今から35年以上昔に劇団雲が上演したこの舞台が、
依然、僕がこれまでに見た舞台のベスト1です。
演出は芥川比呂志さん。主演は橋爪功さん。
まず、舞台が始まると、どこからか口笛の音。
そしてローラースケートに乗ったスカパンが登場してきます。
で、このいい加減な召使いが喋り始めると、なんと関西弁。
度肝を抜かれる連続でした。
僕がこれまで見た中であんなにお洒落で軽快で、
抱腹絶倒なコメディはあとにも先にもありません。
フランスの有名な古典喜劇を、
秀逸な演出で現代に蘇らせた傑作だと思います。
他にも素晴らしい舞台は沢山ありますが、
やはり群を抜いています。
で、ベスト2が同じく芥川さん演出の、
「海神別荘」これも素晴らしい。
明治の文豪、泉鏡花が書いた怪奇趣味に溢れた戯曲で、
ある美女が人柱として海神の王に輿入れする物語ですが、
白無垢の花嫁が黒タイツの魚たちの騎馬戦で、
海中を旅する場面など、
35年経った今でも鮮明に脳裏に焼きついています。
▶︎みりん