100席くらいしかないんだそうです。

 

あのガッチリとした骨格で声の響く西洋人たちでさえ、

この程度の広さで演技しているのですから、

日本人ならばもうひと回り狭い空間でいいのではと思います。

歌舞伎の小屋なども江戸時代には、

だいたい500席~700席程度だったというのですから、

やはり人間が心地いいと感じる空間には、

限度があるということなのでしょう。

 

もともと映画体験のほうが、

先だったからかもしれませんが、

僕の場合どうしても小さな空間のほうが心地いいと感じます。

高校生のときの文化祭でも体、

育館ではなく教室をひとつ借りて、

黒い布を張り巡らして芝居を打ったことがあるくらいで、

今でも広い劇場で観客に向かって、

何かを表現して見せるという芝居ではなく、

観客がアパートの一室をのぞき見してる、

感覚になれるような舞台のほうが好きですし、

そのリアル感をずっと目指しています。

 

音楽の場合もあまり広いところで、

スピーカーから大きな音がガンガン流れてくるライブを、

あまりいいと思ったことがありません。

せっかく生なのに人の声も楽器の音も、

けっきょくミキサーの作った、

人工的な機械音で聞かされるわけで、

それよりは小さなライブハウスで、

楽器の音が生で聞こえてくる、

ジャズ演奏のほうがよっぽどワクワクします。

せっかく同じ空間を共有するのならば、

熱気や息遣いにもっとこだわりたいと思うのです。

 

 

▶︎五反田