テクニックを競うのはスポーツです。
音楽は芸術です。
芸術は「聖職者」によって表現されなければなりません。
バスホールやカーネギーホールは、
我々ピアニストにとっては寺院です。
私たちの神はモーツァルト、ベートーベン、
ブラームス、シューマン、ショパン、ラフマニノフ、
リスト、ドビュッシー、ラベル、
彼らの曲を美しく演奏するのが私の言う聖職者なのです。
聖職者は200年前の作品の価値や、
生まれた時の衝撃を今に伝えるのです。
ピアニスト、メナヘム・プレスラーの言葉です。
ちなみに日本の相撲は神事です。
僕は横綱には品格が必要だと思っています。
以前、高校剣道の試合で勝った選手がガッツポーズをして、
勝利を取り消されたという話を聞いたことがあります。
当然だと思います。
剣道は本来相手を殺すための技です。
相手を殺してガッツポーズしちゃいけません。
倒した相手には敬意を払うべきです。
そう言えば「アバター」という映画の中で、
獣を倒したあとに先住民の女性が言います。
「あなたは苦しませなかった」
哲学のある心に残った台詞でした。