映画「七人の侍」を、
初めて見たときの衝撃は今でも忘れられません。
207分の長編ですが、
わくわくドキドキしながら、
あっというまに見終わってしまいました。
最初の公開が1954年で、
僕が生まれる前年の映画なのですが、
僕自身は20歳のころに、
リバイバル公開されたときに初めて見ました。
しかし、まったく古くさいとは感じませんでした。
その後、何度も見返していますが、
何度見ても飽きる事が無い、
黒澤明監督の最高傑作であり、日本映画の最高傑作です。
マルチカム撮影方式。
(複数のカメラでひとつのシーンを同時に撮影する)
が初めて採用された映画であるとか、
それまでの時代劇と違い、
髷や衣装などの時代考証がリアルだとか、
素晴らしい点はたくさんありますが、
やはり一番すごいのは、
黒澤監督の「リアル」に対するこだわりだと思うのです。
人間が生きていくこと、死んでいくことが、
これほど骨太に語られている映画が、
55年も前にすでにあったということが凄い。
まだ、ご覧になったことがないという方は是非。
幼少期に黒澤作品に触れて、
多大な影響を受けたというスティーブン・スピルバーグは、
映画の撮影前や製作に行き詰まったときに、
もの作りの原点に立ち戻るために、
必ずこの映画を見ると発言しているそうです。
▶︎近景