昔、ある大学の英文学の教授が、
学生全員にシェイクスピアを読むように言い、
後日、読んだ感想を述べさせました。
学生たちは異口同音に「素晴らしい」とか、
「傑作だ」とか言ったんだそうです。
その中でただひとりの学生が、
「なんですかこれ?支離滅裂じゃないですか」
と、シェイクスピアをけなしました。
教授は内心(こいつはモノになるかも)
と彼に期待しました。
十数年後、その学生は立派な、
シェイクスピア研究家になったんだそうです。
なんでもかんでも否定しろということではありません。
彼はきっとシェイクスピアの面白さに気づいたからこそ、
シェイクスピアの支離滅裂にも引っかかったんでしょうね。
独自の意見を持つには勇気と責任が必要です。
しかし、そういうところからしか、
オリジナリティのある考えは生まれてこないように思います。