淋しいのはお前だけじゃない | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。

 

大好きなテレビドラマです。

放送されたのが1982年ですから今から34年前の作品ですね。

 

借金の取り立て屋である非人情な男が、

ひょんなことから債務者たちと一緒に、

大衆演劇の劇団を作ることになり、

その過程で人間性を回復していくというストーリー。

毎回、歌舞伎や大衆演劇の演目を、

モチーフにしながら展開していくという、

僕的には最高に面白いドラマでした。

 

ところがこのドラマ、

視聴率は毎回2、3%程度しかありませんでした。

これは当時深刻化していた、

ローン地獄を扱ったシリアスな内容が、

視聴者を遠ざけたということもあったのでしょうが、

主演の西田敏行さんの演技があまりにもリアルで、

初回、2回目くらいは、

ちょっとしんどいと感じた方が多かったんでしょうね。

 

でも、僕はそこが逆に面白かった。

僕の中での西田敏行さんのベスト1は、

この「淋しいのはお前だけじゃない」です。

当時、ビデオテープに録画して、

擦り切れるまで何度も見たものです。

 

共演の俳優さんたちも皆素晴らしかった。

なんか演技を越えて、

本気でこの物語の中で生きているように感じました。

視聴率こそ低迷しましたが、脚本の市川森一さんは、

これで第1回向田邦子賞を受賞されていますし、

確かその年のテレビ大賞も受賞したはずです。

視聴率だけが正しい判断基準ではないということですね。

 

最近になって全13話のDVDがあることを知り購入しました。

そしてその解説文の中に、

脚本家の三谷幸喜さんが寄稿文を書いてらっしゃいました。

「僕はこのドラマを見て脚本家になろうと思った」

 

 

▶︎近景