めりはり | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


緩急、明暗、高低を要所要所、

適確に抑えていることを「めりはりが利く」とか、

「めりはりをつける」と言います。


これはもともと歌舞伎で使われた言葉です。

歌舞伎の台詞の抑揚を、

基本より低く下げることを「めり」と言います。

これは伴奏音楽の「めりやす」を略したもので、

この曲は物静かで、心中物や愁嘆場などでの、

しんみりした場面で使うものです。


「はり」は逆に、

声や気持ちが引き締まっている状態を言います。

「めり」と「はり」をはっきりつけるということから、

「めりはりをつける」という言葉が出来たのです。

知らないうちに使っている歌舞伎用語、実に多いですね。



▶︎近景