クリスマス・ケーキ | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


子供の頃に食べたクリスマス・ケーキ、

僕の時代は、

バタークリームのデコレーション・ケーキでした。


クリスマス・イブには、

いつも親戚が合同で賑やかなパーティを。

大きなデコレーション・ケーキは1年に1度のご馳走でした。

でも、当時はどこも大家族。

僕に回ってくるのは、たった一切れのケーキでした。

(ああ、もっと食べたいなあ)

そう思い残して大人になりました。


クリスマスケーキはその後、

アイスクリームから生クリームに。

でも、僕に取って生クリームは、

クリスマスケーキじゃないんだよなあ。


数年前、知人が教えてくれました。

「九段下にあるゴンドラという洋菓子屋さんには、

 今でもバタークリームの、

 クリスマス・ケーキがあるみたいだよ」

「ええっ、ほんと!」

すぐに電話して問い合わせました。


お店のご主人にお話を伺うと、

かつて粗悪なバターを使用したケーキが出回ったことで、

バタークリームのデコレーションは、

衰退してしまったとのこと。

「うちは今でも上等のバターを使用してますよ」

それから毎年、

一番大きな8号のバターケーキをお店に予約して、

当日は車を飛ばして買いに行きます。


そして、クリスマス・イブから、

大晦日にかけての一週間で、

ひとりでまるごと食べるのが毎年の年中行事になりました。

し・あ・わ・せ



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