何故、多くの夫婦は4年で離婚してしまうのか?
研究からは男女関係の障害となるものが、
二つあることがわかってきました。
ひとつは、男性が女性の気持ちを読み違え
ついつい余計なことをしてしまうことです。
実は、男性は女性に比べて
気持ちや感情を読み取れないという報告があります。
長い進化の歴史の中で、
女性たちは部族の他の女性たちと行動を共にし、
会話を絶やすことはありませんでした。
仲間の絆を深めるための会話では、
相手の感情を知ったり、
感情を伝えることが大切でした。
一方、男同士の会話は、
刻々と変わる状況にどう対応するかという
問題解決型のものでした。
実は、男と女の会話に対するこの違いが
男女のすれ違いを生む最大の理由ではないかと
ゴットマン博士は考えています。
職場であったちょっとしたささやかな喜びや悲しみ、
その日に味わった感情を夫と共有したい妻に対し、
解決すべき問題があるとき以外、
会話をすることに積極的でない夫。
男と女のすれ違いを乗り越えるためには、
どんな行動を取れば良いのか?
ゴットマン博士は、
男性が上手に会話を続けることが鍵だと言います。
女性に受け入れられる最大の秘訣、
それは質問することです。
ほとんどの人は質問しません。
いつも主張ばかりしています。
質問をすれば、
相手は関心を持って貰えていると思って心を開きます。
男性は社会の厳しい競争を生き抜くために、
自分を磨いてきました。
そのため相手の気持ちを受け止めたり、
感情に敏感になるのは容易ではありません。
しかし、夫婦で過ごす時間が長くなる中、
自ら変わり家族との絆を深めることが求められています。
これは新たな挑戦なのです。
ゴットマン博士が会話の実験の最後に、
夫婦お互いが必ず相手に質問させる内容があります。
あなたの夢はなんですか?
人生で成し遂げたいことはなんですか?
我々はいま、生きていく意味や、
目的といった哲学的なレベルのことを
夫婦で一緒に考え、新しい価値観を共に築いていく、
そんな時代を迎えています。
夫も妻も、その長い人生を歩むために
欠かせない大切なパートナーなのです。
子供を共に育てるために始まった、
女と男の恋愛のメカニズム。
しかし、長い進化を経て、
男女関係は子孫を残すためのものから、
人生を共に過ごす、
パートナーへと進化してきたのです。
お互いの違いを知り、
それを受け入れる努力をする。
それが新しいパートナーシップを、
築く道なのかもしれません。
僕にとってとても興味深い研究テーマでした。
演出家、俳優として演技を考えるとき、
最初は形をどう表現するかを考えました。
次に人間の心理を考え、
やがては人間そのものを考えるようになっていきました。
考えれば考えるほど、
人間はとても神秘的で面白い存在だと思います。