ミニクーパー④ | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


待ちに待った納車の日。

あの日の興奮は今でも忘れられません。


日本車の鍵は普通大きいのが1個だけですが、

ミニには三つの小さな鍵があります。

エンジンの鍵、ドアの鍵、トランクの鍵、

全部が別々なのです。

これもなんかとてもオシャレ。

車の鍵をジャラジャラ言わせながら、

その中のひとつを選んでドアを開ける。

このちょっとした手間が、

儀式のようでとても楽しいのです。


エンジン始動。

お腹に響いてくるようなエンジン音。

この車内いっぱいに広がる振動がなんとも心地よい。

そして、日本車に比べてそのハンドルの重いこと。

アクセルもブレーキもとても固くて踏むのが大変。


外見は可愛い車ですが、

女性が運転するには骨の折れる車です。

当然、マニュアル車なので、

いちいちシフトレバーを操作しなければなりません。

でも、この操作している感じが、

自分で車を動かしていることが実感出来て、

これまた楽しいのです。


運転を初めてすぐに、あいにくの雨が……。

ワイパーのスイッチを入れてみてびっくり。

ワイパーが動かないのです!

ええっ、新車なのに~っ!


たちまち雨で前方が見えなくなってきたので、

あわてて路上に駐車、ショップに電話しました。

当時、まだ携帯電話などなかったので近くの公衆電話から。

店員さんに現状を訴えると、

「ああ、ボンネットを開けると、

ヒューズボックスがあるので交換してください」

と平然とした口調で言われてしまいました。


そうか、ミニ乗りはこんなことで驚いたり、

うろたえたりしちゃいけないのだ。

雨に打たれながらもなんとかヒューズを交換。

するとワイパーは、

何事もなかったかのように快調に動き始めました。

恐るべしミニ。



▶︎近景