エリザベス・キューブラー・ロス | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


人間が死を受け入れるときの、

心理状態を唱えた著名な精神科医です。

拒否、怒り、駆け引き、絶望、受容、という、

死の受容のプロセスを、

耳にしたことがある人は多いと思います。


①否認/自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階。

②怒り/なぜ自分が死ななければならないのかという、

周囲に向ける段階。

③取引/なんとか死なずにすむよう取引を試みる段階。

④絶望/何も出来なくなる段階。

⑤受容/最終的に自分が死ぬ事を受け入れる段階。


演技を考えるとき、自分の人生を考えるとき、

折に触れてたびたびこのことを思い出します。


俳人の正岡子規は自分が結核にかかっていることがわかり、

死期を悟ったのちに「子規」という雅号にしたんだそうです。

「子規」というのはホトトギスという鳥の別名で、

結核を病み喀血した自分を、

血を吐くまで鳴くと言われる、

ホトトギスに喩えたと言われています。


明治の人のこの覚悟、この胆力、とても真似出来ません。

僕自身は、果たして自分の死を、

受容することが出来るのだろうか。

そんなことを時々考えます。



▶︎近景