たとえば一人の女性がいます。
母親と話す時、彼女は子供になります。
姉と話す時は妹に、妹と話す時には姉になります。
恋人と話す時は彼女に。
夫と話す時は妻に。
そして子供と話すときには母親となるのです。
つまり、人は自分のキャラクターを、
相手に応じて演じ分けているのです。
自分ひとりで子供の気分になったり、
妻の気分になったりするのではなく、
相手に対して自分がどうあるのかを考える。
演技するときのキャラクター作りの、
ヒントがここにあると思います。
ドイツ語で「顔」のことを「ゲジヒト」と言います。
この言葉の語源は「見られる」なんだそうです。
ネコは一匹だけで飼っていると、
いつまでも子供の意識でいますが、
子猫を出産すると、
途端に母親の意識に変わるんだそうです。